終
夢小説設定
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「なにがそんなに引っかかるんですか?」
(ぴったりなのに)
煮え切らない様子の仙道に、伊織は首をかしげて問いかける。
と、仙道が人差し指をつきたてて、まるで重大な事実を告げるように深刻そうに言った。
「キャプテンになったら、もう部活をサボれなくなる」
「…………」
伊織は思わず絶句する。
「いや、あのね、彰さん……」
そもそもサボると言う発想がだめなわけで……。
伊織は膝に肘をのせて頬杖をつきながらぶつぶつ言う仙道を見て、言いかけた言葉を飲み込んであきらめたようにため息をついた。
仙道は小さい子のように唇を突き出して、もう昼間っから釣りに行けなくなるじゃん、とか伊織ちゃんにもなかなか会えなくなっちゃうしーと不満げな様子で呟いている。
「もー、彰さん!?」
伊織はそんな仙道の背中を気合を入れるようにばしんと強く叩いた。
いったぁと悲鳴を上げる仙道に、今度は伊織が人差し指を突き立てて言う。
「今度から陵南バスケ部を彰さんが引っ張っていかなきゃいけないのに、そんなことばっかり言ってたらダメですよ。自覚と責任を持って下さい。じ・か・く・と・せ・き・に・ん!」
「うう、わかってるんだけどさ……」
あきらめのつかない様子で零す仙道に、伊織はしょうがないなぁと言うように息を吐き出した。
「……彰さんなら、大丈夫ですよ。絶対に大丈夫。つらくなったらわたしがいつだって話を聞いてあげますから。ね?」
伊織が微笑んで言うと、仙道もそれを見て眉尻を下げて唇だけで微笑み返した。
「うん。ありがとう」
仙道がそう答えたそのとき。
「おーい、伊織ちゃ~ん! こっちおいでよ~」
笙子が呼ぶ声がした。
「はーい!」
伊織は元気良くそれに返事をすると、足場からぴょんと飛び降りた。
体操選手のようなポーズで着地を決めて、頭上の仙道を振り返る。
「彰さん、行きましょう!」
「伊織ちゃん行ってていいよ。オレはもうちょっと潮風に当たってたいんだ」
「そうですか?」
「うん。花火までにはちゃんとそっち行くからさ」
「…………」
伊織はしばらく量るように仙道をじっと見つめると、やがてにこりと微笑んだ。
「わかりました。じゃあ後でちゃんと来て下さいね?」
「オッケー!」
それじゃあと言うと、伊織は笙子のもとへ駆け出した。
(ぴったりなのに)
煮え切らない様子の仙道に、伊織は首をかしげて問いかける。
と、仙道が人差し指をつきたてて、まるで重大な事実を告げるように深刻そうに言った。
「キャプテンになったら、もう部活をサボれなくなる」
「…………」
伊織は思わず絶句する。
「いや、あのね、彰さん……」
そもそもサボると言う発想がだめなわけで……。
伊織は膝に肘をのせて頬杖をつきながらぶつぶつ言う仙道を見て、言いかけた言葉を飲み込んであきらめたようにため息をついた。
仙道は小さい子のように唇を突き出して、もう昼間っから釣りに行けなくなるじゃん、とか伊織ちゃんにもなかなか会えなくなっちゃうしーと不満げな様子で呟いている。
「もー、彰さん!?」
伊織はそんな仙道の背中を気合を入れるようにばしんと強く叩いた。
いったぁと悲鳴を上げる仙道に、今度は伊織が人差し指を突き立てて言う。
「今度から陵南バスケ部を彰さんが引っ張っていかなきゃいけないのに、そんなことばっかり言ってたらダメですよ。自覚と責任を持って下さい。じ・か・く・と・せ・き・に・ん!」
「うう、わかってるんだけどさ……」
あきらめのつかない様子で零す仙道に、伊織はしょうがないなぁと言うように息を吐き出した。
「……彰さんなら、大丈夫ですよ。絶対に大丈夫。つらくなったらわたしがいつだって話を聞いてあげますから。ね?」
伊織が微笑んで言うと、仙道もそれを見て眉尻を下げて唇だけで微笑み返した。
「うん。ありがとう」
仙道がそう答えたそのとき。
「おーい、伊織ちゃ~ん! こっちおいでよ~」
笙子が呼ぶ声がした。
「はーい!」
伊織は元気良くそれに返事をすると、足場からぴょんと飛び降りた。
体操選手のようなポーズで着地を決めて、頭上の仙道を振り返る。
「彰さん、行きましょう!」
「伊織ちゃん行ってていいよ。オレはもうちょっと潮風に当たってたいんだ」
「そうですか?」
「うん。花火までにはちゃんとそっち行くからさ」
「…………」
伊織はしばらく量るように仙道をじっと見つめると、やがてにこりと微笑んだ。
「わかりました。じゃあ後でちゃんと来て下さいね?」
「オッケー!」
それじゃあと言うと、伊織は笙子のもとへ駆け出した。