終
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「うん?」
「オレが、今伊織ちゃんに会うこと許してくれて」
嬉しそうに微笑んで言う仙道に、宗一郎は照れくさい気持ちを隠すように顔を背けて言う。
「……手は出すなよ、絶対」
「うん。神と順調にいってる限りは、誓って手を出さないよ」
「含みのある言い方だね」
「はは。神があんまり伊織ちゃんのことないがしろにしたり傷つけたりするようなら、オレはいつだって牙を剥きますよ」
「ケダモノか」
呆れたようにつっこみを入れると、仙道が渇いた声で笑った。そして、少しの寂しさが滲む声音で言った。
「だからさ、伊織ちゃんのことほんとうに大事にしてよ、神。……オレにとっても大切な子なんだ」
「――うん。一生かけて大切にするよ」
「……結婚式には呼んでね」
「さすがにそれは気が早くない? ――……でも、まあ、うん……。伊織が俺を選んでくれたらね」
「頼むから死ぬほど努力して選ばれて。オレ、伊織ちゃんが神以外の男の隣りで花嫁姿になってるとこなんて見たくない」
「うん……」
言いながら宗一郎は遠くではしゃぐ伊織を見つめた。
伊織は笙子とまりあと信長と三人で、波打ち際で水をかけあって遊んでいた。
日もすっかり落ちて、月明かりが反射する水面に照らされている伊織は、息をのむくらい綺麗だった。
宗一郎の表情が自然とやわらかくなる。
「俺も、俺じゃない男と幸せになる伊織なんて見たくないな」
「うん。だから頑張って」
「うん」
激励してくる仙道に宗一郎は決意をこめて頷いた。
そして、思い出したように肩を落としてため息をつく。
「あーあ。それにしても俺、伊織が仙道と遊びに行きたいって言い出したらどうすればいいんだろう」
「はは。許可してよ」
「それはするよ。でも心中穏やかではない」
「だから手は出さないって」
「……信じるからね」
「!」
仙道が目を丸くして押し黙った。そのまままじまじと宗一郎を見る。
「なんだよ」
「……いや。信頼されてうれしいなぁと思って」
「…………。信頼、裏切ったらマジで容赦しないからな」
「うん。裏切らないよ。伊織ちゃんも、神も」
「ありがとう」
「うん」
仙道が、んんっと伸びをした。大きく息をついて、傍らにいる宗一郎をじっと見てくる。
「にしても、オレたちも変な関係だよなー」
「それ、俺もさっき考えてたとこ」
「あ、お前も? なんか友達なんだかライバルなんだか。……さしずめ、伊織ちゃん同盟?」
「…………」
なんていうネーミングセンスだろう。
思わず押し黙った宗一郎に、仙道が続けて言葉をかけてくる。
「まあ、伊織ちゃんに関してはいまのとこまだ先輩のオレに、なんでも相談シテクダサイ」
「……よろしく」
「おう。――さて、すっかり暗くなったし、そろそろ花火やるか!」
「そうだね」
言うと、仙道は鞄から花火を取り出してみんなの方へと歩いていった。
「オレが、今伊織ちゃんに会うこと許してくれて」
嬉しそうに微笑んで言う仙道に、宗一郎は照れくさい気持ちを隠すように顔を背けて言う。
「……手は出すなよ、絶対」
「うん。神と順調にいってる限りは、誓って手を出さないよ」
「含みのある言い方だね」
「はは。神があんまり伊織ちゃんのことないがしろにしたり傷つけたりするようなら、オレはいつだって牙を剥きますよ」
「ケダモノか」
呆れたようにつっこみを入れると、仙道が渇いた声で笑った。そして、少しの寂しさが滲む声音で言った。
「だからさ、伊織ちゃんのことほんとうに大事にしてよ、神。……オレにとっても大切な子なんだ」
「――うん。一生かけて大切にするよ」
「……結婚式には呼んでね」
「さすがにそれは気が早くない? ――……でも、まあ、うん……。伊織が俺を選んでくれたらね」
「頼むから死ぬほど努力して選ばれて。オレ、伊織ちゃんが神以外の男の隣りで花嫁姿になってるとこなんて見たくない」
「うん……」
言いながら宗一郎は遠くではしゃぐ伊織を見つめた。
伊織は笙子とまりあと信長と三人で、波打ち際で水をかけあって遊んでいた。
日もすっかり落ちて、月明かりが反射する水面に照らされている伊織は、息をのむくらい綺麗だった。
宗一郎の表情が自然とやわらかくなる。
「俺も、俺じゃない男と幸せになる伊織なんて見たくないな」
「うん。だから頑張って」
「うん」
激励してくる仙道に宗一郎は決意をこめて頷いた。
そして、思い出したように肩を落としてため息をつく。
「あーあ。それにしても俺、伊織が仙道と遊びに行きたいって言い出したらどうすればいいんだろう」
「はは。許可してよ」
「それはするよ。でも心中穏やかではない」
「だから手は出さないって」
「……信じるからね」
「!」
仙道が目を丸くして押し黙った。そのまままじまじと宗一郎を見る。
「なんだよ」
「……いや。信頼されてうれしいなぁと思って」
「…………。信頼、裏切ったらマジで容赦しないからな」
「うん。裏切らないよ。伊織ちゃんも、神も」
「ありがとう」
「うん」
仙道が、んんっと伸びをした。大きく息をついて、傍らにいる宗一郎をじっと見てくる。
「にしても、オレたちも変な関係だよなー」
「それ、俺もさっき考えてたとこ」
「あ、お前も? なんか友達なんだかライバルなんだか。……さしずめ、伊織ちゃん同盟?」
「…………」
なんていうネーミングセンスだろう。
思わず押し黙った宗一郎に、仙道が続けて言葉をかけてくる。
「まあ、伊織ちゃんに関してはいまのとこまだ先輩のオレに、なんでも相談シテクダサイ」
「……よろしく」
「おう。――さて、すっかり暗くなったし、そろそろ花火やるか!」
「そうだね」
言うと、仙道は鞄から花火を取り出してみんなの方へと歩いていった。