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心臓がどきどきいって、胸がぎゅうって痛くなって、頭の芯がジンと痺れたようになって、なんだかおかしくなってしまいそうだった。
宗一郎の唇が、すでに赤い華が咲いているそこに触れた。
そのやわらかな感触に、伊織の背中を痺れるような感覚が走り抜ける。
宗一郎は唇を離すと、真っ赤な顔で見上げる伊織にどこか悪戯っぽく微笑んだ。
「消毒」
「あ、ありがとうございます……」
自分の答えがちんぷんかんぷんなのはわかってたけど、他になにも考えられなくて伊織はとりあえずそう言った。
頬もおでこも首も燃えるように熱い。
そんな伊織の頬に、宗一郎の大きな手が添えられる。
「伊織ちゃん、目つぶって」
「あ、いや、宗先輩、あの……」
「俺は目開けたまんまでもいいけど、どうする?」
「! するしないじゃなくて、選択肢はその二つですか!?」
「はは、うん、そう。目をつぶるかつぶらないか。どっち?」
「や、わたし、キス……初めてで! まだ……」
「そうなの? それならそっちのほうがいいな。もう仙道に先を越されたくない」
「!」
「伊織ちゃん、目つぶって……」
「…………っ」
伊織は観念したように目を閉じた。
心臓が今までに経験したことがないくらい暴れまわっている。
体中が熱い。
自分のものじゃないみたいだ。
「好きだよ、伊織」
ふいに名前を呼び捨てで呼ばれ、体を電流が走った。
吐息が唇に触れたと思ったら、すぐに柔らかい感触がソレを塞いだ。
「んっ」
ぴくりと反応する体。
その甘い感触に、脳が麻痺して何も考えられなくなる。
そっと名残を惜しむように離れていく唇。
実際には一瞬だったのだろうけれど、伊織にはとても長い時間触れ合っていたように感じられた。
恥ずかしくて死んでしまいたいくらいだけど、伊織は勇気を出して目を開ける。
その先では、宗一郎が幸せそうに穏やかな表情を浮かべて微笑んでいた。
伊織も同じ表情を浮かべて微笑み返す。
「これで、2ヶ月はおあずけだね」
「……たしかにそうですけど、その言い方なんかちょっといやです」
「そう? 俺、2ヶ月も我慢できるかな」
「! してください!」
「はは、冗談だよ」
宗一郎の唇が再び頬に触れる。
伊織は驚いて宗一郎を振り向いた。
「好きだよ、伊織ちゃん」
「わ、わたしも好きです」
伊織は顔を赤くして答えた。
「そうだ、宗先輩。ひとつだけ聞いてもいいですか?」
「うん。なに?」
「宗先輩も、その、は、はじめて、ですか?」
「キス?」
「は、はい……」
「俺はあるよ」
「!」
伊織の胸がずきりと音を立てた。
必死で浮かべようとした笑顔が引きつる。
瞳が勝手に涙を浮かべてしまう。
「そ、そうですか……」
宗一郎くらいかっこよくてモテてたら当たり前だ。
伊織は思って顔を伏せる。
「なんて、ウソだよ」
と、どこかおどけたような響きで信じられない言葉が聞こえた。
弾かれたように顔をあげた拍子に、伊織の瞳から涙が一滴零れ落ちる。
それを見て宗一郎が息を呑んだ。
「わ、伊織ちゃんごめん。泣かないで」
「ウソってほんとですか?」
「本当だよ」
「ホントにホント?」
「ホントにホント。だいいち俺、今まで女の子と付き合ったことないから」
「うそぉ!?」
「ほんとう」
宗一郎が再び伊織の頬に口付けた。
悪戯っぽくにこりと笑う。
「だから、安心して。伊織ちゃん」
「はい」
「2ヶ月間、がんばろうね」
「……はい!」
その日、宗一郎と伊織は夜空を見上げながら仲良く帰宅した。
まだまだ乗り越えなきゃいけないことはいっぱいあるけど、夜空では月が見守るように輝いて、星が勇気付けるように瞬いていた。
乗り越えていける気がした。
To be continued…
宗一郎の唇が、すでに赤い華が咲いているそこに触れた。
そのやわらかな感触に、伊織の背中を痺れるような感覚が走り抜ける。
宗一郎は唇を離すと、真っ赤な顔で見上げる伊織にどこか悪戯っぽく微笑んだ。
「消毒」
「あ、ありがとうございます……」
自分の答えがちんぷんかんぷんなのはわかってたけど、他になにも考えられなくて伊織はとりあえずそう言った。
頬もおでこも首も燃えるように熱い。
そんな伊織の頬に、宗一郎の大きな手が添えられる。
「伊織ちゃん、目つぶって」
「あ、いや、宗先輩、あの……」
「俺は目開けたまんまでもいいけど、どうする?」
「! するしないじゃなくて、選択肢はその二つですか!?」
「はは、うん、そう。目をつぶるかつぶらないか。どっち?」
「や、わたし、キス……初めてで! まだ……」
「そうなの? それならそっちのほうがいいな。もう仙道に先を越されたくない」
「!」
「伊織ちゃん、目つぶって……」
「…………っ」
伊織は観念したように目を閉じた。
心臓が今までに経験したことがないくらい暴れまわっている。
体中が熱い。
自分のものじゃないみたいだ。
「好きだよ、伊織」
ふいに名前を呼び捨てで呼ばれ、体を電流が走った。
吐息が唇に触れたと思ったら、すぐに柔らかい感触がソレを塞いだ。
「んっ」
ぴくりと反応する体。
その甘い感触に、脳が麻痺して何も考えられなくなる。
そっと名残を惜しむように離れていく唇。
実際には一瞬だったのだろうけれど、伊織にはとても長い時間触れ合っていたように感じられた。
恥ずかしくて死んでしまいたいくらいだけど、伊織は勇気を出して目を開ける。
その先では、宗一郎が幸せそうに穏やかな表情を浮かべて微笑んでいた。
伊織も同じ表情を浮かべて微笑み返す。
「これで、2ヶ月はおあずけだね」
「……たしかにそうですけど、その言い方なんかちょっといやです」
「そう? 俺、2ヶ月も我慢できるかな」
「! してください!」
「はは、冗談だよ」
宗一郎の唇が再び頬に触れる。
伊織は驚いて宗一郎を振り向いた。
「好きだよ、伊織ちゃん」
「わ、わたしも好きです」
伊織は顔を赤くして答えた。
「そうだ、宗先輩。ひとつだけ聞いてもいいですか?」
「うん。なに?」
「宗先輩も、その、は、はじめて、ですか?」
「キス?」
「は、はい……」
「俺はあるよ」
「!」
伊織の胸がずきりと音を立てた。
必死で浮かべようとした笑顔が引きつる。
瞳が勝手に涙を浮かべてしまう。
「そ、そうですか……」
宗一郎くらいかっこよくてモテてたら当たり前だ。
伊織は思って顔を伏せる。
「なんて、ウソだよ」
と、どこかおどけたような響きで信じられない言葉が聞こえた。
弾かれたように顔をあげた拍子に、伊織の瞳から涙が一滴零れ落ちる。
それを見て宗一郎が息を呑んだ。
「わ、伊織ちゃんごめん。泣かないで」
「ウソってほんとですか?」
「本当だよ」
「ホントにホント?」
「ホントにホント。だいいち俺、今まで女の子と付き合ったことないから」
「うそぉ!?」
「ほんとう」
宗一郎が再び伊織の頬に口付けた。
悪戯っぽくにこりと笑う。
「だから、安心して。伊織ちゃん」
「はい」
「2ヶ月間、がんばろうね」
「……はい!」
その日、宗一郎と伊織は夜空を見上げながら仲良く帰宅した。
まだまだ乗り越えなきゃいけないことはいっぱいあるけど、夜空では月が見守るように輝いて、星が勇気付けるように瞬いていた。
乗り越えていける気がした。
To be continued…