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「お願い、伊織ちゃん! わたしと一緒にバスケ部のマネージャーになって!!」
パンッと顔の前に両手を合わせて懇願する雪原まりあを、伊織は困惑気味に見つめた。
目の前の少女・雪原まりあは、伊織が入学して初めてできた友達で、ふわふわの長い髪の毛に、猫のような大きくて黒目がちな瞳をした、とてもかわいらしい容姿をしていた。
声も、まるで鈴の音のように凛と澄んでいて、入学して二週間で早くも海南一かわいいとの呼び声も高い。
部活自体入部するかどうか決めかねていた伊織は、まりあのこの誘いにどうしようかと思考をめぐらせる。
(ああ。でもバスケ部だったら、もしかしたらあの人に会えるかも)
伊織は、入学式の日に会った、男の人を思い浮かべた。
(たしか……。神先輩――だっけ)
バスケ部の部室から出てきたような気がする。
ほんとはあの日以来忘れたことなんかないのに、わざと思い出す真似なんかしてみる。
少し乙女な気持ちに浸っていると、別の声が割り込んできた。
同じクラスで気の合う男友達、清田信長だ。
「え! まりあちゃん、うちのマネージャーやってくれんの!? っかー! おれ、部活がんばっちゃうぜ!」
憧れのまりあの入部宣言に、信長は諸手をあげて大喜びしている。
「あれ。そっか。ノブって、スポーツ推薦なんだっけ?」
「おうよ! バスケ部推薦入学だぜ! この俺がいれば、全国制覇間違いなしだぜ! かーっかっかっかっか!」
「きゃあ、ノブくん頼もしい!」
信長の腕にくるっと巻きついて歓声を上げるまりあに、信長は顔を赤くしながらさらに笑い声を高くした。
伊織はそれを苦笑しながら見つめると、ぽつりとつぶやいた。
「じゃあ、わたしも男子バスケ部でマネージャーやろっかな」
「ほんと!?」
「ほんとか!?」
「うん。でもわたし、ルール詳しくわかんないよ? 弟たちがバスケやってるからおおまかにならわかるけど、細かいところはぜんぜん。そんな素人が、強豪バスケ部のマネージャーなんて務まるのかな……」
「だあいじょうぶだよ、伊織ちゃん。まりあが教えてあげる」
不安そうにこぼす伊織に、まりあがまっかせてと胸を張る。
「ほんとう? ありがとう、まりあちゃん」
「伊織ちゃんをバスケ部に引き込むんだもん。それくらいやらなくっちゃね」
まりあはそう言って、本当にうれしそうににこにこ微笑む。
その様子がとてもかわいくて、思わず伊織の頬が赤くなる。
横を見ると、信長の顔も伊織に負けないくらい赤い。
「女のくせになに赤くなってんだよ、伊織」
「うるさいな。ノブこそ顔真っ赤だよ」
「う、うるせえな! これはだな!」
焦ったように言い返す信長に、まりあがころころと笑い出す。
「ふふふ。二人はほんとうに仲良しね。なんだかお似合い」
「「冗談やめて(ろ)」」
同時に抗議した二人に、まりはさらにおもしろそうに笑い声を上げた。
パンッと顔の前に両手を合わせて懇願する雪原まりあを、伊織は困惑気味に見つめた。
目の前の少女・雪原まりあは、伊織が入学して初めてできた友達で、ふわふわの長い髪の毛に、猫のような大きくて黒目がちな瞳をした、とてもかわいらしい容姿をしていた。
声も、まるで鈴の音のように凛と澄んでいて、入学して二週間で早くも海南一かわいいとの呼び声も高い。
部活自体入部するかどうか決めかねていた伊織は、まりあのこの誘いにどうしようかと思考をめぐらせる。
(ああ。でもバスケ部だったら、もしかしたらあの人に会えるかも)
伊織は、入学式の日に会った、男の人を思い浮かべた。
(たしか……。神先輩――だっけ)
バスケ部の部室から出てきたような気がする。
ほんとはあの日以来忘れたことなんかないのに、わざと思い出す真似なんかしてみる。
少し乙女な気持ちに浸っていると、別の声が割り込んできた。
同じクラスで気の合う男友達、清田信長だ。
「え! まりあちゃん、うちのマネージャーやってくれんの!? っかー! おれ、部活がんばっちゃうぜ!」
憧れのまりあの入部宣言に、信長は諸手をあげて大喜びしている。
「あれ。そっか。ノブって、スポーツ推薦なんだっけ?」
「おうよ! バスケ部推薦入学だぜ! この俺がいれば、全国制覇間違いなしだぜ! かーっかっかっかっか!」
「きゃあ、ノブくん頼もしい!」
信長の腕にくるっと巻きついて歓声を上げるまりあに、信長は顔を赤くしながらさらに笑い声を高くした。
伊織はそれを苦笑しながら見つめると、ぽつりとつぶやいた。
「じゃあ、わたしも男子バスケ部でマネージャーやろっかな」
「ほんと!?」
「ほんとか!?」
「うん。でもわたし、ルール詳しくわかんないよ? 弟たちがバスケやってるからおおまかにならわかるけど、細かいところはぜんぜん。そんな素人が、強豪バスケ部のマネージャーなんて務まるのかな……」
「だあいじょうぶだよ、伊織ちゃん。まりあが教えてあげる」
不安そうにこぼす伊織に、まりあがまっかせてと胸を張る。
「ほんとう? ありがとう、まりあちゃん」
「伊織ちゃんをバスケ部に引き込むんだもん。それくらいやらなくっちゃね」
まりあはそう言って、本当にうれしそうににこにこ微笑む。
その様子がとてもかわいくて、思わず伊織の頬が赤くなる。
横を見ると、信長の顔も伊織に負けないくらい赤い。
「女のくせになに赤くなってんだよ、伊織」
「うるさいな。ノブこそ顔真っ赤だよ」
「う、うるせえな! これはだな!」
焦ったように言い返す信長に、まりあがころころと笑い出す。
「ふふふ。二人はほんとうに仲良しね。なんだかお似合い」
「「冗談やめて(ろ)」」
同時に抗議した二人に、まりはさらにおもしろそうに笑い声を上げた。