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「どうかな。さっきだって仙道におとなしく抱きしめられてたしね。……俺よりよかった?」
「ち、違います! 宗先輩、ちょっと落ち着いてください……!」
「伊織ちゃんのことが好きで気が狂いそうなのに、あんなとこ見せられたら平静でいられるわけないだろ? 俺だって、好きな子を他の男に触れられて優しいままじゃいられない」
首筋に宗一郎の手が触れる。
その感触に伊織の心臓が激しく波打つ。
「ま、待って、待って宗先輩! 本当に違うんです! あの、彰さん、震えてたから……! 約束を守れないときの苦しみ、わたし知ってるから! それを彰さんに味わって欲しくなくて、だからそれで……!」
「抱きしめられてたの?」
「だから、それは……っ!」
「だいたい、伊織ちゃんてガードゆるすぎなんだよね。今だって俺にカンタンにこんな人気のないところに連れ込まれちゃって。……襲われちゃったらどうするの?」
「そ、宗先輩はそんなことしません」
「もしそれで伊織ちゃんをつなぎとめておけるならわかんないよ」
「そ、宗先輩……!」
伊織は涙の滲む瞳で宗一郎を見上げた。
それをみた宗一郎が、冷静さを取り戻すように静かにふうと息を吐き出す。
「なんて、さすがに冗談だけど」
眉を下げて宗一郎が苦笑した。
まとう空気がいつものそれに戻っていた。
伊織はホッと息をつく。
「ごめんね、伊織ちゃん。本当はわかってるんだ」
「え……?」
宗一郎が痛みを堪えるように微笑する。
「実は、俺もこの前まりあを抱きしめた」
「――え!?」
伊織は驚いて言葉を失った。
体から一気に血の気が引いていく。
伊織は震える唇をなんとか押し開く。
「え、と……あの、なんで……?」
「まりあが泣いて、しょうがなくて。そうしてやる以外、他に方法が思いつかなかった」
「あ、そ、そうですか」
ずきんと心臓が割れたように痛んだ。
拍動にあわせてずきずきとした痛みが全身に広がっていく。
まりあが泣いていたことも心配だけれど、それと同じくらい宗一郎の腕のなかにまりあがいたことが嫌だった。
なんて身勝手な自分。自分だって仙道の腕の中にいたくせに。
「うん。だから、本当はわかってるんだ。伊織ちゃんが仙道に抱きしめられるのも、つまりはそういうことなんだろうってこと。……だけど、感情ってうまく整理できないね」
宗一郎が伊織の頭を優しく撫でる。
困ったような宗一郎の優しい微笑みに、伊織の胸の痛みが静かに和らいでいく。
「本当は仙道に、伊織ちゃんは俺のだから手を出すなって言ってやりたかったな」
「そ、宗先輩!」
「はは、恥ずかしい?」
真っ赤に染まった伊織の顔に手を添えて宗一郎が言う。
「でもこれが俺の本音。俺、多分伊織ちゃんが思ってるほど優しくも大人でもないよ。俺もただの男だから、伊織ちゃんに他のヤツが触れるなんて我慢できない」
「宗先輩……」
「早く、俺だけのものになればいいのに……」
宗一郎は囁くようにそう言うと、伊織に手を伸ばした。
優しく自分を抱きしめる宗一郎のぬくもりに、伊織は胸から迫ってくる愛しい思いを堪えるように瞳を閉じる。
「もうちょっとだけ、待っててください」
「ち、違います! 宗先輩、ちょっと落ち着いてください……!」
「伊織ちゃんのことが好きで気が狂いそうなのに、あんなとこ見せられたら平静でいられるわけないだろ? 俺だって、好きな子を他の男に触れられて優しいままじゃいられない」
首筋に宗一郎の手が触れる。
その感触に伊織の心臓が激しく波打つ。
「ま、待って、待って宗先輩! 本当に違うんです! あの、彰さん、震えてたから……! 約束を守れないときの苦しみ、わたし知ってるから! それを彰さんに味わって欲しくなくて、だからそれで……!」
「抱きしめられてたの?」
「だから、それは……っ!」
「だいたい、伊織ちゃんてガードゆるすぎなんだよね。今だって俺にカンタンにこんな人気のないところに連れ込まれちゃって。……襲われちゃったらどうするの?」
「そ、宗先輩はそんなことしません」
「もしそれで伊織ちゃんをつなぎとめておけるならわかんないよ」
「そ、宗先輩……!」
伊織は涙の滲む瞳で宗一郎を見上げた。
それをみた宗一郎が、冷静さを取り戻すように静かにふうと息を吐き出す。
「なんて、さすがに冗談だけど」
眉を下げて宗一郎が苦笑した。
まとう空気がいつものそれに戻っていた。
伊織はホッと息をつく。
「ごめんね、伊織ちゃん。本当はわかってるんだ」
「え……?」
宗一郎が痛みを堪えるように微笑する。
「実は、俺もこの前まりあを抱きしめた」
「――え!?」
伊織は驚いて言葉を失った。
体から一気に血の気が引いていく。
伊織は震える唇をなんとか押し開く。
「え、と……あの、なんで……?」
「まりあが泣いて、しょうがなくて。そうしてやる以外、他に方法が思いつかなかった」
「あ、そ、そうですか」
ずきんと心臓が割れたように痛んだ。
拍動にあわせてずきずきとした痛みが全身に広がっていく。
まりあが泣いていたことも心配だけれど、それと同じくらい宗一郎の腕のなかにまりあがいたことが嫌だった。
なんて身勝手な自分。自分だって仙道の腕の中にいたくせに。
「うん。だから、本当はわかってるんだ。伊織ちゃんが仙道に抱きしめられるのも、つまりはそういうことなんだろうってこと。……だけど、感情ってうまく整理できないね」
宗一郎が伊織の頭を優しく撫でる。
困ったような宗一郎の優しい微笑みに、伊織の胸の痛みが静かに和らいでいく。
「本当は仙道に、伊織ちゃんは俺のだから手を出すなって言ってやりたかったな」
「そ、宗先輩!」
「はは、恥ずかしい?」
真っ赤に染まった伊織の顔に手を添えて宗一郎が言う。
「でもこれが俺の本音。俺、多分伊織ちゃんが思ってるほど優しくも大人でもないよ。俺もただの男だから、伊織ちゃんに他のヤツが触れるなんて我慢できない」
「宗先輩……」
「早く、俺だけのものになればいいのに……」
宗一郎は囁くようにそう言うと、伊織に手を伸ばした。
優しく自分を抱きしめる宗一郎のぬくもりに、伊織は胸から迫ってくる愛しい思いを堪えるように瞳を閉じる。
「もうちょっとだけ、待っててください」