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伊織はうろたえる。
この種類の視線にはめっぽう弱かった。
「なあ。オレ、伊織とは親友のつもりなんだけど」
「う、うん。わたしもそう思ってるよ」
「じゃあなんでなんも話してくれないんだ?」
「話すもなにも、もとからなんにもないんだもん。話しようがないんだってば」
「…………」
信長の目が、切なげに揺れる。
伊織はその瞳に見つめられて、いっそうずきずきと罪悪感が痛んだ。
でも、負けない。
そんな伊織に、信長がとどめの一言を告げる。
「なあ、オレってそんなに頼りにならないか?」
「う~~~~~。あー、もう! わかった。わかったよ。話す。全部話すからそんな目で見ないで! うう、罪悪感が~、胸が~、ちぎれるように痛いようおうおう」
伊織はついに根負けした。
諦めるように嘆息すると、恨めしげに信長を見やる。
「でも、これを聞いてショックを受けても、わたしを恨まないでよね」
そう言って、伊織は重い口を開いた。
伊織から全てを聞いて、信長は双眸を細めた。
「ああ、それはお前がバカだな」
あっさり言い放ってやると、隣を歩く伊織はがっくりとうなだれる。
「わかってますよー。もう、月と同じこと言うんだから」
「月?」
「うちの弟」
「ああ、バスケやってるっていう? いくつ?」
「中二。うちの附属の中学通ってるから会うこともあるかもね」
「それは楽しみだな。まっ、この信長様にはかなわないだろうけどな。かーっかっかっか!」
「はいはい」
伊織の冷めた切り返しに、信長は表情をあらためた。
「にしても、お前の弟賢いな。中二で今の話を聞いて、伊織の方がバカだってわかるんだもんな」
「ちょっと! そんな言い方したら、月がまるでわたしのこと罵倒しただけみたいじゃん。月は、わたしが過ちを繰り返さないように、あーえーて言ってくれた心の優しい子なんだから」
「ああ、オレといっしょだ」
「どこが!」
伊織が噛み付くように言う。
「あーあ、ノブにだけはこのこと言いたくなかったのに」
「なんで?」
信長は、ムッとして問い返した。
オレにだけはとはどういう意味だ。
「だって、ノブはまりあちゃんのことが好きじゃない。こんな話したら、ノブが傷ついちゃうと思ったから」
「? なんでオレが傷つくんだ?」
「だから! まりあちゃんが神先輩のことすっごい好きなんだって報告してるようなもんでしょ!?」
「ああ、そうか! がーん、なんかオレ、今のお前の解説で傷ついたかも……!」
「え!」
信長が身振り手ぶりつきで大げさに言うと、伊織が見るからに慌てた。
「あわわごめんねノブ! そうか、ノブは単細胞だから言わなきゃ気付かなかったのに、ごめん!」
この種類の視線にはめっぽう弱かった。
「なあ。オレ、伊織とは親友のつもりなんだけど」
「う、うん。わたしもそう思ってるよ」
「じゃあなんでなんも話してくれないんだ?」
「話すもなにも、もとからなんにもないんだもん。話しようがないんだってば」
「…………」
信長の目が、切なげに揺れる。
伊織はその瞳に見つめられて、いっそうずきずきと罪悪感が痛んだ。
でも、負けない。
そんな伊織に、信長がとどめの一言を告げる。
「なあ、オレってそんなに頼りにならないか?」
「う~~~~~。あー、もう! わかった。わかったよ。話す。全部話すからそんな目で見ないで! うう、罪悪感が~、胸が~、ちぎれるように痛いようおうおう」
伊織はついに根負けした。
諦めるように嘆息すると、恨めしげに信長を見やる。
「でも、これを聞いてショックを受けても、わたしを恨まないでよね」
そう言って、伊織は重い口を開いた。
伊織から全てを聞いて、信長は双眸を細めた。
「ああ、それはお前がバカだな」
あっさり言い放ってやると、隣を歩く伊織はがっくりとうなだれる。
「わかってますよー。もう、月と同じこと言うんだから」
「月?」
「うちの弟」
「ああ、バスケやってるっていう? いくつ?」
「中二。うちの附属の中学通ってるから会うこともあるかもね」
「それは楽しみだな。まっ、この信長様にはかなわないだろうけどな。かーっかっかっか!」
「はいはい」
伊織の冷めた切り返しに、信長は表情をあらためた。
「にしても、お前の弟賢いな。中二で今の話を聞いて、伊織の方がバカだってわかるんだもんな」
「ちょっと! そんな言い方したら、月がまるでわたしのこと罵倒しただけみたいじゃん。月は、わたしが過ちを繰り返さないように、あーえーて言ってくれた心の優しい子なんだから」
「ああ、オレといっしょだ」
「どこが!」
伊織が噛み付くように言う。
「あーあ、ノブにだけはこのこと言いたくなかったのに」
「なんで?」
信長は、ムッとして問い返した。
オレにだけはとはどういう意味だ。
「だって、ノブはまりあちゃんのことが好きじゃない。こんな話したら、ノブが傷ついちゃうと思ったから」
「? なんでオレが傷つくんだ?」
「だから! まりあちゃんが神先輩のことすっごい好きなんだって報告してるようなもんでしょ!?」
「ああ、そうか! がーん、なんかオレ、今のお前の解説で傷ついたかも……!」
「え!」
信長が身振り手ぶりつきで大げさに言うと、伊織が見るからに慌てた。
「あわわごめんねノブ! そうか、ノブは単細胞だから言わなきゃ気付かなかったのに、ごめん!」