終
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思わず俯いて黙り込んだ伊織の顔を覗き込むように、宗一郎が顔を寄せてくる。
伊織は宗一郎の視線から逃げるように、顔を背けた。
「て、照れてるんです!」
だからあんまり顔近づけないでっ! と言うと、宗一郎が優しく笑って頭を撫でてくる。
「はは。そっか」
「宗くん、わりとすぐ好きって言うよね」
「嫌? 俺、伊織が愛しすぎてしょうがなくなっちゃうと、自然と言っちゃうんだけど」
文句を言ってやろうと投げかけた言葉に、宗一郎が寂しげに眉を下げた。
その切ない表情に勢いを殺されて、伊織は思わず本音を呟く。
「…………う、嬉しい」
誰だって好きな人からいつでも好きと言ってもらえるのはとても嬉しいことだ。
言ってもらえる分だけ、不安な気持ちが減って幸せな気持ちが募る。
もちろん言葉だけの薄っぺらいものでは意味がないけれど、その点宗一郎なら安心できた。
誰にでもそういうことを言う人じゃないから、その言葉は素直に信じることができる。
「そっか、よかった。でも、伊織はなかなか言ってくれないよね」
「え!?」
宗一郎の瞳が悲しそうに細められる。
「俺、あんまり愛されてないのかな」
わざとらしく宗一郎がふうとため息をついた。
伊織は慌てて宗一郎の手を掴む。
「すっ、好きだよ、宗くん!」
「ほんとう?」
「ほんとう! ほんとうにほんとうに大好きだよ、宗くん!」
「愛してる?」
「愛してる!」
その言葉を聞いた宗一郎が、してやったりと言うようににこりと微笑んだ。
何かを企むようなその表情に、危険を感じたときにはもう遅い。
「俺も」
再び伊織の唇に宗一郎の唇が触れた。
「! 宗くん!」
「はは。伊織は単純だね。いつも同じ手にひっかかる。そんなところがまたかわいいんだけど」
「うう……。宗くんって宗くんってほんと時々いじわる!」
「伊織がかわいいからだよ」
悪びれる様子もなくにっこりと笑う宗一郎。
その笑顔にほだされるもんかと伊織はじっと宗一郎を恨めしげに睨み付けるが、数分の攻防の末がっくりとうなだれた。
だめだ。やっぱり宗一郎には敵わない。
(うう、惚れた弱みってやつ?)
伊織がそんなことを思ったとき。
「やっほー、伊織ちゃん! あっそびっましょー」
呑気な声がすぐ後ろの体育館入り口から聞こえてきた。
伊織と宗一郎が振り返ると、そこには仙道彰が立っていた。
「あ、彰さん!?」
「仙道!」
仙道は驚く伊織たちの方をみて、にこにこ笑いながら手を振ってくる。
仙道に駆け寄ろうとした伊織の進路を塞ぐように、宗一郎が伊織の前にまわりこんだ。
仙道から庇うように立った宗一郎に伊織がおよっと思っていると、仙道が笑いを含んだ声で言う。
伊織は宗一郎の視線から逃げるように、顔を背けた。
「て、照れてるんです!」
だからあんまり顔近づけないでっ! と言うと、宗一郎が優しく笑って頭を撫でてくる。
「はは。そっか」
「宗くん、わりとすぐ好きって言うよね」
「嫌? 俺、伊織が愛しすぎてしょうがなくなっちゃうと、自然と言っちゃうんだけど」
文句を言ってやろうと投げかけた言葉に、宗一郎が寂しげに眉を下げた。
その切ない表情に勢いを殺されて、伊織は思わず本音を呟く。
「…………う、嬉しい」
誰だって好きな人からいつでも好きと言ってもらえるのはとても嬉しいことだ。
言ってもらえる分だけ、不安な気持ちが減って幸せな気持ちが募る。
もちろん言葉だけの薄っぺらいものでは意味がないけれど、その点宗一郎なら安心できた。
誰にでもそういうことを言う人じゃないから、その言葉は素直に信じることができる。
「そっか、よかった。でも、伊織はなかなか言ってくれないよね」
「え!?」
宗一郎の瞳が悲しそうに細められる。
「俺、あんまり愛されてないのかな」
わざとらしく宗一郎がふうとため息をついた。
伊織は慌てて宗一郎の手を掴む。
「すっ、好きだよ、宗くん!」
「ほんとう?」
「ほんとう! ほんとうにほんとうに大好きだよ、宗くん!」
「愛してる?」
「愛してる!」
その言葉を聞いた宗一郎が、してやったりと言うようににこりと微笑んだ。
何かを企むようなその表情に、危険を感じたときにはもう遅い。
「俺も」
再び伊織の唇に宗一郎の唇が触れた。
「! 宗くん!」
「はは。伊織は単純だね。いつも同じ手にひっかかる。そんなところがまたかわいいんだけど」
「うう……。宗くんって宗くんってほんと時々いじわる!」
「伊織がかわいいからだよ」
悪びれる様子もなくにっこりと笑う宗一郎。
その笑顔にほだされるもんかと伊織はじっと宗一郎を恨めしげに睨み付けるが、数分の攻防の末がっくりとうなだれた。
だめだ。やっぱり宗一郎には敵わない。
(うう、惚れた弱みってやつ?)
伊織がそんなことを思ったとき。
「やっほー、伊織ちゃん! あっそびっましょー」
呑気な声がすぐ後ろの体育館入り口から聞こえてきた。
伊織と宗一郎が振り返ると、そこには仙道彰が立っていた。
「あ、彰さん!?」
「仙道!」
仙道は驚く伊織たちの方をみて、にこにこ笑いながら手を振ってくる。
仙道に駆け寄ろうとした伊織の進路を塞ぐように、宗一郎が伊織の前にまわりこんだ。
仙道から庇うように立った宗一郎に伊織がおよっと思っていると、仙道が笑いを含んだ声で言う。