終
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「宗くん、花火楽しかったね!」
仙道の持ってきた花火もやりつくして、今は宗一郎とふたり。家への帰り道。
「うん、そうだね」
伊織の自転車を引いて隣りを歩く宗一郎が、にこりと微笑んでくる。
その笑顔に伊織の胸がどくんと大きくはねた。
(相変わらず宗くんってばキラースマイル……)
波打つ心臓を落ち着かせるように伊織は自分の胸に手をあてる。
「伊織? どうしたの、気分悪い?」
胸を押さえて急に黙り込んだ伊織を気遣うように宗一郎が声をかけてきた。
伊織は慌ててそれに首を振る。
「う、ううん大丈夫!」
「そう? 長時間潮風に当たって、具合悪くなったんじゃない?」
言って宗一郎は自転車を傍らに止めて立ち止まると、伊織の額と宗一郎の額をくっつけてきた。
「!」
間近に迫る宗一郎の整った顔に、伊織の全身の血が沸騰したように熱くなる。
「……うん。やっぱりちょっと熱い、かも」
(いやいやいや! それは宗くんのせいだから!)
伊織は心の中だけで突っ込む。
宗一郎は、自分とこんなに接近してもなんにも感じないんだろうか。
(わたしはちょっとでも宗くんに触れただけで、胸が落ち着かなくなるのに。宗くんの赤くなったとこってあんまり見たことないし、きっとわたしばっかりどきどきさせられてるんだろうなぁ……)
そう思うとなんだかちょっぴり悲しかった。
(もしかしたら宗くんは、わたしが宗くんを好きなほどわたしのこと好きじゃないのかも……)
ふと思いついたその考えに、伊織の気持ちが一気に急降下した。
今にも泣き出しそうな顔で眉間に皺を寄せていると、宗一郎の手が優しく伊織の頬に触れる。
「どうしたの伊織。そんな顔して」
「……宗くんは、いつでも余裕だなって思って」
「余裕?」
「うん……。きっと、わたしばっかり宗くんのことが好きで、宗くんは全然そんなことないんだろうな」
「……何言ってるの、伊織」
宗一郎の硬い声が耳に響いて、伊織はびくりと体を震わせた。
これ以上言っちゃいけないと思うのに、口が勝手に滑り出して言う事を聞かない。
「だ、だって。宗くん、手を繋いでくれるときも、抱きしめてくれるときも、キスするときも、みんなみんななんでもなさそうなんだもん。きっと宗くんの好きよりも、わたしの好きのほうが何倍も何倍も大きくて、宗くんはわたしのことなんて……」
仙道の持ってきた花火もやりつくして、今は宗一郎とふたり。家への帰り道。
「うん、そうだね」
伊織の自転車を引いて隣りを歩く宗一郎が、にこりと微笑んでくる。
その笑顔に伊織の胸がどくんと大きくはねた。
(相変わらず宗くんってばキラースマイル……)
波打つ心臓を落ち着かせるように伊織は自分の胸に手をあてる。
「伊織? どうしたの、気分悪い?」
胸を押さえて急に黙り込んだ伊織を気遣うように宗一郎が声をかけてきた。
伊織は慌ててそれに首を振る。
「う、ううん大丈夫!」
「そう? 長時間潮風に当たって、具合悪くなったんじゃない?」
言って宗一郎は自転車を傍らに止めて立ち止まると、伊織の額と宗一郎の額をくっつけてきた。
「!」
間近に迫る宗一郎の整った顔に、伊織の全身の血が沸騰したように熱くなる。
「……うん。やっぱりちょっと熱い、かも」
(いやいやいや! それは宗くんのせいだから!)
伊織は心の中だけで突っ込む。
宗一郎は、自分とこんなに接近してもなんにも感じないんだろうか。
(わたしはちょっとでも宗くんに触れただけで、胸が落ち着かなくなるのに。宗くんの赤くなったとこってあんまり見たことないし、きっとわたしばっかりどきどきさせられてるんだろうなぁ……)
そう思うとなんだかちょっぴり悲しかった。
(もしかしたら宗くんは、わたしが宗くんを好きなほどわたしのこと好きじゃないのかも……)
ふと思いついたその考えに、伊織の気持ちが一気に急降下した。
今にも泣き出しそうな顔で眉間に皺を寄せていると、宗一郎の手が優しく伊織の頬に触れる。
「どうしたの伊織。そんな顔して」
「……宗くんは、いつでも余裕だなって思って」
「余裕?」
「うん……。きっと、わたしばっかり宗くんのことが好きで、宗くんは全然そんなことないんだろうな」
「……何言ってるの、伊織」
宗一郎の硬い声が耳に響いて、伊織はびくりと体を震わせた。
これ以上言っちゃいけないと思うのに、口が勝手に滑り出して言う事を聞かない。
「だ、だって。宗くん、手を繋いでくれるときも、抱きしめてくれるときも、キスするときも、みんなみんななんでもなさそうなんだもん。きっと宗くんの好きよりも、わたしの好きのほうが何倍も何倍も大きくて、宗くんはわたしのことなんて……」