18
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「伊織、行くのか?」
「うん。ノブ、あとお願いできる?」
「任せろ」
「伊織ちゃん、まりあもフォローするよ」
真っ赤に泣きはらした目でまりあも言ってくる。
伊織はまりあのその目元を撫でると微笑んだ。
「ありがとう、まりあちゃん。……よろしくね?」
「うん。……わたしも、今日、宗ちゃんと話す。伊織ちゃんが戻ってくる頃には、宗ちゃんと決着つけておくから」
「まりあちゃん……」
伊織の瞳に再び涙が滲んだ。
まりあがそれを見て苦笑する。
「ほら、伊織ちゃん。これから仙道さんに会うんでしょ? せっかく伊織ちゃんは目が腫れずに済んでるのに、そんな顔で行ったら泣いてたのがバレちゃうよ?」
「うん、そうだね」
伊織は乱暴に目元をこすった。
元気よく二人に微笑んでみせる。
「じゃあ、行って来るね」
「おう。襲われるのにだけは注意しろよな。危なくなったらすぐ呼べよ?」
「うん。ありがと、ノブ」
「伊織ちゃん、がんばってね」
「うん」
荷物を片付ける海南の面々から見えないように信長とまりあにガードされながら、伊織は仙道を探して控え室をあとにした。
「行ったな」
伊織の背中を見つめながら信長が呟いた。
まりあはその横顔を見つめた。
いつもの元気な信長からは想像できないほど切ない表情をして、伊織を見送っている。
「ノブくん、ツラい?」
「ん? ああ、まあな。でももう慣れたよ。自覚してから今日まで、ずっと抱えてる気持ちだからな」
「そっか……。まりあも、そうなれるのかな」
ぽつりと呟くと、信長の視線が自分に向けられた。
いつもは勝気な信長のその瞳が、心配そうに細められる。
「まりあちゃんも、今日神さんと決着つけるんだよな」
「うん。さっき、そのことを伊織ちゃんと話してたの。……ノブくんは気付いてたみたいだけど」
「まあ……な」
まりあは信長から視線を外して小さく笑った。
そうしないと、また涙がこぼれてしまいそうだった。
控え室の中には海南のバスケ部員がいる。
みんな互いに喜び合ったり帰る準備をしたりと忙しくてこっちなんて見てないけど、それでもそんな中で涙を零すのは絶対に嫌だった。
そんなまりあの気持ちを知ってか知らずか、信長が優しくまりあの頭を撫でてくれる。
「まりあちゃん。オレ、今日まりあちゃんのこと公園で待ってるよ」
「え?」
「神さん、多分今日も一人残ってシュート練習して帰るんだろ? だから、そこで決着つけて来いよ。俺、公園でそれ待ってっから」
「……なんで?」
「オレさ、まりあちゃんぐらいしかいないんだよね。伊織が好きすぎてツライって、想いを言えなくて悲しいって打ち明けて泣ける相手。だからさ、一緒に公園で残念会しようぜ」
にかっと笑って元気よく信長が提案してくるその内容に、まりあは目を瞬かせた。
しかしすぐにその内容と信長の様子のちぐはぐさにおかしさが込み上げてきて、まりあは表情をほころばせる。
「うん。ノブ、あとお願いできる?」
「任せろ」
「伊織ちゃん、まりあもフォローするよ」
真っ赤に泣きはらした目でまりあも言ってくる。
伊織はまりあのその目元を撫でると微笑んだ。
「ありがとう、まりあちゃん。……よろしくね?」
「うん。……わたしも、今日、宗ちゃんと話す。伊織ちゃんが戻ってくる頃には、宗ちゃんと決着つけておくから」
「まりあちゃん……」
伊織の瞳に再び涙が滲んだ。
まりあがそれを見て苦笑する。
「ほら、伊織ちゃん。これから仙道さんに会うんでしょ? せっかく伊織ちゃんは目が腫れずに済んでるのに、そんな顔で行ったら泣いてたのがバレちゃうよ?」
「うん、そうだね」
伊織は乱暴に目元をこすった。
元気よく二人に微笑んでみせる。
「じゃあ、行って来るね」
「おう。襲われるのにだけは注意しろよな。危なくなったらすぐ呼べよ?」
「うん。ありがと、ノブ」
「伊織ちゃん、がんばってね」
「うん」
荷物を片付ける海南の面々から見えないように信長とまりあにガードされながら、伊織は仙道を探して控え室をあとにした。
「行ったな」
伊織の背中を見つめながら信長が呟いた。
まりあはその横顔を見つめた。
いつもの元気な信長からは想像できないほど切ない表情をして、伊織を見送っている。
「ノブくん、ツラい?」
「ん? ああ、まあな。でももう慣れたよ。自覚してから今日まで、ずっと抱えてる気持ちだからな」
「そっか……。まりあも、そうなれるのかな」
ぽつりと呟くと、信長の視線が自分に向けられた。
いつもは勝気な信長のその瞳が、心配そうに細められる。
「まりあちゃんも、今日神さんと決着つけるんだよな」
「うん。さっき、そのことを伊織ちゃんと話してたの。……ノブくんは気付いてたみたいだけど」
「まあ……な」
まりあは信長から視線を外して小さく笑った。
そうしないと、また涙がこぼれてしまいそうだった。
控え室の中には海南のバスケ部員がいる。
みんな互いに喜び合ったり帰る準備をしたりと忙しくてこっちなんて見てないけど、それでもそんな中で涙を零すのは絶対に嫌だった。
そんなまりあの気持ちを知ってか知らずか、信長が優しくまりあの頭を撫でてくれる。
「まりあちゃん。オレ、今日まりあちゃんのこと公園で待ってるよ」
「え?」
「神さん、多分今日も一人残ってシュート練習して帰るんだろ? だから、そこで決着つけて来いよ。俺、公園でそれ待ってっから」
「……なんで?」
「オレさ、まりあちゃんぐらいしかいないんだよね。伊織が好きすぎてツライって、想いを言えなくて悲しいって打ち明けて泣ける相手。だからさ、一緒に公園で残念会しようぜ」
にかっと笑って元気よく信長が提案してくるその内容に、まりあは目を瞬かせた。
しかしすぐにその内容と信長の様子のちぐはぐさにおかしさが込み上げてきて、まりあは表情をほころばせる。