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夢小説設定
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ちょうど同じ頃。
伊織と宗一郎もチームの輪から外れて二人で公園を散策していた。
「結局優勝しちゃったね」
「だね。伊織が強すぎるんだよ」
「うう、だって勝負となると手が抜けなくて……。思わず本気を出してしまいました」
「はは。伊織も負けず嫌いだね」
おかげで今日の試合では何人かの生徒に伊織があのテニスの鈴村伊織だと気付かれてしまった。
それが全校生徒に広まってちょっとした騒ぎになったけれど、なんとか落ち着いて対応することが出来た。
それどころか求められたサインに応えちゃったりして、かなり余裕を持って対応できた気がする。
それもこれも、宗一郎がそばで支えてくれていたおかげだ。
やっかむように騒ぎ立てたテニス部の部員は、宗一郎が毅然とした態度で黙らせてくれた。
実はそれがきっかけで宗一郎と付き合っていることがほぼ全校生徒に露見してしまったのだけれど、どうしようか。
伊織は思い出してうむむと頭を抱えた。
「どうしたの?」
急に黙り込んだ伊織に、宗一郎が不思議そうに声をかけてくる。
「あ、うん……。いや、宗くんと付き合ってることが全校生徒に知られてしまったと思って……」
「俺はこれで伊織に変な虫がつかなくて嬉しいけど……伊織は俺と付き合ってるのを知られるの、嫌だった?」
少し悲しそうに聞いてくる宗一郎に、伊織は慌てて首を振る。
「違うの、そういうことじゃなくて! ……ちょっと明日から自分の身の安全が心配というか……」
「はは。なにそれ」
「宗くんは女の子の嫉妬パワーの怖さを知らないんだよ! 明日わたし上履きとか隠されてるかもしれない。もしくは画鋲とか! 教科書びりびりとか!」
「大丈夫だよ。伊織には俺が手を出させないから」
宗一郎が不敵に微笑んで言う。
「それにテニス部のやつらに俺が言ってやったとき、かなりの生徒が怯えてたみたいだから、誰も伊織に手を出そうなんて思わないんじゃないかな」
「……うん。宗くん、ただでさえ滅多に怒らないのに、あのときの宗くんはほんと怖かったもんね」
言いながら伊織はその現場を脳裏に思い浮かべた。
怒った宗一郎は、瞳の中に閃く怒りの強さに反して、纏う空気は至極冷たく尖っていて妙な迫力があった。
伊織と宗一郎もチームの輪から外れて二人で公園を散策していた。
「結局優勝しちゃったね」
「だね。伊織が強すぎるんだよ」
「うう、だって勝負となると手が抜けなくて……。思わず本気を出してしまいました」
「はは。伊織も負けず嫌いだね」
おかげで今日の試合では何人かの生徒に伊織があのテニスの鈴村伊織だと気付かれてしまった。
それが全校生徒に広まってちょっとした騒ぎになったけれど、なんとか落ち着いて対応することが出来た。
それどころか求められたサインに応えちゃったりして、かなり余裕を持って対応できた気がする。
それもこれも、宗一郎がそばで支えてくれていたおかげだ。
やっかむように騒ぎ立てたテニス部の部員は、宗一郎が毅然とした態度で黙らせてくれた。
実はそれがきっかけで宗一郎と付き合っていることがほぼ全校生徒に露見してしまったのだけれど、どうしようか。
伊織は思い出してうむむと頭を抱えた。
「どうしたの?」
急に黙り込んだ伊織に、宗一郎が不思議そうに声をかけてくる。
「あ、うん……。いや、宗くんと付き合ってることが全校生徒に知られてしまったと思って……」
「俺はこれで伊織に変な虫がつかなくて嬉しいけど……伊織は俺と付き合ってるのを知られるの、嫌だった?」
少し悲しそうに聞いてくる宗一郎に、伊織は慌てて首を振る。
「違うの、そういうことじゃなくて! ……ちょっと明日から自分の身の安全が心配というか……」
「はは。なにそれ」
「宗くんは女の子の嫉妬パワーの怖さを知らないんだよ! 明日わたし上履きとか隠されてるかもしれない。もしくは画鋲とか! 教科書びりびりとか!」
「大丈夫だよ。伊織には俺が手を出させないから」
宗一郎が不敵に微笑んで言う。
「それにテニス部のやつらに俺が言ってやったとき、かなりの生徒が怯えてたみたいだから、誰も伊織に手を出そうなんて思わないんじゃないかな」
「……うん。宗くん、ただでさえ滅多に怒らないのに、あのときの宗くんはほんと怖かったもんね」
言いながら伊織はその現場を脳裏に思い浮かべた。
怒った宗一郎は、瞳の中に閃く怒りの強さに反して、纏う空気は至極冷たく尖っていて妙な迫力があった。