終
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「ショウ、宗くん素敵でしょう?」
「うん。そうして並んで立つとほんとうに伊織ちゃんとお似合いだよ!」
「ほんと!?」
「ほんとほんと! よかったね、伊織ちゃん」
「ショウ! ありがとうっ!」
ふたりは再びひしっと抱き合った。
「あれ、センドー!?」
ちょうどその時、信長とまりあが走り込みから戻ってきた。
仙道は体育館の入り口に立つ自分の姿を見つけて驚いている信長に気付くと、信長とその後ろにいるまりあに向けてひらひらと手を振った。
「やあ。久しぶりノブナガくん、まりあちゃん」
「なにやってんだよ、こんなところで。――ハッ! またお前性懲りもなく伊織にちょっかい出しにきたんじゃ……!」
「はは、違うよ」
きしゃーと牙を剥き出して言う信長に、仙道が薄く笑って答える。
「伊織ちゃんには今日は友達として会いに来たんだ。それにほら、今日はオレだけじゃなくて種田と笙子ちゃんも一緒だよ」
言って仙道は、二人が信長たちにも見えるように体をずらした。
体育館の中を覗き込むように信長とまりあが身を乗り出すと、中では抱き合う伊織と笙子と、それを見守る宗一郎と種田の姿があった。
「ああ、伊織ちゃん!!」
まりあがそれを見て大声を上げる。
何事かとこちらを振り向く伊織と笙子の間に、まりあはすっ飛んで入っていった。
まりあは伊織の前に立ちはだかると、きっと笙子をにらみつける。
「わたしの伊織ちゃんになんの用ですか!」
「む、『わたしの伊織ちゃん』?」
笙子の眉がきゅっと吊り上がる。
「どうもはじめまして。伊織ちゃんの親友の上田笙子です。そちらこそ、わたしの伊織ちゃんとどういう関係ですか?」
「伊織ちゃんから話は聞いてます。なんでも半年近く伊織ちゃんとは絶縁だったとか。伊織ちゃんの”今”の親友の雪原まりあです」
「むむ、ライバル……!」
二人はにらみ合うとばちばちと火花を散らした。
伊織は慌ててそんな二人の間に入る。
「ちょ、ちょっとふたりとも! 落ち着いて!」
「だって伊織ちゃん! この子が伊織ちゃんの親友って!」
「伊織ちゃん! わたしとショウって子のどっちが大事なの!?」
ずいと身を乗り出してくるまりあと笙子に、伊織は困って眉尻を下げた。
「どっちが大事ってことないよ。二人ともわたしにとってはかけがえのない大事な親友だもん」
だから二人も仲良くして欲しいな。言いながら伊織は笙子に顔を向ける。
「ショウにはまだ紹介してなかったね。この子は雪原まりあちゃん。それから、あそこにいるサルみたいなのが清田信長。わたし、ここに来てからこの二人に仲良くしてもらってるの」
呼ばれて信長もこちらに歩み寄ってきた。
サルはねえだろと伊織に毒づいたあと、笙子に向けてにかっと歯を見せて元気良く笑う。
「どーも、よろしくな! ショウ……って呼んでいいか?」
「あ、うん。もちろん」
「あ、ノブくんばっかずっるーい! ……ま、まりあも笙ちゃんって呼んでもいい?」
「うん」
複雑な感情をこらえるようにそう言うまりあに、笙子がにこりと微笑んだ。
伊織もそれを見て口許をほころばせる。