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夢小説設定
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お風呂を沸かすようにお願いすると、夕飯はどうするのかという声が返ってきた。
伊織はケータイの送話口に手をあてて宗一郎を振り返る。
「宗くん、夕飯うちで食べてく? お母さんが是非にってうるさいんだけど……」
「あ、でもご迷惑じゃないかな」
「それは全然心配しなくて大丈夫だよ。前にも言ったけど、うちはにぎやかなのが大好きだから。……むしろ多分、宗くんに食べて行ってもらいたいんだと思う。さっきから電話の奥で星もうるさい……」
「はは、そうなの? じゃあお言葉に甘えていただこうかな」
「うん!」
伊織はまたケータイを耳にあてると宗一郎のその言葉を伝えた。
受話口から再び、迷惑どころか大歓迎よー! という声が漏れ聞こえた。
顔をしかめる伊織に、宗一郎が笑いを零す。
じゃあこれから帰るね、と告げると伊織は電話をきった。
「宗くんごめんね。お母さんすっごい喜んじゃって……」
「ううん、いいよ。伊織のお母さん元気だよね」
「もう年甲斐もなく元気って言うかなんていうか……。こっちが恥ずかしいくらいだよ」
伊織はわざとらしくため息をつくと、宗一郎の手をとった。
驚いたように宗一郎が伊織を見る。
「伊織から手を繋いで来るなんて初めてだね」
「! ご、ごめん、汗乾いたら風邪引いちゃうし急いだほうがいいと思って……!」
慌てて離そうとした伊織の手を、宗一郎がぎゅっと掴んで捕まえる。
「離さないで。嬉しいから」
「う、うん」
伊織の顔が赤く染まる。
「ほ、ほら、宗くん急ごう!」
伊織は宗一郎の手を引っ張って急いで駅まで向かった。
「ただいま~」
「おじゃまします」
「おかえりねーちゃん、いらっしゃい神さん!!」
玄関を開けると、星が転がるように飛び出て出迎えてくれた。
伊織はそれに微苦笑を零す。
「星、そんな慌てて出てきたら危ないよ。こけたらどうするの?」
「大丈夫! そんなことより神さん! お風呂沸いてますよ! シャワー早く浴びないと風邪引いちゃいます!!」
言いながら星がぐいぐいと宗一郎を部屋に引っ張っていった。
「うわ、わ。ちょ、待って星くん。靴、まだ靴脱いでないから!」
「わあ、すみません神さん!」
宗一郎のその言葉に星が慌てて手を放した。
その星の頭にスパーンと小気味良い音を立ててスリッパが炸裂する。
「バカ星。神先輩に迷惑かけるなよ」
「いってぇな月! 殴るなよ!」
「じゃあ殴られるようなことするな」
「してないだろー!? なんだよバカ月!」
「黙れ星クズ」
ぎゃあぎゃあ言い合う二人の奥から、パタパタと足音も高く伊織の母親・美奈子が顔を出した。
美奈子は伊織に顔立ちがとてもよく似た、ふんわりした雰囲気の女性だ。
伊織はケータイの送話口に手をあてて宗一郎を振り返る。
「宗くん、夕飯うちで食べてく? お母さんが是非にってうるさいんだけど……」
「あ、でもご迷惑じゃないかな」
「それは全然心配しなくて大丈夫だよ。前にも言ったけど、うちはにぎやかなのが大好きだから。……むしろ多分、宗くんに食べて行ってもらいたいんだと思う。さっきから電話の奥で星もうるさい……」
「はは、そうなの? じゃあお言葉に甘えていただこうかな」
「うん!」
伊織はまたケータイを耳にあてると宗一郎のその言葉を伝えた。
受話口から再び、迷惑どころか大歓迎よー! という声が漏れ聞こえた。
顔をしかめる伊織に、宗一郎が笑いを零す。
じゃあこれから帰るね、と告げると伊織は電話をきった。
「宗くんごめんね。お母さんすっごい喜んじゃって……」
「ううん、いいよ。伊織のお母さん元気だよね」
「もう年甲斐もなく元気って言うかなんていうか……。こっちが恥ずかしいくらいだよ」
伊織はわざとらしくため息をつくと、宗一郎の手をとった。
驚いたように宗一郎が伊織を見る。
「伊織から手を繋いで来るなんて初めてだね」
「! ご、ごめん、汗乾いたら風邪引いちゃうし急いだほうがいいと思って……!」
慌てて離そうとした伊織の手を、宗一郎がぎゅっと掴んで捕まえる。
「離さないで。嬉しいから」
「う、うん」
伊織の顔が赤く染まる。
「ほ、ほら、宗くん急ごう!」
伊織は宗一郎の手を引っ張って急いで駅まで向かった。
「ただいま~」
「おじゃまします」
「おかえりねーちゃん、いらっしゃい神さん!!」
玄関を開けると、星が転がるように飛び出て出迎えてくれた。
伊織はそれに微苦笑を零す。
「星、そんな慌てて出てきたら危ないよ。こけたらどうするの?」
「大丈夫! そんなことより神さん! お風呂沸いてますよ! シャワー早く浴びないと風邪引いちゃいます!!」
言いながら星がぐいぐいと宗一郎を部屋に引っ張っていった。
「うわ、わ。ちょ、待って星くん。靴、まだ靴脱いでないから!」
「わあ、すみません神さん!」
宗一郎のその言葉に星が慌てて手を放した。
その星の頭にスパーンと小気味良い音を立ててスリッパが炸裂する。
「バカ星。神先輩に迷惑かけるなよ」
「いってぇな月! 殴るなよ!」
「じゃあ殴られるようなことするな」
「してないだろー!? なんだよバカ月!」
「黙れ星クズ」
ぎゃあぎゃあ言い合う二人の奥から、パタパタと足音も高く伊織の母親・美奈子が顔を出した。
美奈子は伊織に顔立ちがとてもよく似た、ふんわりした雰囲気の女性だ。