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宗一郎の発言に、九条と相沢の二人が驚愕の声をあげた。
体育祭実行委員の倉橋豊に、眼鏡越しの冷たい一瞥と共にうるさいぞと注意されて、九条と相沢の二人は声を潜めて宗一郎の方へと身を乗り出す。
「宗もついに! いつ出来たんだよ?」
「夏休みに」
「な、なんだと……!? お前はオンナに興味ないと思ってたのに!」
「なんでだよ。俺だって人並みに恋愛くらいするよ」
言うと九条が晴天の霹靂という顔をしてよろめいた。
「そ、そうだったのか……! 油断してた……。まさか宗に先越されるなんて……」
本気で絶望したようにぶつぶつそう呟く九条に、宗一郎は眉を寄せた。
「九条、時々ほんと失礼だよね」
「うるさい、裏切り者! 自分だけ幸せになりやがって!」
「うん、幸せだよ」
満面の笑顔で言ってやると、九条が頭を抱えて身悶えする。
「ぐああ、さらりとのろけやがった! くっそうお前たちばっかりずるいぞ! 宗、オレにもオンナ紹介しろ!」
「はぁ!? なんでそうなるの?」
九条の飛躍した展開に宗一郎は呆れたように眉を持ち上げた。
九条はそんな反応にもかまうことなく、ナイショ話をするようにこそこそと宗一郎に身を寄せてくる。
「いや、実はな。オレも気になってる子がいてだな……」
「ふうん? 俺に紹介しろって言うからにはオレの知ってる子?」
「ああ。どうやらその子はバスケ部のマネージャーやってるらしいんだが」
「バスケ部のマネージャー?」
その言葉に相沢が反応した。何かを思いついたようにポンと手を打つ。
「ああ、わかった。九条、お前の気になってる子って宗の幼馴染みチャンだろ? あのすっげえ可愛い子」
「え、まりあ?」
「ああ、そうそうまりあちゃん。――でも九条、まりあちゃんはダメだろう。宗の彼女ってその子だろ?」
「なにィ、そうなのか!?」
「うわ」
言うが早いか九条が勢い良く顔を覗き込んできて、宗一郎は反射的に身を引いた。
「あんまり顔近づけるなよ気持ち悪いなぁ。それにまりあはちが……」
「まあまあ照れるなって」
否定しようとした宗一郎を遮るように、九条が言葉をすべりこませる。
「あれだけかわいかったら仕方ないよな。しかし安心しろ、宗。オレの好きな子はまりあちゃんじゃない」
「いや、だからまりあは俺の彼女じゃないってば。九条、聞いてる?」
九条は宗一郎の声がまるで聞こえていないのか、ひとりでうんうんと頷いている。
宗一郎はそんな九条の目の前でぶんぶんと手を振ってみるが、九条はまるで反応を返さない。
「宗、オレの好きな子はな……」
九条がそこまで言いかけたとき、廊下から騒々しい足音が近づいてきた。
唐突に開けられる25組の教室のドア。
「宗くん!」
それと同時に呼ばれた自分の名に驚いて視線を向けると、伊織が息を切らして立っていた。
「伊織!?」
「そ、宗くん!」
思わず宗一郎が立ち上がると、こちらに気付いた伊織が血相を変えて駆け寄ってきた。
クラスの注目が宗一郎と伊織に集まる。
体育祭実行委員の倉橋豊に、眼鏡越しの冷たい一瞥と共にうるさいぞと注意されて、九条と相沢の二人は声を潜めて宗一郎の方へと身を乗り出す。
「宗もついに! いつ出来たんだよ?」
「夏休みに」
「な、なんだと……!? お前はオンナに興味ないと思ってたのに!」
「なんでだよ。俺だって人並みに恋愛くらいするよ」
言うと九条が晴天の霹靂という顔をしてよろめいた。
「そ、そうだったのか……! 油断してた……。まさか宗に先越されるなんて……」
本気で絶望したようにぶつぶつそう呟く九条に、宗一郎は眉を寄せた。
「九条、時々ほんと失礼だよね」
「うるさい、裏切り者! 自分だけ幸せになりやがって!」
「うん、幸せだよ」
満面の笑顔で言ってやると、九条が頭を抱えて身悶えする。
「ぐああ、さらりとのろけやがった! くっそうお前たちばっかりずるいぞ! 宗、オレにもオンナ紹介しろ!」
「はぁ!? なんでそうなるの?」
九条の飛躍した展開に宗一郎は呆れたように眉を持ち上げた。
九条はそんな反応にもかまうことなく、ナイショ話をするようにこそこそと宗一郎に身を寄せてくる。
「いや、実はな。オレも気になってる子がいてだな……」
「ふうん? 俺に紹介しろって言うからにはオレの知ってる子?」
「ああ。どうやらその子はバスケ部のマネージャーやってるらしいんだが」
「バスケ部のマネージャー?」
その言葉に相沢が反応した。何かを思いついたようにポンと手を打つ。
「ああ、わかった。九条、お前の気になってる子って宗の幼馴染みチャンだろ? あのすっげえ可愛い子」
「え、まりあ?」
「ああ、そうそうまりあちゃん。――でも九条、まりあちゃんはダメだろう。宗の彼女ってその子だろ?」
「なにィ、そうなのか!?」
「うわ」
言うが早いか九条が勢い良く顔を覗き込んできて、宗一郎は反射的に身を引いた。
「あんまり顔近づけるなよ気持ち悪いなぁ。それにまりあはちが……」
「まあまあ照れるなって」
否定しようとした宗一郎を遮るように、九条が言葉をすべりこませる。
「あれだけかわいかったら仕方ないよな。しかし安心しろ、宗。オレの好きな子はまりあちゃんじゃない」
「いや、だからまりあは俺の彼女じゃないってば。九条、聞いてる?」
九条は宗一郎の声がまるで聞こえていないのか、ひとりでうんうんと頷いている。
宗一郎はそんな九条の目の前でぶんぶんと手を振ってみるが、九条はまるで反応を返さない。
「宗、オレの好きな子はな……」
九条がそこまで言いかけたとき、廊下から騒々しい足音が近づいてきた。
唐突に開けられる25組の教室のドア。
「宗くん!」
それと同時に呼ばれた自分の名に驚いて視線を向けると、伊織が息を切らして立っていた。
「伊織!?」
「そ、宗くん!」
思わず宗一郎が立ち上がると、こちらに気付いた伊織が血相を変えて駆け寄ってきた。
クラスの注目が宗一郎と伊織に集まる。