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その静寂にたまらなくなって伊織は声を上げた。
「彰さんと、会ってきました……っ」
宗一郎は一瞬だけ小さく目を瞠ると、泣き続ける伊織を優しく抱きしめた。
自分の腕の中にすっぽり収まる伊織。その頭に宗一郎は頬を寄せる。
「うん……。気付いたら伊織ちゃんいないから、仙道のところに行ったんだろうなって思ってた」
「彰さんと、サヨナラ……っ、してきました」
「うん。……つらかった、ね」
宗一郎の手が優しく伊織の頭を撫でる。
伊織の痛みに寄り添うようなその宗一郎の声音に、伊織は胸を震わせた。
「わた、わたし……、彰さんになんにも返せなかった……! 中学のときも、自分の身勝手で彰さんに無理、させて。かわ、交わした約束も、守れなくて。それで彰さんから逃げて、再会しても逃げて、そんなわたしに、もういっかい、仲良くなるチャンスをくれて。仲良く、なってくれて……! あんなに、あんなに愛してくれてたのに、こたえ、られなくて……! 彰さんを……わたし、彰さんを、愛せたらよかったのに……!」
伊織の悲痛な声が体育館に響く。
宗一郎は、伊織を抱きしめる腕の力を強くした。しっかり抱きとめておかないと、伊織がいまにも壊れてしまいそうな気がした。
「うん……」
「こんなに、こんなにたくさんのものをもらって……、なのに何も返せなくて……! どうしてわたし、苦しめることしか……っ!」
「伊織ちゃん」
宗一郎が優しく伊織の名前を呼ぶ。
「伊織ちゃんは、ほんとうに仙道が大好きだったんだね……」
「わ、わたし……、彰さんが、大好きでした……。いつもそばで支えてくれて……降り注ぐ光みたいにあたたかくて優しい彰さんが、本当に大好きでした……っ!」
「うん……」
震える伊織を抱きしめる宗一郎。
泣きじゃくる伊織の頭に、優しくキスを落とす。
「――決着、ついた?」
宗一郎のその問いに、伊織は小さく頷いた。
「はい」
「どう――だった?」
宗一郎の声がわずかに震えていた。
伊織はそれに、ハッと我に返った。
宗一郎だって不安に思っていると言っていたのに、自分がどれだけ無神経な事を言ってしまっていたのか改めて気付いた。
(彰さんを愛せたらよかっただなんて……わたし……!)
伊織は宗一郎の体に手を伸ばした。
華奢な印象と違って、鍛えられてがっちりとしたその逞しい体を強く抱きしめる。
「わたし、宗先輩が好きです! すごく、すごく宗先輩が好き」
「…………」
ぎゅっと伊織を抱きしめる腕の力が強くなった。
それだけで、宗一郎からは何も言葉が発せられない。
「宗先輩……?」
伊織は不安になって宗一郎の名前を呼んだ。
無神経なことを口走って傷つけて、それでも宗一郎のことが好きだなんて言った自分に呆れて、もしかしたら宗一郎に愛想をつかされてしまったのかもしれない。
「――宗先輩」
「彰さんと、会ってきました……っ」
宗一郎は一瞬だけ小さく目を瞠ると、泣き続ける伊織を優しく抱きしめた。
自分の腕の中にすっぽり収まる伊織。その頭に宗一郎は頬を寄せる。
「うん……。気付いたら伊織ちゃんいないから、仙道のところに行ったんだろうなって思ってた」
「彰さんと、サヨナラ……っ、してきました」
「うん。……つらかった、ね」
宗一郎の手が優しく伊織の頭を撫でる。
伊織の痛みに寄り添うようなその宗一郎の声音に、伊織は胸を震わせた。
「わた、わたし……、彰さんになんにも返せなかった……! 中学のときも、自分の身勝手で彰さんに無理、させて。かわ、交わした約束も、守れなくて。それで彰さんから逃げて、再会しても逃げて、そんなわたしに、もういっかい、仲良くなるチャンスをくれて。仲良く、なってくれて……! あんなに、あんなに愛してくれてたのに、こたえ、られなくて……! 彰さんを……わたし、彰さんを、愛せたらよかったのに……!」
伊織の悲痛な声が体育館に響く。
宗一郎は、伊織を抱きしめる腕の力を強くした。しっかり抱きとめておかないと、伊織がいまにも壊れてしまいそうな気がした。
「うん……」
「こんなに、こんなにたくさんのものをもらって……、なのに何も返せなくて……! どうしてわたし、苦しめることしか……っ!」
「伊織ちゃん」
宗一郎が優しく伊織の名前を呼ぶ。
「伊織ちゃんは、ほんとうに仙道が大好きだったんだね……」
「わ、わたし……、彰さんが、大好きでした……。いつもそばで支えてくれて……降り注ぐ光みたいにあたたかくて優しい彰さんが、本当に大好きでした……っ!」
「うん……」
震える伊織を抱きしめる宗一郎。
泣きじゃくる伊織の頭に、優しくキスを落とす。
「――決着、ついた?」
宗一郎のその問いに、伊織は小さく頷いた。
「はい」
「どう――だった?」
宗一郎の声がわずかに震えていた。
伊織はそれに、ハッと我に返った。
宗一郎だって不安に思っていると言っていたのに、自分がどれだけ無神経な事を言ってしまっていたのか改めて気付いた。
(彰さんを愛せたらよかっただなんて……わたし……!)
伊織は宗一郎の体に手を伸ばした。
華奢な印象と違って、鍛えられてがっちりとしたその逞しい体を強く抱きしめる。
「わたし、宗先輩が好きです! すごく、すごく宗先輩が好き」
「…………」
ぎゅっと伊織を抱きしめる腕の力が強くなった。
それだけで、宗一郎からは何も言葉が発せられない。
「宗先輩……?」
伊織は不安になって宗一郎の名前を呼んだ。
無神経なことを口走って傷つけて、それでも宗一郎のことが好きだなんて言った自分に呆れて、もしかしたら宗一郎に愛想をつかされてしまったのかもしれない。
「――宗先輩」