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夢小説設定
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「う、うそだぁ。じゃあなんで手離して先行っちゃったの……?」
「先行ったんじゃなくて、ほら」
言いながら宗一郎が串刺しになった濡れせんべいの入った包み紙を差し出してきた。
「これを買いに行ってたんだよ。俺、買って来るねって言っただろ?」
「き、聞こえなかった……」
伊織はふるふると首を振る。
「ほんと? ちょっとまわりがにぎやかだったから聞こえなかったのかな。とにかく怒ってないよ。ましてや嫌ってなんてないから。ね?」
「う、うん……。よ、よかったぁ……」
安心したら伊織の瞳からさらに涙が溢れ出した。
宗一郎に体を引かれて、ぎゅっと抱きしめられる。
「大丈夫だよ、伊織。大丈夫。大好きだよ。俺たちは、伊織が俺に飽きるまで終わりなんてこないから。大丈夫だよ」
「わ、わたしだって宗くんに飽きたりなんかしないもん」
「どうかな」
「本当だよ!」
「そう? じゃあ、俺たちはずっと一緒、だね」
「……うん」
「ほら、もう泣き止んで」
宗一郎の唇が伊織の頬に触れた。
くすぐったいその感触に、伊織の顔が赤く染まる。
宗一郎の唇はそのまますべるようにして頬から伊織の唇に移動する。
優しくぬくもりを伝えてくるような柔らかいキスに、伊織の涙もしだいに引いていく。
唇を離すと、宗一郎は伊織の頭を撫でて微笑んだ。
「落ち着いた?」
「うん」
「じゃあほら、これ食べよう。濡れせんべいだって。伊織食べたことある?」
「ううん、ない」
「はは、俺も。なんかふにゃふにゃで柔らかいらしいよ。普通の味と、七味唐辛子の買ってきたから半分こしようか。辛いのは平気?」
「うん!」
濡れせんべいを仲良く半分こして食べると、それから二人は神社の階段を登りきって江ノ島のてっぺんについた。
展望台のチケットを買って中に入る。
宗一郎の言っていたフレンチトーストで軽めの昼食をとって、それから二人は展望台に登った。
その最上階で、かわいいハワイアン調のキーホルダーやストラップを売っていた。
なんとひとつひとつ文字入れしてくれるらしい。
その文字がなんともかわいらしかった。
「……伊織。何見てるの?」
しげしげと伊織がそれを見つめていると、それに気付いた宗一郎が声をかけてきた。
伊織は視線をさまざまな種類の商品に向けたまま答える。
「かわいいなって思って」
「ふうん。確かにかわいいね。伊織はどれが一番かわいいと思う?」
「これかなぁ。このデザインが一番かわいい」
たくさん並んでいる種類のうち、伊織は細長い黒い板に亀とハイビスカスの模様がピンク・紫・白の三色で書かれたものを指差した。
真ん中はどれも空白になっていてそこに名前を入れる仕様になっているらしかった。
どうやらここは個人でやってるらしい。
商品を並べたテーブルの真ん中にお店のひとが一人座っていた。
宗一郎はそれを手に取ると、そのお兄さんに声をかけた。
「すいません、これください」
「えっ!」
伊織が驚いて宗一郎を振り返る。
「そ、宗くん、いいよ、わ、わたし自分で……!」
「いいよ。プレゼントさせて」
「先行ったんじゃなくて、ほら」
言いながら宗一郎が串刺しになった濡れせんべいの入った包み紙を差し出してきた。
「これを買いに行ってたんだよ。俺、買って来るねって言っただろ?」
「き、聞こえなかった……」
伊織はふるふると首を振る。
「ほんと? ちょっとまわりがにぎやかだったから聞こえなかったのかな。とにかく怒ってないよ。ましてや嫌ってなんてないから。ね?」
「う、うん……。よ、よかったぁ……」
安心したら伊織の瞳からさらに涙が溢れ出した。
宗一郎に体を引かれて、ぎゅっと抱きしめられる。
「大丈夫だよ、伊織。大丈夫。大好きだよ。俺たちは、伊織が俺に飽きるまで終わりなんてこないから。大丈夫だよ」
「わ、わたしだって宗くんに飽きたりなんかしないもん」
「どうかな」
「本当だよ!」
「そう? じゃあ、俺たちはずっと一緒、だね」
「……うん」
「ほら、もう泣き止んで」
宗一郎の唇が伊織の頬に触れた。
くすぐったいその感触に、伊織の顔が赤く染まる。
宗一郎の唇はそのまますべるようにして頬から伊織の唇に移動する。
優しくぬくもりを伝えてくるような柔らかいキスに、伊織の涙もしだいに引いていく。
唇を離すと、宗一郎は伊織の頭を撫でて微笑んだ。
「落ち着いた?」
「うん」
「じゃあほら、これ食べよう。濡れせんべいだって。伊織食べたことある?」
「ううん、ない」
「はは、俺も。なんかふにゃふにゃで柔らかいらしいよ。普通の味と、七味唐辛子の買ってきたから半分こしようか。辛いのは平気?」
「うん!」
濡れせんべいを仲良く半分こして食べると、それから二人は神社の階段を登りきって江ノ島のてっぺんについた。
展望台のチケットを買って中に入る。
宗一郎の言っていたフレンチトーストで軽めの昼食をとって、それから二人は展望台に登った。
その最上階で、かわいいハワイアン調のキーホルダーやストラップを売っていた。
なんとひとつひとつ文字入れしてくれるらしい。
その文字がなんともかわいらしかった。
「……伊織。何見てるの?」
しげしげと伊織がそれを見つめていると、それに気付いた宗一郎が声をかけてきた。
伊織は視線をさまざまな種類の商品に向けたまま答える。
「かわいいなって思って」
「ふうん。確かにかわいいね。伊織はどれが一番かわいいと思う?」
「これかなぁ。このデザインが一番かわいい」
たくさん並んでいる種類のうち、伊織は細長い黒い板に亀とハイビスカスの模様がピンク・紫・白の三色で書かれたものを指差した。
真ん中はどれも空白になっていてそこに名前を入れる仕様になっているらしかった。
どうやらここは個人でやってるらしい。
商品を並べたテーブルの真ん中にお店のひとが一人座っていた。
宗一郎はそれを手に取ると、そのお兄さんに声をかけた。
「すいません、これください」
「えっ!」
伊織が驚いて宗一郎を振り返る。
「そ、宗くん、いいよ、わ、わたし自分で……!」
「いいよ。プレゼントさせて」