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「さっき! 宗くんのこと好きって女の人、クラスの半数以上だった」
「ああ、あれか」
宗一郎は思い出したようにそう呟くと、苦い顔をした。
「あんなの冗談だよ。みんなその場の雰囲気に合わせてだろ?」
「そんなことないよ! 宗くん、ほんとうにモテるんだよ!? う~、クラスにあんなにライバルがいるなんて、全校だったらどれくらいなんだろう……! 考えるだけで恐ろしい……っ!」
わっと伊織は両手で顔を伏せた。
きっと全校生徒の半数以上が宗一郎に対して憧れなり恋愛感情なりを抱いているに違いない。
そんな人の彼女が自分だと思うと、なぜだが途端にごめんなさいと謝りたい気分になってきた。
(ごめんなさいごめんなさい、わたしなんかが宗くんの彼女になってごめんなさい、でも譲れないんです大好きなんですごめんなさい!)
ぶつぶつと呪文のようにそんなことを呟いていると、ふいに宗一郎の笑い声が聞こえた。
どうやら口の中で呟いていたはずの言葉が宗一郎の耳に届いていたらしい。
伊織の顔が恥ずかしさに赤く染まる。
「はは。伊織、ごめんなさいってなに。……俺が好きなのは伊織だけだよ。例えばどんなに大勢の人が俺のこと好きって言ってくれても、俺は全然嬉しくない」
「……芸能人ばりにかわいい子でも?」
「もちろん」
宗一郎が綺麗な顔で微笑む。
「伊織からの愛の言葉じゃなければ、全部意味ないよ。それに、俺にとっては伊織が一番かわいいんだよ。知らなかった?」
「……う、うん」
歯の浮くようなせりふをさらりと言ってのける宗一郎に、伊織は顔を赤くして俯かせる。
「じゃあ覚えておいて。そして忘れないで。俺の一番はいつでも伊織だよ」
「……うん。わたしも、宗くんが一番だよ。宗くんの彼女になれて、宗くんが好きって言ってくれて、本当に嬉しい。幸せ」
「俺も伊織の彼氏になれて幸せだよ」
ふわりと笑って言ってくる宗一郎に、伊織の心臓が激しく脈打つ。
どきどきとうるさい心臓をなだめていると、ふいに右手を宗一郎に掴まれた。
驚いて見上げると、宗一郎が悪戯に頬を持ち上げて笑んでくる。
「宗くん、ここ学校だよ」
「うん。でもこの渡り廊下は人通り少ないから」
確かに今通っているここ、校舎からバスケ部専用体育館へ向けての渡り廊下はバスケ部員しか使わないため、めったに人が通らなかった。
だけれどもすぐ後ろには校舎もあるし、少し行った先にはいつもの体育館がある。
窓から見えないこともない。
見られたらと思うと、さらに鼓動が早くなった。
「俺、さっき思ったんだけどけっこう独占欲強いみたい。九条が伊織に触れたとき、ほんとどうしてやろうかと思った」
「う、うん」
「それに、伊織はさっき俺がモテるって言ってたけど、伊織だってモテるんだよ」
宗一郎のその言葉に、伊織はきょとんっと顔をあげた。
モテる? わたしが? そんなバカな。
思わずくちもとに笑みがのぼる。
「まさかぁ! わたしなんか全然モテないよ。宗くん、まりあちゃんと勘違いしてるんじゃない?」
「してないよ。仙道もそうだけど、他にも伊織のこと好きだって言ってるやつがいて、俺、ほんとうに気が気じゃないんだ。九条なんか伊織の名前も知らなかったのに好きだったんだよ。多分他にも九条みたいなやつがいっぱいいる」
「そんなことないよ。わたしあんまりモテたことないもん。中学時代だって告白されたこともないし」
「それは仙道がいたからだろ? 暗黙のカップルだったんじゃないの?」
不機嫌そうに宗一郎が言った。
しまった。地雷だったか。思って伊織は慌てて口を開く。
「いや、それはわかんないけど……! でも告白されてないってことはイコールモテてないってことだと思うな!」
「ああ、あれか」
宗一郎は思い出したようにそう呟くと、苦い顔をした。
「あんなの冗談だよ。みんなその場の雰囲気に合わせてだろ?」
「そんなことないよ! 宗くん、ほんとうにモテるんだよ!? う~、クラスにあんなにライバルがいるなんて、全校だったらどれくらいなんだろう……! 考えるだけで恐ろしい……っ!」
わっと伊織は両手で顔を伏せた。
きっと全校生徒の半数以上が宗一郎に対して憧れなり恋愛感情なりを抱いているに違いない。
そんな人の彼女が自分だと思うと、なぜだが途端にごめんなさいと謝りたい気分になってきた。
(ごめんなさいごめんなさい、わたしなんかが宗くんの彼女になってごめんなさい、でも譲れないんです大好きなんですごめんなさい!)
ぶつぶつと呪文のようにそんなことを呟いていると、ふいに宗一郎の笑い声が聞こえた。
どうやら口の中で呟いていたはずの言葉が宗一郎の耳に届いていたらしい。
伊織の顔が恥ずかしさに赤く染まる。
「はは。伊織、ごめんなさいってなに。……俺が好きなのは伊織だけだよ。例えばどんなに大勢の人が俺のこと好きって言ってくれても、俺は全然嬉しくない」
「……芸能人ばりにかわいい子でも?」
「もちろん」
宗一郎が綺麗な顔で微笑む。
「伊織からの愛の言葉じゃなければ、全部意味ないよ。それに、俺にとっては伊織が一番かわいいんだよ。知らなかった?」
「……う、うん」
歯の浮くようなせりふをさらりと言ってのける宗一郎に、伊織は顔を赤くして俯かせる。
「じゃあ覚えておいて。そして忘れないで。俺の一番はいつでも伊織だよ」
「……うん。わたしも、宗くんが一番だよ。宗くんの彼女になれて、宗くんが好きって言ってくれて、本当に嬉しい。幸せ」
「俺も伊織の彼氏になれて幸せだよ」
ふわりと笑って言ってくる宗一郎に、伊織の心臓が激しく脈打つ。
どきどきとうるさい心臓をなだめていると、ふいに右手を宗一郎に掴まれた。
驚いて見上げると、宗一郎が悪戯に頬を持ち上げて笑んでくる。
「宗くん、ここ学校だよ」
「うん。でもこの渡り廊下は人通り少ないから」
確かに今通っているここ、校舎からバスケ部専用体育館へ向けての渡り廊下はバスケ部員しか使わないため、めったに人が通らなかった。
だけれどもすぐ後ろには校舎もあるし、少し行った先にはいつもの体育館がある。
窓から見えないこともない。
見られたらと思うと、さらに鼓動が早くなった。
「俺、さっき思ったんだけどけっこう独占欲強いみたい。九条が伊織に触れたとき、ほんとどうしてやろうかと思った」
「う、うん」
「それに、伊織はさっき俺がモテるって言ってたけど、伊織だってモテるんだよ」
宗一郎のその言葉に、伊織はきょとんっと顔をあげた。
モテる? わたしが? そんなバカな。
思わずくちもとに笑みがのぼる。
「まさかぁ! わたしなんか全然モテないよ。宗くん、まりあちゃんと勘違いしてるんじゃない?」
「してないよ。仙道もそうだけど、他にも伊織のこと好きだって言ってるやつがいて、俺、ほんとうに気が気じゃないんだ。九条なんか伊織の名前も知らなかったのに好きだったんだよ。多分他にも九条みたいなやつがいっぱいいる」
「そんなことないよ。わたしあんまりモテたことないもん。中学時代だって告白されたこともないし」
「それは仙道がいたからだろ? 暗黙のカップルだったんじゃないの?」
不機嫌そうに宗一郎が言った。
しまった。地雷だったか。思って伊織は慌てて口を開く。
「いや、それはわかんないけど……! でも告白されてないってことはイコールモテてないってことだと思うな!」