終
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笙子は伊織の前まで来ると、驚いて動けないでいる伊織に涙ぐみながら微笑んだ。
「久しぶり、伊織ちゃん」
「――ショウ!!」
叫んで伊織は笙子の胸に飛び込んだ。
少しよろめきながらも、笙子はしっかり伊織を受け止めてくれる。
懐かしい笙子の匂い。伊織の目から涙が溢れ出す。
「ショウ……ショウ……っ!」
「ふふ、苦しいよ、伊織ちゃん……」
言いながらも、笙子も強く伊織を抱きしめ返してくれた。
言葉なんていらなかった。
それだけで、伊織と笙子はわかりあえた。
連絡をとらなかった空白の時間が、みるみる埋められていく。
「ショウ! ごめんね、ごめんね……!」
「うん。わたしも伊織ちゃんをひとりにして、ごめんね」
「ショウ~~~~っ!」
「伊織ちゃん……っ!」
しばらくそんなふたりを優しく見守っていた宗一郎たちだったが、ふいに種田がふたりの間に立った。
次の瞬間、伊織から笙子を引き剥がす。
「!?」
驚く伊織に、種田は邪気が一切感じられない微笑を向けた。
「伊織ちゃん。そろそろ僕のショウを返してもらえないかな。あまり伊織ちゃんにくっつかれて、ショウがおバカになったら困るだろう?」
相変わらず表情と言葉がそぐわない種田に、伊織はうらめしげな視線を送る。
「ひどい種田先輩! わたしおバカじゃないですよっ!」
「ふふ。誰も伊織ちゃんがおバカだなんて言ってないよ。ああ、でもそう聞こえたってことは、僕が思ってる以上に伊織ちゃんは賢かったってことかな。なるほど、これは認識を改めなければいけないね。すごいね、伊織ちゃん」
「! ほ、褒められてない……っ。これは絶対に褒められてない……っ!」
わなわなと体を震わせながら言う伊織に、種田がにこりと微笑む。
「褒めてるよ」
一ミリも悪気を感じられないその笑顔に、伊織の心が折れた。
「……うわーん、ウソだー! 宗くーん!!」
傍らに立つ宗一郎の胸にしがみついて、伊織は泣きマネをした。
よしよしと宗一郎に頭を撫でられている伊織を見て、笙子が種田に怒ったように口を開く。
「もう、修くん!? あんまり伊織ちゃんをいじめちゃだめでしょう?」
「ふふ。だって伊織ちゃんをいじめるのは僕の生きがいのひとつだからね」
あの反応がたまらないだろう? と恍惚とした表情で言う種田に、伊織は宗一郎にしがみついたまま首だけをめぐらせて小さく唇を尖らせた。
「種田先輩のオニ! アクマ!」
「へえ?」
伊織の言葉に、種田が不穏な光を瞳にひらめかせる。
「そうか。ずっと伊織ちゃんからの連絡を待ち続けていたけれど、結局こうして僕たちが訪れるまでなんの連絡も寄越さなかった君のことを僕は責めたりしていないのに、君はそんな風に言うんだね。……うん。実に興味深いな」
「いや、あの、それは……!」
青ざめて弁解しようとした伊織を、種田が百万ドルの笑顔で封じる。
「ああ、いいんだよ伊織ちゃん。どうか気にしないで。そう、例えば僕が何日も何日も、指折り君からの連絡を待っていたとしても、君にはなんの関係もないことだしね」
「!! す、すみませんでしたぁー!!」
「久しぶり、伊織ちゃん」
「――ショウ!!」
叫んで伊織は笙子の胸に飛び込んだ。
少しよろめきながらも、笙子はしっかり伊織を受け止めてくれる。
懐かしい笙子の匂い。伊織の目から涙が溢れ出す。
「ショウ……ショウ……っ!」
「ふふ、苦しいよ、伊織ちゃん……」
言いながらも、笙子も強く伊織を抱きしめ返してくれた。
言葉なんていらなかった。
それだけで、伊織と笙子はわかりあえた。
連絡をとらなかった空白の時間が、みるみる埋められていく。
「ショウ! ごめんね、ごめんね……!」
「うん。わたしも伊織ちゃんをひとりにして、ごめんね」
「ショウ~~~~っ!」
「伊織ちゃん……っ!」
しばらくそんなふたりを優しく見守っていた宗一郎たちだったが、ふいに種田がふたりの間に立った。
次の瞬間、伊織から笙子を引き剥がす。
「!?」
驚く伊織に、種田は邪気が一切感じられない微笑を向けた。
「伊織ちゃん。そろそろ僕のショウを返してもらえないかな。あまり伊織ちゃんにくっつかれて、ショウがおバカになったら困るだろう?」
相変わらず表情と言葉がそぐわない種田に、伊織はうらめしげな視線を送る。
「ひどい種田先輩! わたしおバカじゃないですよっ!」
「ふふ。誰も伊織ちゃんがおバカだなんて言ってないよ。ああ、でもそう聞こえたってことは、僕が思ってる以上に伊織ちゃんは賢かったってことかな。なるほど、これは認識を改めなければいけないね。すごいね、伊織ちゃん」
「! ほ、褒められてない……っ。これは絶対に褒められてない……っ!」
わなわなと体を震わせながら言う伊織に、種田がにこりと微笑む。
「褒めてるよ」
一ミリも悪気を感じられないその笑顔に、伊織の心が折れた。
「……うわーん、ウソだー! 宗くーん!!」
傍らに立つ宗一郎の胸にしがみついて、伊織は泣きマネをした。
よしよしと宗一郎に頭を撫でられている伊織を見て、笙子が種田に怒ったように口を開く。
「もう、修くん!? あんまり伊織ちゃんをいじめちゃだめでしょう?」
「ふふ。だって伊織ちゃんをいじめるのは僕の生きがいのひとつだからね」
あの反応がたまらないだろう? と恍惚とした表情で言う種田に、伊織は宗一郎にしがみついたまま首だけをめぐらせて小さく唇を尖らせた。
「種田先輩のオニ! アクマ!」
「へえ?」
伊織の言葉に、種田が不穏な光を瞳にひらめかせる。
「そうか。ずっと伊織ちゃんからの連絡を待ち続けていたけれど、結局こうして僕たちが訪れるまでなんの連絡も寄越さなかった君のことを僕は責めたりしていないのに、君はそんな風に言うんだね。……うん。実に興味深いな」
「いや、あの、それは……!」
青ざめて弁解しようとした伊織を、種田が百万ドルの笑顔で封じる。
「ああ、いいんだよ伊織ちゃん。どうか気にしないで。そう、例えば僕が何日も何日も、指折り君からの連絡を待っていたとしても、君にはなんの関係もないことだしね」
「!! す、すみませんでしたぁー!!」