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夢小説設定
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どうしたらいいんだろう。
仙道の傷は伊織が思っていたよりもはるかに深かった。
深くて深くてどうしようもなくて。
仙道はそこでひとりで溺れてしまっている。
どうしたら救い上げることができるんだろう。
どうしたら。
そのとき、伊織の顔に影がかかった。
ハッと目を見開く。
伊織の唇に迫る、仙道のソレ。
「……やっ!」
伊織は顔を大きく横に背けて、叫んだ。
「いやぁっ! 助けて、宗先輩っ!!」
部活からの帰り道。
ふと誰かに呼ばれたような気がして、宗一郎は自転車のブレーキに手をかけた。
キィッと甲高い音をあげて自転車が急停止する。
後ろの荷台に横座りしていたまりあはその急な衝撃に態勢が取れず、前に座る宗一郎の後頭部に思い切り頭突きした。
「「~~~~っ!」」
二人はしばらく無言で打った頭を抱える。
「ご、ごめん……! まりあ、大丈夫だった?」
「だ、大丈夫。宗ちゃんいったいどうしたの?」
ぴょんと荷台から飛び降りて、かわいらしく小首をかしげて訊ねる幼馴染みに、宗一郎は苦笑して見せた。
「うん、なんか誰かに呼ばれたような気がして」
「ええ、なにそれ!? オカルト的な話? 宗ちゃんそういうの信じるほうだったっけ?」
「いや、まったく信じないんだけど……。なんだろう。痛い思いさせてごめんね、まりあ」
宗一郎はまりあの頭を撫でた。
すると、手の平の下でまりあがぶつけたのはここだと主張してきた。
宗一郎は苦笑してまりあの指し示した場所を優しく撫でる。
「ここ?」
「そう」
「ああ、ごめん。コブになってる……かも」
「ええ!? コブ!? あ、でもそしたら宗ちゃんの方がひどいんじゃない!? ちょっと後ろ向いて。まりあが見たげる!」
「はい。じゃあお願い」
宗一郎は自転車から降りて、くるりと後ろを向いた。
すぐにまりあの拗ねたような声が返ってくる。
「ちょっと宗ちゃんわざとやってるでしょう!? しゃがんでくれなきゃ届かないよう!」
「はは、ごめんごめん。今しゃがむからそんなに怒るなって」
宗一郎はぷくっとほっぺたを膨らませて言うまりあの頭をくしゃっと撫でると、今度はしゃがんで後ろを向いた。
まりあはからかうといつもほっぺたを膨らませて怒る。
それが餌をたくさん頬袋につめた小リスみたいでとてもかわいらしくて、宗一郎は隙があればまりあをからかって遊んでいた。
まりあの小さな手が後頭部を探る感覚に目を閉じる。
ある部分にまりあの手が触れたときに、ずきりと痛みがはしった。
「いたっ」
「あ、ここ?」
一度行き過ぎたまりあの手が、再びそこに戻って優しく触れる。