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「いた……っ」
ぎりぎりと強く掴まれる手首。
仙道の空いた右手が、ふたたび伊織の頬を撫ぜた。
「ねえ、伊織ちゃん。神のものになっちゃうの?」
「ま、だ……返事は、してません」
どこか暗い光を浮かべる仙道の瞳を、怯えたように見つめて伊織は言った。
こんなの仙道じゃない。
いやだ。
怖い。
ふいに昼間の信長とまりあとの会話を思い出す。
『だぁ~かぁ~らぁ~! ノブくんは伊織ちゃんが仙道さんに襲われちゃうぞってことを言ってるの』
伊織はそれを必死で否定した。
(違う。彰さんはそんなことしない。今はちょっと、我を失ってるだけで……)
そこまでで伊織の思考が止まった。
唇に仙道の指の感触。
そこのやわらかさを確かめるように、仙道の指が伊織の唇に数回沈む。
「ここには、神はもう触れたの?」
「いやっ」
仙道の手から逃れるように伊織は勢いよく顔を背けた。
頭上で仙道が薄く笑う。
その吐息が、頬にかかる。
「そんなことしたって逃げられないよ、伊織ちゃん」
「や……」
「伊織……」
囁くように掠れた声で自分の名を呼んだ仙道の唇が、頬に触れた。
伊織の体がその感触に一度大きく震える。
(いや! 怖い、いや、いや……!)
無意識に涙が溢れ出す。
掴まれた両手に必死に力を込めるけど、やはりびくともしなかった。
「彰さん、やだ! やめて!」
頬に、おでこに、首に、仙道の唇が触れる。
ぞわっと伊織の肌が粟立った。
信じられなかった。
仙道がこんなことをするなんて。
首と顔の付け根あたり、仙道の唇の触れているそこがちりっと痛んだ。
「んっ!」
痛みにくぐもった声をあげると、仙道がそこを指で優しく撫でる。
全身を駆け抜ける不快な感覚。
怖い。
「伊織ちゃん、ここ、キスマーク。これ、神が見たらなんて言うかな」
「やっ!」
これは誰だろう。
目の前にいるこの人は誰だろう。
伊織は恐怖で混乱した頭で必死で考えた。
これはきっと悪い夢で。目が覚めたら今日がまた始まって。こんなこと現実には起こってなくて。
(だって、彰さんは、だって……!)
伊織は涙で霞む視界で仙道の目を見つめた。
暗いその瞳を見つめた。
その奥で、仙道の傷ついた心が悲鳴を上げているのが見えた。
伊織の瞳からさらに涙が溢れる。
(彰さん、彰さん!)
ぎりぎりと強く掴まれる手首。
仙道の空いた右手が、ふたたび伊織の頬を撫ぜた。
「ねえ、伊織ちゃん。神のものになっちゃうの?」
「ま、だ……返事は、してません」
どこか暗い光を浮かべる仙道の瞳を、怯えたように見つめて伊織は言った。
こんなの仙道じゃない。
いやだ。
怖い。
ふいに昼間の信長とまりあとの会話を思い出す。
『だぁ~かぁ~らぁ~! ノブくんは伊織ちゃんが仙道さんに襲われちゃうぞってことを言ってるの』
伊織はそれを必死で否定した。
(違う。彰さんはそんなことしない。今はちょっと、我を失ってるだけで……)
そこまでで伊織の思考が止まった。
唇に仙道の指の感触。
そこのやわらかさを確かめるように、仙道の指が伊織の唇に数回沈む。
「ここには、神はもう触れたの?」
「いやっ」
仙道の手から逃れるように伊織は勢いよく顔を背けた。
頭上で仙道が薄く笑う。
その吐息が、頬にかかる。
「そんなことしたって逃げられないよ、伊織ちゃん」
「や……」
「伊織……」
囁くように掠れた声で自分の名を呼んだ仙道の唇が、頬に触れた。
伊織の体がその感触に一度大きく震える。
(いや! 怖い、いや、いや……!)
無意識に涙が溢れ出す。
掴まれた両手に必死に力を込めるけど、やはりびくともしなかった。
「彰さん、やだ! やめて!」
頬に、おでこに、首に、仙道の唇が触れる。
ぞわっと伊織の肌が粟立った。
信じられなかった。
仙道がこんなことをするなんて。
首と顔の付け根あたり、仙道の唇の触れているそこがちりっと痛んだ。
「んっ!」
痛みにくぐもった声をあげると、仙道がそこを指で優しく撫でる。
全身を駆け抜ける不快な感覚。
怖い。
「伊織ちゃん、ここ、キスマーク。これ、神が見たらなんて言うかな」
「やっ!」
これは誰だろう。
目の前にいるこの人は誰だろう。
伊織は恐怖で混乱した頭で必死で考えた。
これはきっと悪い夢で。目が覚めたら今日がまた始まって。こんなこと現実には起こってなくて。
(だって、彰さんは、だって……!)
伊織は涙で霞む視界で仙道の目を見つめた。
暗いその瞳を見つめた。
その奥で、仙道の傷ついた心が悲鳴を上げているのが見えた。
伊織の瞳からさらに涙が溢れる。
(彰さん、彰さん!)