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「監督にまで……。まいったな」
「だが。……もう大丈夫そうだな、仙道」
「はい」
魚住のその言葉に仙道がいつもの調子で笑む。
「任せてくださいよ」
「それは安心した」
言って魚住は仙道の頭をぐりぐり撫でた。
その慣れない感触に、仙道が肌を粟立たせる。
「うわっ、やめてくださいよ魚住さん!」
「ははは!」
「にしても、あの子いいこと教えてくれたよな。そうか、仙道は地味な嫌がらせに弱いのか」
「げえ!」
越野のその言葉に仙道が目を剥いた。
「ちょっと、こっしー! まさか実践しようとか思ってるんじゃ……」
「誰がこっしーだ!」
言って越野は仙道の頭を思いっきり殴りつけた。
いってーと頭を押さえる仙道を横目で見ながら、鼻息も荒く言葉を続ける。
「当然だろ! 今日から有効活用だ」
「ええ~! そりゃないよ、ちょっと待ってよ越野!」
「ポカリにレモン汁はいますぐにでもはじめられそうだぞ」
「魚住さんまで!」
「かっちかちのパンは、うち給食じゃないから難しいですね」
「だな。他に代用できるものは……」
「ウソォ……!?」
早速作戦会議を始める越野と魚住に、仙道はがっくりと肩を落とした。
「仙道」
ふいに池上に名前を呼ばれ、仙道は顔をあげる。
「あ、はい」
「これ、大事なものなんじゃないのか?」
池上が差し出してきたそれは、先ほど仙道が投げつけた伊織のお守りだった。
「あっ、それ」
「ほらよ」
ニヒルに口角を持ち上げながら池上が仙道の手の上にそれを落とす。
「痴情のもつれだかなんだか知らないが、たとえ愛してもらえてなくてもあそこまでお前のこと一生懸命に考えてくれるやつはそうはいないんじゃないか。貴重な存在だと俺は思うがな」
「池上さん……。そう、ですね。わかってはいるんですけどね。感情に折り合いをつけるのが難しくて……」
「はは、恋愛ばっかりはな。……でもさすがだな。容姿だけではあの仙道彰をとりこにした女と言われてもぴんとこなかったが、これは頷けるな。いい女だ」
「ちょっと、池上さん! 伊織ちゃんに手ぇ出さないでくださいよ!? 伊織ちゃんは神のなんだから!」
「はは! お前じゃなくか?」
「だからいまそれに折り合いをつけるのに必死なんですってば!」
「なるほど、大変だな。――さ、そろそろこの話はおしまいにして、作戦会議でも始めるか。負けられない試合なんだろ?」
「はい」
その言葉に、ごにょごにょと対仙道彰地味嫌がらせ作戦の会議をしていた魚住と越野も顔をあげた。
ホワイトボードのまわりに集まりながら、田岡の登場を待つ。
仙道はその中に混じりながら、ひとり伊織のくれたお守りを見つめた。
伊織のおかげで、それまでごちゃごちゃだった頭が一気にクリアになった。
(そうだ。余計なことは考えずに、今は目の前の試合にだけ集中すればいい)
「だが。……もう大丈夫そうだな、仙道」
「はい」
魚住のその言葉に仙道がいつもの調子で笑む。
「任せてくださいよ」
「それは安心した」
言って魚住は仙道の頭をぐりぐり撫でた。
その慣れない感触に、仙道が肌を粟立たせる。
「うわっ、やめてくださいよ魚住さん!」
「ははは!」
「にしても、あの子いいこと教えてくれたよな。そうか、仙道は地味な嫌がらせに弱いのか」
「げえ!」
越野のその言葉に仙道が目を剥いた。
「ちょっと、こっしー! まさか実践しようとか思ってるんじゃ……」
「誰がこっしーだ!」
言って越野は仙道の頭を思いっきり殴りつけた。
いってーと頭を押さえる仙道を横目で見ながら、鼻息も荒く言葉を続ける。
「当然だろ! 今日から有効活用だ」
「ええ~! そりゃないよ、ちょっと待ってよ越野!」
「ポカリにレモン汁はいますぐにでもはじめられそうだぞ」
「魚住さんまで!」
「かっちかちのパンは、うち給食じゃないから難しいですね」
「だな。他に代用できるものは……」
「ウソォ……!?」
早速作戦会議を始める越野と魚住に、仙道はがっくりと肩を落とした。
「仙道」
ふいに池上に名前を呼ばれ、仙道は顔をあげる。
「あ、はい」
「これ、大事なものなんじゃないのか?」
池上が差し出してきたそれは、先ほど仙道が投げつけた伊織のお守りだった。
「あっ、それ」
「ほらよ」
ニヒルに口角を持ち上げながら池上が仙道の手の上にそれを落とす。
「痴情のもつれだかなんだか知らないが、たとえ愛してもらえてなくてもあそこまでお前のこと一生懸命に考えてくれるやつはそうはいないんじゃないか。貴重な存在だと俺は思うがな」
「池上さん……。そう、ですね。わかってはいるんですけどね。感情に折り合いをつけるのが難しくて……」
「はは、恋愛ばっかりはな。……でもさすがだな。容姿だけではあの仙道彰をとりこにした女と言われてもぴんとこなかったが、これは頷けるな。いい女だ」
「ちょっと、池上さん! 伊織ちゃんに手ぇ出さないでくださいよ!? 伊織ちゃんは神のなんだから!」
「はは! お前じゃなくか?」
「だからいまそれに折り合いをつけるのに必死なんですってば!」
「なるほど、大変だな。――さ、そろそろこの話はおしまいにして、作戦会議でも始めるか。負けられない試合なんだろ?」
「はい」
その言葉に、ごにょごにょと対仙道彰地味嫌がらせ作戦の会議をしていた魚住と越野も顔をあげた。
ホワイトボードのまわりに集まりながら、田岡の登場を待つ。
仙道はその中に混じりながら、ひとり伊織のくれたお守りを見つめた。
伊織のおかげで、それまでごちゃごちゃだった頭が一気にクリアになった。
(そうだ。余計なことは考えずに、今は目の前の試合にだけ集中すればいい)