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夢小説設定
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「やあ、伊織ちゃん。久しぶり」
「!」
種田の口から出た親しげな呼びかけに、宗一郎は種田を振り返った。
種田は伊織を見て懐かしそうに目を細めて微笑んでいる。
伊織はそんな種田をたっぷり5秒間見つめた後、その場でパニックになったように声をあげた。
「わああああ、ほんとうに種田先輩だ相変わらずかっこいいっていうか、え、眼鏡なんで。眼鏡姿もかっこいいけどっていやいやそうじゃなくて、えええなんでここに種田先輩がいるのぉ!?」
(かっこいいって……)
宗一郎は思わずムッと唇を尖らせた。
そんな宗一郎の様子には気付きもせずに、伊織はそこから一歩も動かずにあわわわと取り乱している。
種田はくつくつと喉の奥で笑い声を漏らしながらしばらく混乱する伊織を楽しそうに眺めて、やがて伊織にこいこいと手招きをした。
「ふふふ。まあとにかくそんなところで突っ立ってないでこっちへおいで伊織ちゃん」
「うええ……。はい」
伊織はなぜか怯えるようににじにじとこちらへ寄ってくると、おそるおそると言った様子で種田の正面に当たる位置になる宗一郎の隣に立った。
心細いのか不安そうな顔を種田に向けたまま、宗一郎のユニフォームの裾をきゅっと掴んでくる伊織。
いったいふたりはどんな関係なんだろう。
「伊織、大丈夫?」
こそっと囁くと、伊織はうん……と種田から視線を外さないままに答える。
そんな伊織に種田がにっこり微笑んだ。
「まずはじゃあ、挨拶がわりに伊織ちゃんの疑問に答えようか」
「え」
「僕はまごうことなく種田修本人だよ。まあ、僕がかっこいいのはいまさら取り沙汰するまでもないことだからいいとして、眼鏡は僕のイメージに合うだろう? 視力が弱くなったわけじゃないよ」
これまでの上品で優雅な雰囲気は崩さず、だけどそれと相容れないことを穏やかにしゃべりはじめた種田に、宗一郎は呆気にとられて種田を見つめた。
信長もまりあも同じような表情をして種田を見つめていた。
牧は種田の性格を知っていたのか、呆れたような苦笑を滲ませている。
なんとなく、伊織が自分のユニフォームの裾を掴んだわけがわかったような気がした。
種田の持つ上品で優雅な雰囲気が手伝って、飄々と話す種田にはどことなく迫力がある。
視線の先の種田は、そんな好奇の視線には慣れているのか気にもならないのか、伊織から目をそらすことなく話を続ける。
「それと、どうしてここにいるのかってことだけど、仙道に伊織ちゃんがここにいるって聞いたからだよ」
「彰さんに……」
うすうす予感はしていたのか、伊織はその名前に小さく息を吐き出した。
種田はそんな伊織を見つめる瞳を優しげに細める。
「伊織ちゃん。仙道を振っちゃったんだって?」
「うう、やっぱり聞きましたか」
「もちろん。あいつからメールが来たよ」
「メール?」
「あいつ、ガラにもなくすごい落ち込んでるみたいで、立ち直れないかもって書いてあったな」
「彰さん……」
仙道の送ったメール内容に伊織が沈痛な表情で黙り込んだ。
「彰さん、そんなに落ちこ……ん……で…………」
ふいに伊織が眉間に皺を深く刻んで言葉を止めた。
なぜか切羽詰ったような表情をして種田をまじまじと見つめる。
「え、彰さんがそう送ったんですか?」
「そうだよ」
「種田先輩に!?」
「そうだよ。ふふ、信じられない? メール見せようか?」
「!」
種田の口から出た親しげな呼びかけに、宗一郎は種田を振り返った。
種田は伊織を見て懐かしそうに目を細めて微笑んでいる。
伊織はそんな種田をたっぷり5秒間見つめた後、その場でパニックになったように声をあげた。
「わああああ、ほんとうに種田先輩だ相変わらずかっこいいっていうか、え、眼鏡なんで。眼鏡姿もかっこいいけどっていやいやそうじゃなくて、えええなんでここに種田先輩がいるのぉ!?」
(かっこいいって……)
宗一郎は思わずムッと唇を尖らせた。
そんな宗一郎の様子には気付きもせずに、伊織はそこから一歩も動かずにあわわわと取り乱している。
種田はくつくつと喉の奥で笑い声を漏らしながらしばらく混乱する伊織を楽しそうに眺めて、やがて伊織にこいこいと手招きをした。
「ふふふ。まあとにかくそんなところで突っ立ってないでこっちへおいで伊織ちゃん」
「うええ……。はい」
伊織はなぜか怯えるようににじにじとこちらへ寄ってくると、おそるおそると言った様子で種田の正面に当たる位置になる宗一郎の隣に立った。
心細いのか不安そうな顔を種田に向けたまま、宗一郎のユニフォームの裾をきゅっと掴んでくる伊織。
いったいふたりはどんな関係なんだろう。
「伊織、大丈夫?」
こそっと囁くと、伊織はうん……と種田から視線を外さないままに答える。
そんな伊織に種田がにっこり微笑んだ。
「まずはじゃあ、挨拶がわりに伊織ちゃんの疑問に答えようか」
「え」
「僕はまごうことなく種田修本人だよ。まあ、僕がかっこいいのはいまさら取り沙汰するまでもないことだからいいとして、眼鏡は僕のイメージに合うだろう? 視力が弱くなったわけじゃないよ」
これまでの上品で優雅な雰囲気は崩さず、だけどそれと相容れないことを穏やかにしゃべりはじめた種田に、宗一郎は呆気にとられて種田を見つめた。
信長もまりあも同じような表情をして種田を見つめていた。
牧は種田の性格を知っていたのか、呆れたような苦笑を滲ませている。
なんとなく、伊織が自分のユニフォームの裾を掴んだわけがわかったような気がした。
種田の持つ上品で優雅な雰囲気が手伝って、飄々と話す種田にはどことなく迫力がある。
視線の先の種田は、そんな好奇の視線には慣れているのか気にもならないのか、伊織から目をそらすことなく話を続ける。
「それと、どうしてここにいるのかってことだけど、仙道に伊織ちゃんがここにいるって聞いたからだよ」
「彰さんに……」
うすうす予感はしていたのか、伊織はその名前に小さく息を吐き出した。
種田はそんな伊織を見つめる瞳を優しげに細める。
「伊織ちゃん。仙道を振っちゃったんだって?」
「うう、やっぱり聞きましたか」
「もちろん。あいつからメールが来たよ」
「メール?」
「あいつ、ガラにもなくすごい落ち込んでるみたいで、立ち直れないかもって書いてあったな」
「彰さん……」
仙道の送ったメール内容に伊織が沈痛な表情で黙り込んだ。
「彰さん、そんなに落ちこ……ん……で…………」
ふいに伊織が眉間に皺を深く刻んで言葉を止めた。
なぜか切羽詰ったような表情をして種田をまじまじと見つめる。
「え、彰さんがそう送ったんですか?」
「そうだよ」
「種田先輩に!?」
「そうだよ。ふふ、信じられない? メール見せようか?」