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言って宗一郎の手が伊織の頭を撫でる。
「じゃあまた明日ね、伊織」
「うん!」
帰っていく宗一郎の背中が見えなくなるまで、伊織はそれを見つめ続けた。
翌朝。
伊織は海南大学駅の改札で宗一郎を待っていた。
伊織は今日はブルーの透かし編みのサマーニット、インナーに白黒のボーダー、カーキのショートパンツを合わせていた。足元には少しヒールのあるスエード調のサンダルを履いて、それに大き目のリボンモチーフのついたブラウンのショルダーバッグを下げている。
駅のコンビニの窓ガラスに自分の姿を映しながら、そわそわと身だしなみを確認する。
(お、おかしくないかな……)
出かけに月と星の太鼓判をもらって出てきたけれど、宗一郎の好みに合うかどうかはまた別の話だ。
(そういえば、前にまりあちゃんとでかけたとき、まりあちゃんは割りとフェミニンな格好だったかも……)
伊織はカジュアルなスタイルが好みだ。
もしも宗一郎の好みがまりあのようなフェミニンスタイルだったら、気に入られないかもしれない。
(で、でもわたしにフェミニンスタイルは似合わないし……! ど、どうしよう……)
そんなことを考えてひとり悶々としていたときだった。
「伊織!」
自分を呼ぶ宗一郎の声が聞こえた。
伊織はどぎまぎしながら振り返る。
「そ、宗くん」
「伊織、おはよう。ごめんね、待たせちゃった?」
駅の時計はまだ9時50分だった。
宗一郎の到着も待ち合わせ時間よりまだ10分も早い。
伊織はゆるゆると首を振る。
「ううん、大丈夫。わたしが早く来すぎちゃっただけだから……」
「俺の方が早く着くつもりだったんだけど……早いね、伊織」
にこりと宗一郎が笑う。
宗一郎は今日、黒のシンプルなポロシャツにインディゴのジーンズ、黒のコンバースというシンプルカジュアルな格好をしていた。
ポロシャツの少し開いた胸元からパステルピンクのインナーが覗いている。
伊織は宗一郎の私服に胸を弾ませた。
やっぱりかっこいい人はシンプルな服を着ただけでもとてもサマになる。
「……伊織、今日俺からあんまり離れないでね?」
宗一郎から顔を背けて伊織が赤い顔を隠していると、急に耳元で宗一郎の声がした。
驚いて伊織は肩を飛び上がらせる。
「うええ!? なななな、なんで?」
「なんでって……。私服、可愛すぎ。足もそんなに出しちゃって他の男が寄ってこないか心配」
「!! だだ、大丈夫だよ!」
「……。仙道のときも思ったけど、伊織はオトコってものを全然わかってないよね」
「そ、そんなことないよ!? 弟だっているし、大丈夫だもん!」
「じゃあさ、俺が今考えてること当ててみて」
「ええっと……」