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夢小説設定
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(ど、どうしよう……)
伊織が困り果てたそのとき、急に体を強い力で後ろに引かれた。
驚いて振り返ると、いつの間にそこにいたのか宗一郎が表情を鋭くさせて仙道を睨んでいた。
伊織を自身のそばに引き寄せて、宗一郎は険のある声で言う。
「なにやってるの、仙道」
「――よお、神。伊織ちゃんにパワー充電させてもらってたの。……まだ足りないから返して?」
「渡すわけないだろ」
「へえ。お前にそんなこと言う資格あるの?」
「それを言うなら、お前こそ伊織ちゃんにそんな風に触れる資格があるの?」
「…………」
「…………」
目の前で急に始まった睨み合いに、伊織は大慌てで間に入る。
「あ、あの! 二人とも落ち着いてください! ほら、宗先輩、いま彰さん試合前だから……っ、きゃっ!?」
「行こう、伊織ちゃん」
宗一郎に腕を掴まれて、伊織はそのまま強引に引っ張って行かれた。
「わ、ちょっ、宗先輩!?」
「あ、伊織ちゃん!」
驚いたような仙道の声に、伊織は足をもつれさせながら振り返る。
「あ、彰さんごめんなさい! し、試合頑張ってくださいね!」
それだけ言うと、伊織は視線を宗一郎に戻した。
伊織の数歩前を歩くその背中から無言の威圧感が発せられている。
(お、怒ってる……?)
思って伊織が戸惑ったとき、宗一郎が突然脇道に逸れた。
自動販売機の立ち並ぶ廊下、さらにその奥。人気のない狭い関係者専用通路に連れて行かれる。
「あの、宗、先輩?」
不審に思って伊織が声をかけると、宗一郎は足を止めて振り返った。
ダンと大きな音を立てて壁に両手をつき、伊織をその手の間に閉じ込める。
突然の急接近に伊織の心臓が飛び跳ねた。
宗一郎のきつく絞られた眼差しに射すくめられる。
「あ、あの……」
「伊織ちゃん。どういうつもり?」
「え?」
低く抑えられた声音に、伊織の肩がびくりと跳ねる。
普段穏やかな宗一郎からは想像もつかない、その声音。
怒ってる。
「そ、宗先輩……あの……」
「言い訳はきかないよ」
宗一郎の顔がぐっと伊織に迫る。
「俺を嫉妬させて楽しんでるの?」
「やっ、違います! あの、彰さんとの約束の日が今日だから」
「うん」
「だから、応援したくて」
「応援? なんで?」
宗一郎を包み込む雰囲気が静かに燃える怒りのそれから冷たいものに変わる。
宗一郎の冷たくて大きな手が伊織の耳に触れる。
宗一郎は噛み付くようにそこに口許を寄せると、そっと囁く。
「伊織ちゃんは仙道に勝って欲しいの? 俺より、仙道の方が好きになった? 心変わりしたの?」
「やっ、違います!」
伊織が困り果てたそのとき、急に体を強い力で後ろに引かれた。
驚いて振り返ると、いつの間にそこにいたのか宗一郎が表情を鋭くさせて仙道を睨んでいた。
伊織を自身のそばに引き寄せて、宗一郎は険のある声で言う。
「なにやってるの、仙道」
「――よお、神。伊織ちゃんにパワー充電させてもらってたの。……まだ足りないから返して?」
「渡すわけないだろ」
「へえ。お前にそんなこと言う資格あるの?」
「それを言うなら、お前こそ伊織ちゃんにそんな風に触れる資格があるの?」
「…………」
「…………」
目の前で急に始まった睨み合いに、伊織は大慌てで間に入る。
「あ、あの! 二人とも落ち着いてください! ほら、宗先輩、いま彰さん試合前だから……っ、きゃっ!?」
「行こう、伊織ちゃん」
宗一郎に腕を掴まれて、伊織はそのまま強引に引っ張って行かれた。
「わ、ちょっ、宗先輩!?」
「あ、伊織ちゃん!」
驚いたような仙道の声に、伊織は足をもつれさせながら振り返る。
「あ、彰さんごめんなさい! し、試合頑張ってくださいね!」
それだけ言うと、伊織は視線を宗一郎に戻した。
伊織の数歩前を歩くその背中から無言の威圧感が発せられている。
(お、怒ってる……?)
思って伊織が戸惑ったとき、宗一郎が突然脇道に逸れた。
自動販売機の立ち並ぶ廊下、さらにその奥。人気のない狭い関係者専用通路に連れて行かれる。
「あの、宗、先輩?」
不審に思って伊織が声をかけると、宗一郎は足を止めて振り返った。
ダンと大きな音を立てて壁に両手をつき、伊織をその手の間に閉じ込める。
突然の急接近に伊織の心臓が飛び跳ねた。
宗一郎のきつく絞られた眼差しに射すくめられる。
「あ、あの……」
「伊織ちゃん。どういうつもり?」
「え?」
低く抑えられた声音に、伊織の肩がびくりと跳ねる。
普段穏やかな宗一郎からは想像もつかない、その声音。
怒ってる。
「そ、宗先輩……あの……」
「言い訳はきかないよ」
宗一郎の顔がぐっと伊織に迫る。
「俺を嫉妬させて楽しんでるの?」
「やっ、違います! あの、彰さんとの約束の日が今日だから」
「うん」
「だから、応援したくて」
「応援? なんで?」
宗一郎を包み込む雰囲気が静かに燃える怒りのそれから冷たいものに変わる。
宗一郎の冷たくて大きな手が伊織の耳に触れる。
宗一郎は噛み付くようにそこに口許を寄せると、そっと囁く。
「伊織ちゃんは仙道に勝って欲しいの? 俺より、仙道の方が好きになった? 心変わりしたの?」
「やっ、違います!」