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夏の全国大会、インターハイ。
海南大附属高校男子バスケットボール部は激闘の末、今大会で準優勝、つまり全国2位の成績を収めた。
長かった夏休みも終わり、現在2学期初めの9月。
海南大附属高校は、春に引き続き秋の球技大会の季節を迎えていた。
「じゃあ、競技の振り分けはこれで決まりでいいね」
体育祭実行委員の声で、伊織はハッと目を覚ました。
いつの間に寝てしまったのか、最後に時計を確認したときからもうすでに30分も時間が経っていた。
現在伊織のクラスである17組では、ロングホームルームの時間を使って秋の球技大会の種目決めを行っていた。
春の球技大会は全学年総当り制だったのに対し、今回の秋の球技大会は、10月に行われる体育祭のチーム分けでの、チーム対抗となっている。そのため、今回の秋の球技大会は体育祭実行委員が取り仕切る。
ちなみに体育祭のチーム分けは、1学年ごとにランダムに組を抽出して組み合わせる縦割り形式となっていて、17組は25組、32組と一緒にピンクチームに振り分けされていた。
牧たち34組はオレンジチームで分かれてしまったけれど、宗一郎の25組とは同じチームだ。球技大会のチーム編成も全学年ごちゃまぜで組まれるので、うまくすれば球技大会でも宗一郎と同じチームになることができる。
秋の球技大会の種目はバスケ、テニス、ソフトの三種類で、当該部に所属している生徒は同じ種目にエントリーすることができない決まりがある。それはバスケ部マネージャーである伊織も該当していて、伊織もバスケにエントリーすることができなかった。
残された種目はソフトかテニス。
当然テニスは除外するとして、伊織はソフトに立候補しようとしていた。
が、いくら思い返してみても、伊織は自分の種目が決まったときの記憶がなかった。
(ま、さか……その頃から寝てた!?)
伊織は気付いて顔を青ざめさせた。
万が一にもテニスにエントリーされないように、眠ってしまうなど絶対論外だったのに。
伊織は慌てて黒板に視線をうつし、自分の名前を必死に探す。
(鈴村、鈴村……)
やっとの思いで鈴村の文字を見つけて、伊織は思考が停止した。
何度も何度も自分の名前と、その上に書かれた競技名を確認する。
テニス……草刈裕樹 山本麻衣 鈴村伊織 清田信長 雪原まりあ 野村賢太
テニス。鈴村伊織。
「う、うわあああああ! なんでわたしがテニスなの!?」
伊織は大きくイスを鳴らして立ち上がった。
ところかわって25組。
宗一郎はいまだ決まらない球技大会の種目決めに退屈して小さくあくびをもらした。
ロングホームルームから行っているこの話し合いは、比較的難易度の高いテニスの候補者がおらず、帰りのホームルームを越えてなんと放課後にまで突入してしまった。
ちなみに宗一郎はもうソフトに種目が決定している。バスケに出られない宗一郎は、体育祭実行委員のたっての願いで、ソフトに決まったのだ。
本音としては種目の決まっている自分はさっさと部活に行ってしまいたいのだが、連帯責任というナゾのシステムによって、25組の生徒は誰も教室を出る事を許されないでいた。
(連帯責任ってなんなんだろうな……)
思って、宗一郎はもう一度あくびをかみ殺した。
ついで小さくため息をつく。
こんな無駄な時間を過ごす暇があるなら、一分一秒でも多く練習をしたかった。
今年は惜しくもインターハイ全国優勝を逃してしまったけれど、来年こそは絶対に全国優勝を成し遂げる。それにまだ秋の選抜や冬の国体だってある。
戦いはもう始まっているのだ。
海南大附属高校男子バスケットボール部は激闘の末、今大会で準優勝、つまり全国2位の成績を収めた。
長かった夏休みも終わり、現在2学期初めの9月。
海南大附属高校は、春に引き続き秋の球技大会の季節を迎えていた。
「じゃあ、競技の振り分けはこれで決まりでいいね」
体育祭実行委員の声で、伊織はハッと目を覚ました。
いつの間に寝てしまったのか、最後に時計を確認したときからもうすでに30分も時間が経っていた。
現在伊織のクラスである17組では、ロングホームルームの時間を使って秋の球技大会の種目決めを行っていた。
春の球技大会は全学年総当り制だったのに対し、今回の秋の球技大会は、10月に行われる体育祭のチーム分けでの、チーム対抗となっている。そのため、今回の秋の球技大会は体育祭実行委員が取り仕切る。
ちなみに体育祭のチーム分けは、1学年ごとにランダムに組を抽出して組み合わせる縦割り形式となっていて、17組は25組、32組と一緒にピンクチームに振り分けされていた。
牧たち34組はオレンジチームで分かれてしまったけれど、宗一郎の25組とは同じチームだ。球技大会のチーム編成も全学年ごちゃまぜで組まれるので、うまくすれば球技大会でも宗一郎と同じチームになることができる。
秋の球技大会の種目はバスケ、テニス、ソフトの三種類で、当該部に所属している生徒は同じ種目にエントリーすることができない決まりがある。それはバスケ部マネージャーである伊織も該当していて、伊織もバスケにエントリーすることができなかった。
残された種目はソフトかテニス。
当然テニスは除外するとして、伊織はソフトに立候補しようとしていた。
が、いくら思い返してみても、伊織は自分の種目が決まったときの記憶がなかった。
(ま、さか……その頃から寝てた!?)
伊織は気付いて顔を青ざめさせた。
万が一にもテニスにエントリーされないように、眠ってしまうなど絶対論外だったのに。
伊織は慌てて黒板に視線をうつし、自分の名前を必死に探す。
(鈴村、鈴村……)
やっとの思いで鈴村の文字を見つけて、伊織は思考が停止した。
何度も何度も自分の名前と、その上に書かれた競技名を確認する。
テニス……草刈裕樹 山本麻衣 鈴村伊織 清田信長 雪原まりあ 野村賢太
テニス。鈴村伊織。
「う、うわあああああ! なんでわたしがテニスなの!?」
伊織は大きくイスを鳴らして立ち上がった。
ところかわって25組。
宗一郎はいまだ決まらない球技大会の種目決めに退屈して小さくあくびをもらした。
ロングホームルームから行っているこの話し合いは、比較的難易度の高いテニスの候補者がおらず、帰りのホームルームを越えてなんと放課後にまで突入してしまった。
ちなみに宗一郎はもうソフトに種目が決定している。バスケに出られない宗一郎は、体育祭実行委員のたっての願いで、ソフトに決まったのだ。
本音としては種目の決まっている自分はさっさと部活に行ってしまいたいのだが、連帯責任というナゾのシステムによって、25組の生徒は誰も教室を出る事を許されないでいた。
(連帯責任ってなんなんだろうな……)
思って、宗一郎はもう一度あくびをかみ殺した。
ついで小さくため息をつく。
こんな無駄な時間を過ごす暇があるなら、一分一秒でも多く練習をしたかった。
今年は惜しくもインターハイ全国優勝を逃してしまったけれど、来年こそは絶対に全国優勝を成し遂げる。それにまだ秋の選抜や冬の国体だってある。
戦いはもう始まっているのだ。