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夢小説設定
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「ででででも悪いよ! そんなことしてもらうわけには……!」
目を白黒させて大慌てする伊織に、宗一郎は楽しそうに喉の奥でくつくつと笑った。
そんな宗一郎に店員が、ストラップにするのかキーホルダーにするのか質問した。
宗一郎が伊織に視線を向けて訊いて来る。
「ほら、伊織。どっちがいい? キーホルダーかストラップだって……」
「え、えと、じゃあストラップ……」
宗一郎はその返事を受けて店員に向き直る。
ストラップでお願いします、と答える宗一郎の服の袖を伊織は引っ張った。
「うん? なに?」
「じゃあ、わたしも宗くんにプレゼントする。どれがいい?」
「俺? いいよ、別に」
「どうして? せっかくだしおそろいで持ちたいよ」
「……。じゃあ、お言葉に甘えて買ってもらおうかな」
「うん!」
伊織は表情をほころばせた。
「宗くん、どれがいい?」
「伊織が選んで。俺にはどれが似合う?」
「うーん、これ!」
伊織は自分と同じデザインで、亀とハイビスカスが青・水色・白の三色で書かれたものを手に取った。
「爽やかなイメージが宗くんにぴったし」
「はは、爽やか? じゃあそれにする」
「うん! すいません、これもお願いします」
「ありがとうございます」
店員さんがにこやかに答える。
「こちらはストラップとキーホルダーどちらにしますか?」
「じゃあ、これもストラップでお願いします」
「わかりました。文字入れはどうしますか?」
お互いの名前を入れることもできますし、ひとつにお二人の名前を入れることもできますよ、と店員が見本を見せながら提案してくる。
「あ、じゃあわたしのやつは宗くんの名前入れてもらおうかな」
「俺の名前? なんで?」
「宗くんに買ってもらったから!」
「ふうん? じゃあ俺は伊織の名前入れてもらおうかな」
「え!? なんで!?」
「はは、なんでって伊織と同じ理由。――じゃあすみません、ピンクのやつは宗一郎で、青のやつは伊織でお願いします」
「わかりました。綴りはこちらでよろしいですか?」
言って店員は二人の名前をローマ字表記した紙を差し出した。
宗一郎はそれに頷く。
「はい。それで大丈夫です」
「ではお時間10分程度でできますので、またその頃にお越しください」
「わかりました。お願いします」
お金を払ってその場を離れると、伊織と宗一郎は展望台の外へ出た。
海風が強く頬を撫ぜる。
伊織は風に煽られる髪を片手で押さえながら宗一郎に向き直った。
「宗くん、ストラップありがとう!」
「俺もありがとう、伊織」
「おそろい、うれしいなぁ」
「そうだね。俺もけっこう嬉しい」
「……うそ!」
宗一郎のその言葉に伊織は目を丸くした。
それを見て宗一郎が苦笑する。
「ね、伊織。さっきから思ってたんだけど、俺に対していったいどんなイメージ持ってるの? 俺だって好きな子とおそろいのものを持つのは嬉しいよ。ストラップに伊織の名前を入れるのも、伊織がいつも近くに感じられるから嬉しいし、プレゼントしてもらったのだって単純に嬉しいよ」
目を白黒させて大慌てする伊織に、宗一郎は楽しそうに喉の奥でくつくつと笑った。
そんな宗一郎に店員が、ストラップにするのかキーホルダーにするのか質問した。
宗一郎が伊織に視線を向けて訊いて来る。
「ほら、伊織。どっちがいい? キーホルダーかストラップだって……」
「え、えと、じゃあストラップ……」
宗一郎はその返事を受けて店員に向き直る。
ストラップでお願いします、と答える宗一郎の服の袖を伊織は引っ張った。
「うん? なに?」
「じゃあ、わたしも宗くんにプレゼントする。どれがいい?」
「俺? いいよ、別に」
「どうして? せっかくだしおそろいで持ちたいよ」
「……。じゃあ、お言葉に甘えて買ってもらおうかな」
「うん!」
伊織は表情をほころばせた。
「宗くん、どれがいい?」
「伊織が選んで。俺にはどれが似合う?」
「うーん、これ!」
伊織は自分と同じデザインで、亀とハイビスカスが青・水色・白の三色で書かれたものを手に取った。
「爽やかなイメージが宗くんにぴったし」
「はは、爽やか? じゃあそれにする」
「うん! すいません、これもお願いします」
「ありがとうございます」
店員さんがにこやかに答える。
「こちらはストラップとキーホルダーどちらにしますか?」
「じゃあ、これもストラップでお願いします」
「わかりました。文字入れはどうしますか?」
お互いの名前を入れることもできますし、ひとつにお二人の名前を入れることもできますよ、と店員が見本を見せながら提案してくる。
「あ、じゃあわたしのやつは宗くんの名前入れてもらおうかな」
「俺の名前? なんで?」
「宗くんに買ってもらったから!」
「ふうん? じゃあ俺は伊織の名前入れてもらおうかな」
「え!? なんで!?」
「はは、なんでって伊織と同じ理由。――じゃあすみません、ピンクのやつは宗一郎で、青のやつは伊織でお願いします」
「わかりました。綴りはこちらでよろしいですか?」
言って店員は二人の名前をローマ字表記した紙を差し出した。
宗一郎はそれに頷く。
「はい。それで大丈夫です」
「ではお時間10分程度でできますので、またその頃にお越しください」
「わかりました。お願いします」
お金を払ってその場を離れると、伊織と宗一郎は展望台の外へ出た。
海風が強く頬を撫ぜる。
伊織は風に煽られる髪を片手で押さえながら宗一郎に向き直った。
「宗くん、ストラップありがとう!」
「俺もありがとう、伊織」
「おそろい、うれしいなぁ」
「そうだね。俺もけっこう嬉しい」
「……うそ!」
宗一郎のその言葉に伊織は目を丸くした。
それを見て宗一郎が苦笑する。
「ね、伊織。さっきから思ってたんだけど、俺に対していったいどんなイメージ持ってるの? 俺だって好きな子とおそろいのものを持つのは嬉しいよ。ストラップに伊織の名前を入れるのも、伊織がいつも近くに感じられるから嬉しいし、プレゼントしてもらったのだって単純に嬉しいよ」