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夢小説設定
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「うう、ちっくしょー!」
「ねね、わたしサインだったら二年生レギュラーの神先輩のが欲しいな!」
「へ? 神先輩?」
いきなり出てきたその名前に、伊織の心臓が飛び跳ねた。
「あー、わたしもー! いいよね、神先輩! かっこいいし!」
「優しそうだし!」
「「「お近づきになりたーいっ!」」」
「…………」
夢見心地で言う三人を見て、伊織は口を引きつらせた。
(し、知らなかった……。神先輩ってこんなに人気だったの!?)
知らなかったとはいえ、そんな人とあんな気軽に話をしていたなんて。
一気に宗一郎を遠く感じて、伊織の胸が苦しくなった。
一方まりあは、そんな三人を見て得意げに笑う。
「ふっふー、気持ちわかるよ。宗ちゃんほんとかっこいいもんね。でもダ~メ! 宗ちゃんはまりあのだもん」
「え!?」
「ちょっと雪原さん! それってどういうこと!?」
すごい剣幕で三人はまりあのほうに身を乗り出した。
あまりの迫力に、伊織と信長は思わず顔を見合わせる。
しかし、まりあは花のような微笑みを崩さない。
「宗ちゃんとまりあは、幼馴染なの。小さなころからずぅっと一緒なんだ。恋人関係になるのだって、もう時間の問題なんだから!」
「ええ~! そうなの!? いいなぁ~!」
「そっかー。そういうことなら、わたしたちなんて勝ち目ないなあ」
「ほんとう。雪原さんと神先輩だったら、どっからどう見てもお似合いだもんね」
「ねー。ああ、残念」
そう言って、三人はがっくり肩を落とした。
確かに彼女たちの言うとおりだ。二人はお似合いすぎて、勝ち目なんかない。
胸がちくりと痛む。
伊織は周囲に気付かれないように、小さく息を吐いた。
と、そのとき。
「まりあ!」
教室の外から、まりあを呼ぶ声がした。
宗一郎だ。
教室内のそこここから、女子のきゃーっと言う黄色い悲鳴が上がる。
「宗ちゃん!」
「神さ~ん」
呼ばれたまりあと、なぜか信長までもが一緒になって宗一郎に駆け寄った。
話しかけてきた三人組も、少しでも宗一郎を近くで見ようと移動をする。
一人になった伊織は、なんとなく視線を宗一郎とまりあの方へ持っていった。
満面の笑みで抱きつくまりあを、苦笑しながらも優しく受け止める宗一郎。
密着した二人に、今度は教室の男女から悲鳴が上がる。
(やっぱりお似合いだな)
それを見て、伊織の胸が再びちくりと痛んだ。
視線の先で宗一郎はまりあを優しく体から離しながら、なにかの紙切れを渡している。
伊織がぼけっとその様子を眺めていると、宗一郎と目が合った。
慌てて頭を下げる伊織に、宗一郎は可笑しそうに唇を持ち上げ、続いて伊織に向かって来い来いと手招きをした。
「?」
(なんだろう)
伊織は首をひねりながら宗一郎のもとへ行く。
「神先輩、どうしたんですか?」
「はい、これ」
「え?」
「ねね、わたしサインだったら二年生レギュラーの神先輩のが欲しいな!」
「へ? 神先輩?」
いきなり出てきたその名前に、伊織の心臓が飛び跳ねた。
「あー、わたしもー! いいよね、神先輩! かっこいいし!」
「優しそうだし!」
「「「お近づきになりたーいっ!」」」
「…………」
夢見心地で言う三人を見て、伊織は口を引きつらせた。
(し、知らなかった……。神先輩ってこんなに人気だったの!?)
知らなかったとはいえ、そんな人とあんな気軽に話をしていたなんて。
一気に宗一郎を遠く感じて、伊織の胸が苦しくなった。
一方まりあは、そんな三人を見て得意げに笑う。
「ふっふー、気持ちわかるよ。宗ちゃんほんとかっこいいもんね。でもダ~メ! 宗ちゃんはまりあのだもん」
「え!?」
「ちょっと雪原さん! それってどういうこと!?」
すごい剣幕で三人はまりあのほうに身を乗り出した。
あまりの迫力に、伊織と信長は思わず顔を見合わせる。
しかし、まりあは花のような微笑みを崩さない。
「宗ちゃんとまりあは、幼馴染なの。小さなころからずぅっと一緒なんだ。恋人関係になるのだって、もう時間の問題なんだから!」
「ええ~! そうなの!? いいなぁ~!」
「そっかー。そういうことなら、わたしたちなんて勝ち目ないなあ」
「ほんとう。雪原さんと神先輩だったら、どっからどう見てもお似合いだもんね」
「ねー。ああ、残念」
そう言って、三人はがっくり肩を落とした。
確かに彼女たちの言うとおりだ。二人はお似合いすぎて、勝ち目なんかない。
胸がちくりと痛む。
伊織は周囲に気付かれないように、小さく息を吐いた。
と、そのとき。
「まりあ!」
教室の外から、まりあを呼ぶ声がした。
宗一郎だ。
教室内のそこここから、女子のきゃーっと言う黄色い悲鳴が上がる。
「宗ちゃん!」
「神さ~ん」
呼ばれたまりあと、なぜか信長までもが一緒になって宗一郎に駆け寄った。
話しかけてきた三人組も、少しでも宗一郎を近くで見ようと移動をする。
一人になった伊織は、なんとなく視線を宗一郎とまりあの方へ持っていった。
満面の笑みで抱きつくまりあを、苦笑しながらも優しく受け止める宗一郎。
密着した二人に、今度は教室の男女から悲鳴が上がる。
(やっぱりお似合いだな)
それを見て、伊織の胸が再びちくりと痛んだ。
視線の先で宗一郎はまりあを優しく体から離しながら、なにかの紙切れを渡している。
伊織がぼけっとその様子を眺めていると、宗一郎と目が合った。
慌てて頭を下げる伊織に、宗一郎は可笑しそうに唇を持ち上げ、続いて伊織に向かって来い来いと手招きをした。
「?」
(なんだろう)
伊織は首をひねりながら宗一郎のもとへ行く。
「神先輩、どうしたんですか?」
「はい、これ」
「え?」