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「よっしゃあ、もういっちょう!」
「おおう!」
陵南高校体育館。
男子バスケ部の練習しているここは、地区大会直前ということもありかなりの活気と気迫に溢れていた。
「彦一、どうだ? 今のところの経過は」
監督・田岡がちらりと横目で彦一を見やった。
彦一は手元の要チェックマル秘ノートに目を落とす。
「みなさん、かなり調子がええんやないかと思います。中でも仙道さんの気迫はすごいです! あんな仙道さん、見たことない!」
「……たしかに最近の仙道はすごいが……」
田岡が眉根を寄せて言葉を濁らせた。
彦一がそれにすかさず反応する。
「なんです、監督? なんか問題でもあるんですか?」
「いや……。うちのチームは仙道への信頼が大きなひとつの柱となって機能してることは間違いない。だからこの状態が完全にダメかと言われればそういうわけでもないんだが……」
「? どういうことです監督? わかりやすく言うてくださいよ~」
「いや、なんでもない。問題になるようだったら直接注意してきかせればいいだろう。あいつはムラッ気の多いやつだからな。これでやる気が失われては本末転倒だ」
「?」
ひとり難しい顔でぶつぶつ言う田岡に、彦一は不思議そうな顔で首をかしげた。
「仙道、最近どうしたんだよ」
休憩中、ポカリを呷るように流し込んでいた仙道は、越野の呼びかけに振り返った。
にこりと笑顔を向ける。
「どうしたって?」
「とぼけるなよ。お前最近は朝練だって遅刻しないし毎日マジメに部活出てくるし、なんかおかしいぞ?」
「……その言葉、いつもマジメに部活やれやれうるさい越野くんから出た言葉とは思えないんだけど」
「茶化すなよ! お前、俺の言ってる意味自分が一番わかってるんだろ!?」
「さあ、どうかな」
「仙道!」
越野は仙道に一歩近寄った。
ぐっと顔を近づけて、周りに聞こえないように声を落として言う。
「お前、なにか悩みでもあるのか? 海南の例のあの子となんかあったのかよ」
「!」
一瞬仙道の目が小さく見開かれた。
が、すぐに平静を取り戻して仙道は表情を取り繕う。
「なにが? なんにもないよ」
「……仙道。それで誤魔化せてるとでも本当に思ってるのか?」
「誤魔化すもなにもなんにもないってば、越野」
「お前、今自分がどんな顔してんのかわかってんのかよ」
「うるさいなあ。越野には関係ないだろ?」
「……お前っ!」
越野が仙道の胸倉を掴んだ。
何かを言いかけた越野の唇が躊躇するように数回わななく。
「……くそっ」
吐き出すようにそれだけ言うと、越野は仙道の胸倉を掴む手を乱暴に放した。
「もういいよ。無理に聞き出そうとして悪かったな。……だけど、あんま一人で抱え込むなよ、バカ仙道!」
「おおう!」
陵南高校体育館。
男子バスケ部の練習しているここは、地区大会直前ということもありかなりの活気と気迫に溢れていた。
「彦一、どうだ? 今のところの経過は」
監督・田岡がちらりと横目で彦一を見やった。
彦一は手元の要チェックマル秘ノートに目を落とす。
「みなさん、かなり調子がええんやないかと思います。中でも仙道さんの気迫はすごいです! あんな仙道さん、見たことない!」
「……たしかに最近の仙道はすごいが……」
田岡が眉根を寄せて言葉を濁らせた。
彦一がそれにすかさず反応する。
「なんです、監督? なんか問題でもあるんですか?」
「いや……。うちのチームは仙道への信頼が大きなひとつの柱となって機能してることは間違いない。だからこの状態が完全にダメかと言われればそういうわけでもないんだが……」
「? どういうことです監督? わかりやすく言うてくださいよ~」
「いや、なんでもない。問題になるようだったら直接注意してきかせればいいだろう。あいつはムラッ気の多いやつだからな。これでやる気が失われては本末転倒だ」
「?」
ひとり難しい顔でぶつぶつ言う田岡に、彦一は不思議そうな顔で首をかしげた。
「仙道、最近どうしたんだよ」
休憩中、ポカリを呷るように流し込んでいた仙道は、越野の呼びかけに振り返った。
にこりと笑顔を向ける。
「どうしたって?」
「とぼけるなよ。お前最近は朝練だって遅刻しないし毎日マジメに部活出てくるし、なんかおかしいぞ?」
「……その言葉、いつもマジメに部活やれやれうるさい越野くんから出た言葉とは思えないんだけど」
「茶化すなよ! お前、俺の言ってる意味自分が一番わかってるんだろ!?」
「さあ、どうかな」
「仙道!」
越野は仙道に一歩近寄った。
ぐっと顔を近づけて、周りに聞こえないように声を落として言う。
「お前、なにか悩みでもあるのか? 海南の例のあの子となんかあったのかよ」
「!」
一瞬仙道の目が小さく見開かれた。
が、すぐに平静を取り戻して仙道は表情を取り繕う。
「なにが? なんにもないよ」
「……仙道。それで誤魔化せてるとでも本当に思ってるのか?」
「誤魔化すもなにもなんにもないってば、越野」
「お前、今自分がどんな顔してんのかわかってんのかよ」
「うるさいなあ。越野には関係ないだろ?」
「……お前っ!」
越野が仙道の胸倉を掴んだ。
何かを言いかけた越野の唇が躊躇するように数回わななく。
「……くそっ」
吐き出すようにそれだけ言うと、越野は仙道の胸倉を掴む手を乱暴に放した。
「もういいよ。無理に聞き出そうとして悪かったな。……だけど、あんま一人で抱え込むなよ、バカ仙道!」