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夢小説設定
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「伊織ちゃん。俺のことどう思ってるのかもう一回聞かせて?」
宗一郎が、見たこともないような優しい顔で微笑む。
伊織の胸がトクンと高鳴った。
「す、好き……です」
「もういっかい」
「好きです」
「……はは。なんだか夢見たいだ」
言って宗一郎がふわりと笑った。
伊織の胸が途端にせわしなく鼓動を刻み始める。
「あ、あの、でも、付き合えないですよ?」
「うん。わかってる。俺、待つよ」
「2ヶ月もあるんですよ!? 宗先輩にはこの先にも数多の幸せがっ!」
「はは。伊織ちゃんなしで幸せになんてなれないよ」
「で、でも、なんだか苦しいです。宗先輩のこと、見えない鎖でがんじがらめにしてるみたいで」
「伊織ちゃんは俺のことが好き?」
「はい」
「じゃあ、俺も伊織ちゃんに対して同じことしてるよね。俺もまりあとの約束があるし、それなのに伊織ちゃんを縛りつけようとする俺はずるいかな」
「い、いえ……!」
慌てて首を振る伊織に、宗一郎がしてやったりと微笑んだ。
伊織はしまったと口を噤む。
まんまと嵌められてしまった。
「ほらね」
「で、でも……!」
それでも納得がいかなくて唇を尖らせていると、宗一郎が優しく頭を撫でてくれた。
「じゃあ、こうしようか。伊織ちゃんと仙道の約束の時が来たら、もう一度ちゃんと気持ちを伝え合おう。もちろんその間に心変わりしたっていいし、そうなっても相手を責めないことにする。そうして約束の時を迎えて、そのときもお互い好き合っていたら、俺は伊織ちゃんと付き合いたい。――どう?」
「それなら……。でも、心変わりしたらちゃんと素直に教えてくれるって誓えますか? 申し訳ないなんて思わないで。わたしには宗先輩の幸せが自分の幸せなんです」
「――うん、わかった。じゃあ、伊織ちゃんももし心変わりしたら絶対に教えてくれる?」
「はい、約束します」
「うん。じゃあ、明日からはまた元通り、かな」
「はい」
「それもなんだか淋しいね」
「……そうですね」
ほんとうは何もかも投げ出していますぐ宗一郎のもとに行きたいけど、それをするには傷つけた人が多すぎた。
「あ、でもその前に……」
「?」
「少しだけ、恋人っぽいことしていい?」
「え?」
「ね、伊織ちゃん。仙道に、どこにキスされたんだっけ?」
「え? あ、えと、おでことほっぺたと、あと……首筋です」
ワケがわからずに聞かれるがまま答えると、伊織は宗一郎に両肩を掴まれた。
「ひゃっ!?」
驚いて声をあげる伊織にも構わずに、宗一郎の顔が近づいてくる。
その唇が、頬に触れた。
ぴくんと伊織の体が反応する。
ばくばくと心臓が耳元で脈打つ。
宗一郎が触れたところが燃えるように熱い。
まだその熱も冷めやらぬうちに、今度は伊織のおでこに唇が押し当てられる。
「そ、せんぱい……!」
「最後は、首?」
たまらず名前を呼ぶと、問いかけられた。
宗一郎の吐息が頬を撫ぜる。
宗一郎が、見たこともないような優しい顔で微笑む。
伊織の胸がトクンと高鳴った。
「す、好き……です」
「もういっかい」
「好きです」
「……はは。なんだか夢見たいだ」
言って宗一郎がふわりと笑った。
伊織の胸が途端にせわしなく鼓動を刻み始める。
「あ、あの、でも、付き合えないですよ?」
「うん。わかってる。俺、待つよ」
「2ヶ月もあるんですよ!? 宗先輩にはこの先にも数多の幸せがっ!」
「はは。伊織ちゃんなしで幸せになんてなれないよ」
「で、でも、なんだか苦しいです。宗先輩のこと、見えない鎖でがんじがらめにしてるみたいで」
「伊織ちゃんは俺のことが好き?」
「はい」
「じゃあ、俺も伊織ちゃんに対して同じことしてるよね。俺もまりあとの約束があるし、それなのに伊織ちゃんを縛りつけようとする俺はずるいかな」
「い、いえ……!」
慌てて首を振る伊織に、宗一郎がしてやったりと微笑んだ。
伊織はしまったと口を噤む。
まんまと嵌められてしまった。
「ほらね」
「で、でも……!」
それでも納得がいかなくて唇を尖らせていると、宗一郎が優しく頭を撫でてくれた。
「じゃあ、こうしようか。伊織ちゃんと仙道の約束の時が来たら、もう一度ちゃんと気持ちを伝え合おう。もちろんその間に心変わりしたっていいし、そうなっても相手を責めないことにする。そうして約束の時を迎えて、そのときもお互い好き合っていたら、俺は伊織ちゃんと付き合いたい。――どう?」
「それなら……。でも、心変わりしたらちゃんと素直に教えてくれるって誓えますか? 申し訳ないなんて思わないで。わたしには宗先輩の幸せが自分の幸せなんです」
「――うん、わかった。じゃあ、伊織ちゃんももし心変わりしたら絶対に教えてくれる?」
「はい、約束します」
「うん。じゃあ、明日からはまた元通り、かな」
「はい」
「それもなんだか淋しいね」
「……そうですね」
ほんとうは何もかも投げ出していますぐ宗一郎のもとに行きたいけど、それをするには傷つけた人が多すぎた。
「あ、でもその前に……」
「?」
「少しだけ、恋人っぽいことしていい?」
「え?」
「ね、伊織ちゃん。仙道に、どこにキスされたんだっけ?」
「え? あ、えと、おでことほっぺたと、あと……首筋です」
ワケがわからずに聞かれるがまま答えると、伊織は宗一郎に両肩を掴まれた。
「ひゃっ!?」
驚いて声をあげる伊織にも構わずに、宗一郎の顔が近づいてくる。
その唇が、頬に触れた。
ぴくんと伊織の体が反応する。
ばくばくと心臓が耳元で脈打つ。
宗一郎が触れたところが燃えるように熱い。
まだその熱も冷めやらぬうちに、今度は伊織のおでこに唇が押し当てられる。
「そ、せんぱい……!」
「最後は、首?」
たまらず名前を呼ぶと、問いかけられた。
宗一郎の吐息が頬を撫ぜる。