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そのままくしゃりと撫でられる。
「伊織こそ、そんな気を使わないで。伊織と一緒に出かけることは俺にとって大会に向けてのパワー充電になるんだよ。だからさ、明日俺にパワーたくさん充電してよ。ね?」
にこりと微笑む宗一郎の笑顔。
伊織の心臓がうるさく跳ね上がる。
「そ、宗くんてほんと、どうしてそういうこと恥ずかしげもなく……」
「うん?」
再びまぶしい笑顔を向けられて、伊織は顔を俯かせた。
真っ赤になった顔を隠すように両手でそれを覆うと、その間からくぐもった声を返す。
「……な、なんでもない」
「デート、してくれる?」
黙って伊織はこくこくと頷いた。
手から顔をあげて宗一郎の様子を窺うと、伊織の返事に嬉しそうににこにこしている。
伊織も宗一郎のその顔を見てつられて表情をほころばせた。
「ね、伊織。明日はどこに行きたい? どこでもいいよ」
「うーん。あ、じゃあ湘南観光したい!」
「湘南観光?」
「うん! 神奈川に越して来てからまだこっちあんまり出歩いたことないし、夏だし、江ノ島とか鎌倉とか行きたいな」
「ふむ。江ノ島に鎌倉か……。じゃあ水族館行く? 新江ノ島水族館」
「水族館!!」
伊織はその響きにぱぁっと顔を輝かせた。
伊織は水族館が大好きだ。
魚たちが優雅に泳ぐ姿なら何時間だって飽きもせずに見ていられる。
けれども伊織は小さく首を振る。
「水族館、すごく好きだけど今回はのんびり観光したいな。江ノ島の灯台とかお寺巡りとか……、これぞ湘南ってのを満喫したい。あ、あと江ノ電も乗りたい!」
緑の電車。海沿いを走る昔ながらの鉄道、江ノ島電鉄。
伊織は別に鉄道ファンというわけじゃないけれど、湘南に行くことがあれば一度は乗ってみたいと思っていた電車だ。
もしも宗一郎と一緒に乗れたら、こんなに素敵なことはない。
顔を輝かせて言う伊織に、宗一郎はくすりと笑みを零した。
「江ノ島の灯台に鎌倉のお寺巡りに江ノ電ね。いいよ。じゃあ考えとくね」
「えっ、プラン立ててくれるの?」
「初デートだしね」
「嬉しいっ!」
伊織は両手をあげて喜んだ。
宗一郎がそれに困ったように苦笑する。
「でも、あんまり期待しないでね? 俺、確かにこっちが地元だけど、デートスポットとなると全然わかんないから。なんかそれっぽいの探してみるけど、雑誌をなぞるだけになっちゃうかもしれないよ」
「いいよ、そんなの全然気にしないよ! 宗くんがわたしのために考えてくれるってだけで嬉しい、幸せ!」
「はは、大げさだなぁ」
「大げさじゃないよ、等倍!」
「等倍?」
「うん、等倍! 嬉しさの表現は正確です」
「はは、そっか。俺も喜んでもらえるように頑張るよ」
「ありがとう!」
そろそろ家が近づいてきた。
あそこの角を曲がればもうすぐそこだ。
角を折れて、宗一郎が口を開く。
「じゃあ、明日10時に迎えに来るよ」
「え、いいよ、駅待ち合わせにしよう。そのほうがいっぱい遊べるよ?」
「そう? じゃあ10時に駅ね」
「うん! 楽しみ!」
「俺も」
「伊織こそ、そんな気を使わないで。伊織と一緒に出かけることは俺にとって大会に向けてのパワー充電になるんだよ。だからさ、明日俺にパワーたくさん充電してよ。ね?」
にこりと微笑む宗一郎の笑顔。
伊織の心臓がうるさく跳ね上がる。
「そ、宗くんてほんと、どうしてそういうこと恥ずかしげもなく……」
「うん?」
再びまぶしい笑顔を向けられて、伊織は顔を俯かせた。
真っ赤になった顔を隠すように両手でそれを覆うと、その間からくぐもった声を返す。
「……な、なんでもない」
「デート、してくれる?」
黙って伊織はこくこくと頷いた。
手から顔をあげて宗一郎の様子を窺うと、伊織の返事に嬉しそうににこにこしている。
伊織も宗一郎のその顔を見てつられて表情をほころばせた。
「ね、伊織。明日はどこに行きたい? どこでもいいよ」
「うーん。あ、じゃあ湘南観光したい!」
「湘南観光?」
「うん! 神奈川に越して来てからまだこっちあんまり出歩いたことないし、夏だし、江ノ島とか鎌倉とか行きたいな」
「ふむ。江ノ島に鎌倉か……。じゃあ水族館行く? 新江ノ島水族館」
「水族館!!」
伊織はその響きにぱぁっと顔を輝かせた。
伊織は水族館が大好きだ。
魚たちが優雅に泳ぐ姿なら何時間だって飽きもせずに見ていられる。
けれども伊織は小さく首を振る。
「水族館、すごく好きだけど今回はのんびり観光したいな。江ノ島の灯台とかお寺巡りとか……、これぞ湘南ってのを満喫したい。あ、あと江ノ電も乗りたい!」
緑の電車。海沿いを走る昔ながらの鉄道、江ノ島電鉄。
伊織は別に鉄道ファンというわけじゃないけれど、湘南に行くことがあれば一度は乗ってみたいと思っていた電車だ。
もしも宗一郎と一緒に乗れたら、こんなに素敵なことはない。
顔を輝かせて言う伊織に、宗一郎はくすりと笑みを零した。
「江ノ島の灯台に鎌倉のお寺巡りに江ノ電ね。いいよ。じゃあ考えとくね」
「えっ、プラン立ててくれるの?」
「初デートだしね」
「嬉しいっ!」
伊織は両手をあげて喜んだ。
宗一郎がそれに困ったように苦笑する。
「でも、あんまり期待しないでね? 俺、確かにこっちが地元だけど、デートスポットとなると全然わかんないから。なんかそれっぽいの探してみるけど、雑誌をなぞるだけになっちゃうかもしれないよ」
「いいよ、そんなの全然気にしないよ! 宗くんがわたしのために考えてくれるってだけで嬉しい、幸せ!」
「はは、大げさだなぁ」
「大げさじゃないよ、等倍!」
「等倍?」
「うん、等倍! 嬉しさの表現は正確です」
「はは、そっか。俺も喜んでもらえるように頑張るよ」
「ありがとう!」
そろそろ家が近づいてきた。
あそこの角を曲がればもうすぐそこだ。
角を折れて、宗一郎が口を開く。
「じゃあ、明日10時に迎えに来るよ」
「え、いいよ、駅待ち合わせにしよう。そのほうがいっぱい遊べるよ?」
「そう? じゃあ10時に駅ね」
「うん! 楽しみ!」
「俺も」