終
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伊織がいち早く仙道に気付いて笑顔で迎えている。
宗一郎はそんなふたりを見て、もう一度胸に強い思いがわきあがってくるのを感じた。
(ほんとうに、大切にしなきゃな……)
入学式のあの日。
忘れ物を取りに行った旧体育館で偶然出会った伊織。
最初は元気でおもしろい子だなって思って、少し気になる程度の存在だったのに、いつのまにか伊織の存在が自分のなかで大きくなっていって、自分でも制御できないくらい膨らんで、こんなにもかけがえのない存在になるなんて、あの時は想像することもできなかった。
宗一郎の頭の中を、さまざまな思いが駆け巡る。
この半年近く、いろいろなことがあった。
伊織がマネージャーとして男子バスケ部に入部して、仲良くなってからしばらくすると避けられるようになって、どうしてなのかと問い詰めたこともあった。
(そうだ。そのときにはもう俺、伊織のことが好きで好きでたまらなかったんだ)
それからも、仙道が現れて、伊織の過去が明らかになって、伊織が塞ぎこんで。
(俺もちょっと逃げたりして……)
信長と仙道の説得にあって、伊織に会って。そして。
(告白、したんだよな)
思い出して宗一郎の口角が持ち上がった。
頼って欲しいのに、力になりたいのに、ひとりで立とうとする伊織がもどかしくて、思わず気持ちを言ってしまったあのとき。それから付き合うようになるまでもいろいろあったけれど、全ての偶然が重なって、いまこうして伊織と一緒にいることができている。
誰にどう感謝していいかわからないくらい毎日が幸せで。
(……一回、笙子ちゃんを男と勘違いして泣かせちゃったけど)
それを境に、また一段と伊織と心を通わせることができるようになった。
だけど愛しい気持ちはどんなに伝えても伝えきれない。
(体の芯から伊織を好きな気持ちが溢れてきて、自分でもどうしようもないくらいなんだ……)
「宗くん!」
ぼんやりとそんなことを考えていると、伊織が砂浜に足を取られながらも必死でこちらへ駆けて来た。
「宗くん、こんなところでぼんやりしてなにやってるの? もう花火始まるよ?」
「うん」
宗一郎は伊織を見て目を細めた。
どうすればいいんだろう。
どうすればこの気持ちを伊織に伝えることが出来るんだろう。
目の前で伊織がにこりと微笑む。
早く花火行こうよーと腕を引っ張る、そんなしぐさのひとつひとつさえ愛しくて。
「今行くよ」
「早く早く! 宗くんと花火なんて初めてだね! 嬉しいっ!!」
無邪気な笑顔で笑う伊織。
「うん。俺も嬉しい」
すぐ近くににみんながいるから、今は抱きしめることもキスをすることもできないけど。
「伊織、大好きだよ」
せめてと思って口にした言葉で、伊織の顔が赤く染まった。
ほんとうに、なんて愛しいんだろう。
「もう、また宗くんはそんなことばっかり言って! ほら、早くしないと花火なくなっちゃうんだから。行こっ!」
遠くで信長やまりあたちも大きく手招きをしていた。
宗一郎はやれやれと肩を竦めると、伊織の手を取った。
驚いてこちらを見てくる伊織にむけて、宗一郎は悪戯に微笑む。
「行こっか」
「うん!」
宗一郎は伊織とともに、みんなの待つ砂浜へと向かった。
宗一郎はそんなふたりを見て、もう一度胸に強い思いがわきあがってくるのを感じた。
(ほんとうに、大切にしなきゃな……)
入学式のあの日。
忘れ物を取りに行った旧体育館で偶然出会った伊織。
最初は元気でおもしろい子だなって思って、少し気になる程度の存在だったのに、いつのまにか伊織の存在が自分のなかで大きくなっていって、自分でも制御できないくらい膨らんで、こんなにもかけがえのない存在になるなんて、あの時は想像することもできなかった。
宗一郎の頭の中を、さまざまな思いが駆け巡る。
この半年近く、いろいろなことがあった。
伊織がマネージャーとして男子バスケ部に入部して、仲良くなってからしばらくすると避けられるようになって、どうしてなのかと問い詰めたこともあった。
(そうだ。そのときにはもう俺、伊織のことが好きで好きでたまらなかったんだ)
それからも、仙道が現れて、伊織の過去が明らかになって、伊織が塞ぎこんで。
(俺もちょっと逃げたりして……)
信長と仙道の説得にあって、伊織に会って。そして。
(告白、したんだよな)
思い出して宗一郎の口角が持ち上がった。
頼って欲しいのに、力になりたいのに、ひとりで立とうとする伊織がもどかしくて、思わず気持ちを言ってしまったあのとき。それから付き合うようになるまでもいろいろあったけれど、全ての偶然が重なって、いまこうして伊織と一緒にいることができている。
誰にどう感謝していいかわからないくらい毎日が幸せで。
(……一回、笙子ちゃんを男と勘違いして泣かせちゃったけど)
それを境に、また一段と伊織と心を通わせることができるようになった。
だけど愛しい気持ちはどんなに伝えても伝えきれない。
(体の芯から伊織を好きな気持ちが溢れてきて、自分でもどうしようもないくらいなんだ……)
「宗くん!」
ぼんやりとそんなことを考えていると、伊織が砂浜に足を取られながらも必死でこちらへ駆けて来た。
「宗くん、こんなところでぼんやりしてなにやってるの? もう花火始まるよ?」
「うん」
宗一郎は伊織を見て目を細めた。
どうすればいいんだろう。
どうすればこの気持ちを伊織に伝えることが出来るんだろう。
目の前で伊織がにこりと微笑む。
早く花火行こうよーと腕を引っ張る、そんなしぐさのひとつひとつさえ愛しくて。
「今行くよ」
「早く早く! 宗くんと花火なんて初めてだね! 嬉しいっ!!」
無邪気な笑顔で笑う伊織。
「うん。俺も嬉しい」
すぐ近くににみんながいるから、今は抱きしめることもキスをすることもできないけど。
「伊織、大好きだよ」
せめてと思って口にした言葉で、伊織の顔が赤く染まった。
ほんとうに、なんて愛しいんだろう。
「もう、また宗くんはそんなことばっかり言って! ほら、早くしないと花火なくなっちゃうんだから。行こっ!」
遠くで信長やまりあたちも大きく手招きをしていた。
宗一郎はやれやれと肩を竦めると、伊織の手を取った。
驚いてこちらを見てくる伊織にむけて、宗一郎は悪戯に微笑む。
「行こっか」
「うん!」
宗一郎は伊織とともに、みんなの待つ砂浜へと向かった。