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夢小説設定
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「そ、そうなんだ……。宗くんはバスケ大なり女の子ってイメージで、なんかおそろいのものとかそういうのあんまり興味ないかと……」
「うーん。まあ、確かに伊織と会うまではそうだったかも。でも伊織となら今まで興味なかったものも、途端によく見えるんだ。自分でも意外なんだけど……変かな?」
眉を下げて訊いて来る宗一郎に、伊織は大きく首を振った。
自分の顔が自然と笑顔になるのがわかる。
「ううん、変じゃない! 嬉しいよ! 宗くん、わたしストラップ大事にするね。ケータイにつける」
「うん、俺もつける。……でも牧さんや小百合さんにからかわれるかな」
「あ、宗くんは無理しなくていいよ! 大事に持っててもらえればそれだけで充分だから」
「無理してないよ。それに多分、伊織もからかわれるよ。牧さんも小百合さんも妙に目ざといんだよね、こういうの」
「ハッ! 宗くん、だれかほかの人と経験あり……?」
妙に実感のこもったその言い方に、伊織は恐る恐る宗一郎を窺った。
その視線を受けて宗一郎が苦笑する。
「なんで。伊織がはじめての彼女だって言っただろ? まあ、経験があるっちゃああるけど、むしろあれは俺は被害者。一年のとき、一学年先輩のマネージャーが勝手に俺の名前書いたストラップを持ってたんだよね。それで小百合さんと牧さんにからかわれたんだ」
「へ、へえ……」
思わず伊織の顔が引きつった。
一年でまだレギュラーではない頃から人気だったなんて、やっぱり宗一郎はすごくモテる。
(や、やだな。一学年上の先輩って、誰だろ……)
思わず三年のマネージャーの顔をひとりひとり頭に思い浮かべた。
伊織の胸にかわいくない感情がシミのように滲んで広がっていく。
宗一郎がそんな伊織に気付いて苦笑をもらした。
「その先輩マネージャーならその事件発覚後にバスケ部辞めちゃったよ。俺はその人のことなんとも思ってないし、その人とはなんにも起こってないから。だからそんな顔しなくて大丈夫だよ」
宗一郎の指が伊織の強張った頬を撫でた。
どきんと伊織の心臓が跳ねる。
見上げた視線の先で、宗一郎が意地悪く唇を持ち上げた。
「妬いた?」
「……や、妬いてない」
「ふうん、そっか。俺あんまり愛されてないのかな」
「! 妬きました!」
伊織は宗一郎の袖を勢いよく掴んで力一杯訴えた。
宗一郎は伊織のその様子に驚いて一瞬きょとんとしたかと思うと、すぐにはじけるように笑い出した。
そのまま伊織の頭を優しく撫でる。
「はは、冗談だよ。そんなにムキなってほんとかわいいね、伊織は」
「だ、だって……宗くんが愛されてないのかなとか言うから……」
「うん。ありがと。俺、やっぱりすごく愛されてるね」
「……う、うん」
伊織は顔を真っ赤にしながら頷いた。
宗一郎が嬉しそうに微笑む。
そのとき宗一郎の短く切られた髪が海風に吹かれてさらさらとそよいだ。
気持ち良さそうに瞳を細める宗一郎の横顔は本当に綺麗で、伊織の心臓をせわしなくさせる。
しばらくそんな宗一郎の横顔を眺めていると、ふいに宗一郎が伊織を見た。
驚きとときめきでどきんと伊織の心臓が脈打つ。
「そろそろ10分経つかな」
「うううん、そ、そうだね!」
「はは、なにそんなに慌ててるの? じゃあ取りに行こうか」
伊織は宗一郎のあとをついて展望台の中に入った。
まだ心臓はどきどき落ち着きなく鼓動を打っている。
自分と違って余裕な宗一郎の態度が、なんだかちょっとだけ悔しかった。
「うーん。まあ、確かに伊織と会うまではそうだったかも。でも伊織となら今まで興味なかったものも、途端によく見えるんだ。自分でも意外なんだけど……変かな?」
眉を下げて訊いて来る宗一郎に、伊織は大きく首を振った。
自分の顔が自然と笑顔になるのがわかる。
「ううん、変じゃない! 嬉しいよ! 宗くん、わたしストラップ大事にするね。ケータイにつける」
「うん、俺もつける。……でも牧さんや小百合さんにからかわれるかな」
「あ、宗くんは無理しなくていいよ! 大事に持っててもらえればそれだけで充分だから」
「無理してないよ。それに多分、伊織もからかわれるよ。牧さんも小百合さんも妙に目ざといんだよね、こういうの」
「ハッ! 宗くん、だれかほかの人と経験あり……?」
妙に実感のこもったその言い方に、伊織は恐る恐る宗一郎を窺った。
その視線を受けて宗一郎が苦笑する。
「なんで。伊織がはじめての彼女だって言っただろ? まあ、経験があるっちゃああるけど、むしろあれは俺は被害者。一年のとき、一学年先輩のマネージャーが勝手に俺の名前書いたストラップを持ってたんだよね。それで小百合さんと牧さんにからかわれたんだ」
「へ、へえ……」
思わず伊織の顔が引きつった。
一年でまだレギュラーではない頃から人気だったなんて、やっぱり宗一郎はすごくモテる。
(や、やだな。一学年上の先輩って、誰だろ……)
思わず三年のマネージャーの顔をひとりひとり頭に思い浮かべた。
伊織の胸にかわいくない感情がシミのように滲んで広がっていく。
宗一郎がそんな伊織に気付いて苦笑をもらした。
「その先輩マネージャーならその事件発覚後にバスケ部辞めちゃったよ。俺はその人のことなんとも思ってないし、その人とはなんにも起こってないから。だからそんな顔しなくて大丈夫だよ」
宗一郎の指が伊織の強張った頬を撫でた。
どきんと伊織の心臓が跳ねる。
見上げた視線の先で、宗一郎が意地悪く唇を持ち上げた。
「妬いた?」
「……や、妬いてない」
「ふうん、そっか。俺あんまり愛されてないのかな」
「! 妬きました!」
伊織は宗一郎の袖を勢いよく掴んで力一杯訴えた。
宗一郎は伊織のその様子に驚いて一瞬きょとんとしたかと思うと、すぐにはじけるように笑い出した。
そのまま伊織の頭を優しく撫でる。
「はは、冗談だよ。そんなにムキなってほんとかわいいね、伊織は」
「だ、だって……宗くんが愛されてないのかなとか言うから……」
「うん。ありがと。俺、やっぱりすごく愛されてるね」
「……う、うん」
伊織は顔を真っ赤にしながら頷いた。
宗一郎が嬉しそうに微笑む。
そのとき宗一郎の短く切られた髪が海風に吹かれてさらさらとそよいだ。
気持ち良さそうに瞳を細める宗一郎の横顔は本当に綺麗で、伊織の心臓をせわしなくさせる。
しばらくそんな宗一郎の横顔を眺めていると、ふいに宗一郎が伊織を見た。
驚きとときめきでどきんと伊織の心臓が脈打つ。
「そろそろ10分経つかな」
「うううん、そ、そうだね!」
「はは、なにそんなに慌ててるの? じゃあ取りに行こうか」
伊織は宗一郎のあとをついて展望台の中に入った。
まだ心臓はどきどき落ち着きなく鼓動を打っている。
自分と違って余裕な宗一郎の態度が、なんだかちょっとだけ悔しかった。