18
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まりあちゃん……。がんばったんだな」
信長の穏やかなその声音に、まりあの涙が勢いを増す。
「ノブくん……っ!」
まりあは信長の胸にすがりついた。
優しく背中を撫でてくれる信長の手はとても温かかった。
そのぬくもりに促されるように、感情があふれでて止まらない。
「す、好きだったの。そ、ちゃんのこと……! 大好き。わたしの今までの人生の全てだったの……!」
「うん……。オレも……」
信長の腕の力が強まる。
「オレも、伊織のことが好きだった……! 大好きで、大切で、あいつが笑顔でいられるためならなんだってするって……っ。だけど気持ちを言えないのはツラくて。気付いて欲しくて。気付かないで欲しくて……っ。一生懸命平気なフリを装ってきたけど、心ん中、ほんとはいつもぐちゃぐちゃだった……!」
「ノブくん……っ」
バタタッとまりあの肩に大粒の雫が降ってきた。
まりあはハッと息を呑んで、胸にしがみついていた腕を信長の背中に回した。
今度は信長がまりあにしがみつくようにきつく抱きしめてくる。
「好きだったんだ、伊織……っ!」
「…………っ」
まりあは信長のその独白を聞きながらさらに瞳から涙を溢れさせた。
どうしてなんだろう。
こんなに好きになったって所詮叶わないのなら、最初から好きになんてなりたくなかった。
どうして定められた相手とだけ恋ができないんだろう。
そうすればこんな風に泣くことなんてないのに。
誰も涙なんて流さずに、みんながしあわせになれるはずなのに。
(だけど、だけどきっとそれじゃあ、ひとはダメだから……っ)
もしも苦しまずにいたのなら、きっと人はこんな風に優しくなれない。
まりあは信長を思った。
信長は伊織への思いを抱えて、人一倍つらい思いをして、だからこそ人の痛みに誰よりも寄り添うことができる。
出会った当初はやんちゃでまだ中学生っぽさが全然抜けてなかった信長が、急に誰よりも大人になったのはきっとそういうこと。
だから。
(わたしも、ノブくんみたいになりたい……っ)
ただ苦しむだけじゃなくて。
この味わった苦しみがあるからこそ、誰かに優しくなれるような。
身を切り裂くようなこの苦しみさえも自分を磨く糧にして。
そうしていつか。
(宗ちゃんが惜しいことしたって感じるくらいイイ女になって、宗ちゃんよりももっともっと素敵で大好きな人を見つけて、いつか、いつかきっとしあわせに……!)
「宗ちゃぁぁん……っ」
まりあが宗一郎の名前を呟くと、信長が励ますようにまりあを抱く腕の力を一瞬強めた。
優しい信長。
あったかい信長。
自分の苦しみを抱えながら、それでも他人を気遣うことができる大きな信長。
まりあは自分でもまだ正体のわからない何かに胸を突き上げられて、信長を強く抱きしめた。
「ノブくん……っ。ノブくんノブくんノブくん……っ!」
「まりあちゃん……っ」
信長がきつく抱きしめ返してくれる。
信長の声が、優しい響きを持って耳元で囁く。
「まりあちゃん。大丈夫、大丈夫だから。まりあちゃんならきっと乗り越えられる。ひとりじゃきつかったら、オレが手伝うから……。オレを頼っていいから。……だから、オレもまりあちゃんを頼らせて……? オレは、情けないけどひとりじゃ乗り越えられそうにない。ずっと吐き出せなかった分、溜まって溜まってすごく苦しいんだ」
信長の穏やかなその声音に、まりあの涙が勢いを増す。
「ノブくん……っ!」
まりあは信長の胸にすがりついた。
優しく背中を撫でてくれる信長の手はとても温かかった。
そのぬくもりに促されるように、感情があふれでて止まらない。
「す、好きだったの。そ、ちゃんのこと……! 大好き。わたしの今までの人生の全てだったの……!」
「うん……。オレも……」
信長の腕の力が強まる。
「オレも、伊織のことが好きだった……! 大好きで、大切で、あいつが笑顔でいられるためならなんだってするって……っ。だけど気持ちを言えないのはツラくて。気付いて欲しくて。気付かないで欲しくて……っ。一生懸命平気なフリを装ってきたけど、心ん中、ほんとはいつもぐちゃぐちゃだった……!」
「ノブくん……っ」
バタタッとまりあの肩に大粒の雫が降ってきた。
まりあはハッと息を呑んで、胸にしがみついていた腕を信長の背中に回した。
今度は信長がまりあにしがみつくようにきつく抱きしめてくる。
「好きだったんだ、伊織……っ!」
「…………っ」
まりあは信長のその独白を聞きながらさらに瞳から涙を溢れさせた。
どうしてなんだろう。
こんなに好きになったって所詮叶わないのなら、最初から好きになんてなりたくなかった。
どうして定められた相手とだけ恋ができないんだろう。
そうすればこんな風に泣くことなんてないのに。
誰も涙なんて流さずに、みんながしあわせになれるはずなのに。
(だけど、だけどきっとそれじゃあ、ひとはダメだから……っ)
もしも苦しまずにいたのなら、きっと人はこんな風に優しくなれない。
まりあは信長を思った。
信長は伊織への思いを抱えて、人一倍つらい思いをして、だからこそ人の痛みに誰よりも寄り添うことができる。
出会った当初はやんちゃでまだ中学生っぽさが全然抜けてなかった信長が、急に誰よりも大人になったのはきっとそういうこと。
だから。
(わたしも、ノブくんみたいになりたい……っ)
ただ苦しむだけじゃなくて。
この味わった苦しみがあるからこそ、誰かに優しくなれるような。
身を切り裂くようなこの苦しみさえも自分を磨く糧にして。
そうしていつか。
(宗ちゃんが惜しいことしたって感じるくらいイイ女になって、宗ちゃんよりももっともっと素敵で大好きな人を見つけて、いつか、いつかきっとしあわせに……!)
「宗ちゃぁぁん……っ」
まりあが宗一郎の名前を呟くと、信長が励ますようにまりあを抱く腕の力を一瞬強めた。
優しい信長。
あったかい信長。
自分の苦しみを抱えながら、それでも他人を気遣うことができる大きな信長。
まりあは自分でもまだ正体のわからない何かに胸を突き上げられて、信長を強く抱きしめた。
「ノブくん……っ。ノブくんノブくんノブくん……っ!」
「まりあちゃん……っ」
信長がきつく抱きしめ返してくれる。
信長の声が、優しい響きを持って耳元で囁く。
「まりあちゃん。大丈夫、大丈夫だから。まりあちゃんならきっと乗り越えられる。ひとりじゃきつかったら、オレが手伝うから……。オレを頼っていいから。……だから、オレもまりあちゃんを頼らせて……? オレは、情けないけどひとりじゃ乗り越えられそうにない。ずっと吐き出せなかった分、溜まって溜まってすごく苦しいんだ」