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宗一郎と会うのはこれで三度目くらいか。
美奈子はその表情をほころばせ、宗一郎ににこりと笑いかける。
「いらっしゃい宗一郎くん。外でバスケして汗かいちゃったんだって? 伊織ちゃんから聞いてるわよ。とりあえずお風呂入って来ちゃって! 出てくる頃にはご飯食べれるようにしておくから」
「あ、いや、でもお風呂までいただくつもりでは……。俺、着替えもないですし」
「それはわたしが貸すから大丈夫だよ」
美奈子に並ぶようにしてその奥から長身の人影が現れた。
伊織がそれを認めて目を丸くする。
「お父さん!? 帰ってたの!?」
伊織の父の真幸だった。
伊織のその言葉に、宗一郎が身を緊張させた。真幸にむかって慌てて頭を下げる。
宗一郎と真幸が会うのはこれが初めてだ。
「はじめまして。伊織さんとお付き合いさせていただいます、神宗一郎と言います」
「はじめまして。家族から君の話はよく聞いているよ」
真幸は月と星とよく似た顔立ちをしていた。優しく、けれど毅然とした雰囲気を纏っている。
真幸は瞳を細めると、宗一郎をしげしげと眺めた。
「ふむ、聞いていた通りの好青年だね。――塞ぎこんでいた伊織を救ってくれたのは君だとか。お礼を言うよ、ありがとう」
「あ、いえ! 俺なんか全然なにもできなくて……」
「はは、そんなことはない。君が伊織を支えてくれていた今までがあったからこそ、伊織は君のおかげで立ち直ることができたんだ。……これからも娘をよろしく、宗一郎くん」
「はい」
宗一郎が深くお辞儀をした。
微笑を浮かべてそのやりとりを見守っていた美奈子が、絶妙のタイミングで口を出す。
「さぁさ、真幸さん。伊織ちゃんの大事なひとが風邪引いちゃうわよ? 宗一郎くん、早くお風呂に入ってらっしゃい!」
「あ、は、はい……。じゃあお言葉に甘えて」
「伊織、着替えはここにあるから一緒に行って用意して差し上げて。お風呂の使い方の説明も……」
「あ、かーちゃん、それはいらない! オレと月が神さんと一緒にお風呂はいるから!」
星のその言葉に、宗一郎と月が一斉に声を上げた。
「え!?」
「はぁ!?」
「いいだろ、月。憧れの神さんと裸の付き合い! くあー、萌えるぜ!」
「萌えるなよバカ。漢字変換おかしいだろ? だいたい神先輩が困ってるだろ。バカなことばっかりいうなよ、星」
「えええー! いいですよね、神さん! お風呂一緒に入りましょうよ~」
「え、あ、う、うん。まあ、俺は別にいいけど……」
「ほら! 神さんの許可下りた! ひゃっほう! ほらいくぞ月!」
宗一郎の返事を聞くや否や、星は右手に月の首根っこを、左手に宗一郎の腕を掴んで風呂場へと引っ張っていった。
伊織たち親子三人はそんな様子をのんびりと眺めた。
「あらら。宗くん大丈夫かな……?」
「大丈夫よう! ふふ、宗一郎くんは月と星にも大人気なのね!」
「面倒見の良さそうな子だな」
「あ、うん。それは間違いないよ」
真幸の言葉に伊織は力強く頷いた。
毎日毎日あのにぎやかな信長の相手をしてやっているくらいだ。面倒見がよくなくてはとてもじゃないがつとまらない。
「さ。じゃあ三人が出てくるまでにご飯の準備をしちゃいましょう。伊織ちゃん、お手伝いよろしくね?」
「うん」
伊織は台所へ入ると美奈子と並んで料理を始めた。
美奈子はその表情をほころばせ、宗一郎ににこりと笑いかける。
「いらっしゃい宗一郎くん。外でバスケして汗かいちゃったんだって? 伊織ちゃんから聞いてるわよ。とりあえずお風呂入って来ちゃって! 出てくる頃にはご飯食べれるようにしておくから」
「あ、いや、でもお風呂までいただくつもりでは……。俺、着替えもないですし」
「それはわたしが貸すから大丈夫だよ」
美奈子に並ぶようにしてその奥から長身の人影が現れた。
伊織がそれを認めて目を丸くする。
「お父さん!? 帰ってたの!?」
伊織の父の真幸だった。
伊織のその言葉に、宗一郎が身を緊張させた。真幸にむかって慌てて頭を下げる。
宗一郎と真幸が会うのはこれが初めてだ。
「はじめまして。伊織さんとお付き合いさせていただいます、神宗一郎と言います」
「はじめまして。家族から君の話はよく聞いているよ」
真幸は月と星とよく似た顔立ちをしていた。優しく、けれど毅然とした雰囲気を纏っている。
真幸は瞳を細めると、宗一郎をしげしげと眺めた。
「ふむ、聞いていた通りの好青年だね。――塞ぎこんでいた伊織を救ってくれたのは君だとか。お礼を言うよ、ありがとう」
「あ、いえ! 俺なんか全然なにもできなくて……」
「はは、そんなことはない。君が伊織を支えてくれていた今までがあったからこそ、伊織は君のおかげで立ち直ることができたんだ。……これからも娘をよろしく、宗一郎くん」
「はい」
宗一郎が深くお辞儀をした。
微笑を浮かべてそのやりとりを見守っていた美奈子が、絶妙のタイミングで口を出す。
「さぁさ、真幸さん。伊織ちゃんの大事なひとが風邪引いちゃうわよ? 宗一郎くん、早くお風呂に入ってらっしゃい!」
「あ、は、はい……。じゃあお言葉に甘えて」
「伊織、着替えはここにあるから一緒に行って用意して差し上げて。お風呂の使い方の説明も……」
「あ、かーちゃん、それはいらない! オレと月が神さんと一緒にお風呂はいるから!」
星のその言葉に、宗一郎と月が一斉に声を上げた。
「え!?」
「はぁ!?」
「いいだろ、月。憧れの神さんと裸の付き合い! くあー、萌えるぜ!」
「萌えるなよバカ。漢字変換おかしいだろ? だいたい神先輩が困ってるだろ。バカなことばっかりいうなよ、星」
「えええー! いいですよね、神さん! お風呂一緒に入りましょうよ~」
「え、あ、う、うん。まあ、俺は別にいいけど……」
「ほら! 神さんの許可下りた! ひゃっほう! ほらいくぞ月!」
宗一郎の返事を聞くや否や、星は右手に月の首根っこを、左手に宗一郎の腕を掴んで風呂場へと引っ張っていった。
伊織たち親子三人はそんな様子をのんびりと眺めた。
「あらら。宗くん大丈夫かな……?」
「大丈夫よう! ふふ、宗一郎くんは月と星にも大人気なのね!」
「面倒見の良さそうな子だな」
「あ、うん。それは間違いないよ」
真幸の言葉に伊織は力強く頷いた。
毎日毎日あのにぎやかな信長の相手をしてやっているくらいだ。面倒見がよくなくてはとてもじゃないがつとまらない。
「さ。じゃあ三人が出てくるまでにご飯の準備をしちゃいましょう。伊織ちゃん、お手伝いよろしくね?」
「うん」
伊織は台所へ入ると美奈子と並んで料理を始めた。