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部活が終わると、伊織は慌てて体育館を飛び出した。
なんだかんだで三十分以上仙道を待たせてしまっている。
信長に一緒に帰れないことに詫びを入れて、伊織は公園への道のりを急いだ。
自転車にまたがって勢いよく校門を駆け抜ける。
結局宗一郎とはあれから話すことができなかった。
宗一郎は伊織に向けて今日が最後かもしれないなんて言ったけど、伊織にしてもそれは同じ気持ちだった。
明日になったら宗一郎とまりあは付き合っているかもしれない。
思うと胸がざわざわして落ち着かなくなった。
(でも……わたしはまず、彰さんとのことをちゃんとさせなくっちゃ)
たとえ宗一郎とまりあが付き合ってしまうことになったとしても、それでもやっぱり仙道を置いてけぼりにしたくない。
(彰さん……!)
公園に着くと、伊織は自転車を押して歩きながら仙道の姿を探した。
ふいにケータイが音楽を鳴らす。
表示を見ると仙道から着信だった。
通話ボタンを押して電話に出る。
「もしもし、彰さん?」
「伊織ちゃん、こっちこっち。そのまま右向いて」
言われるがままに右を向いて、伊織は首をかしげた。
そこにはこの公園の目玉である、大きな象の顔をかたどったすべり台・通称ゾウさんすべり台があるだけで、仙道の姿は見当たらなかった。
「どこですか?」
「上だよ、上」
「上?」
伊織は目の前のゾウさんすべり台を下から上へとすっと視線で撫でるようにゆっくり見上げた。
このゾウさんすべり台は、その側面が象の横顔になっている。
頭の後ろの部分の方が登るところとなっており、階段、なだらかな坂に複数配置されている小さな丸い突起に足を引っ掛けて登るところ、長い棒状の突起を利用して登るところと、登り方が三種類用意されている。
登りきったさきがちょうど頭の部分。すべり台のてっぺんにあたる。縦にも横にも長いこのすべり台は、そのてっぺんに小学生の子供が横に10人、縦に3人は並んで座れるほどのスペースがある。
そのため、てっぺんからの転落防止のために耳をかたどってつくられた壁は130㎝と高い。
仙道はその耳からひょっこりと顔を出した。
「あ、見つけました!」
「のぼっておいで」
伊織は通話を切ると、ゾウさんすべり台へと自転車を押していった。
脇にそれを止めて、階段からゾウさんすべり台に登る。
ちなみにゾウさんすべり台のすべる部分は鼻がかたどられている場所だ。
伊織はてっぺんにたどり着くと仙道に駆け寄った。
「お待たせしました」
「いいよ、気にしなくて。こっちおいで」
言いながら仙道が自分の隣りをぺしぺしと叩いた。
仙道が指し示したのは、ちょうどゾウさんすべり台のはじっこだった。
伊織は仙道と耳の間に座ると、カバンからポカリとレモンティーの缶を取り出した。
そのうちのポカリを、はいと仙道に差し出す。
「お待たせしたお詫びです」
「ありがとう。さすが伊織ちゃん。オレの好みわかってるね」
なんだかんだで三十分以上仙道を待たせてしまっている。
信長に一緒に帰れないことに詫びを入れて、伊織は公園への道のりを急いだ。
自転車にまたがって勢いよく校門を駆け抜ける。
結局宗一郎とはあれから話すことができなかった。
宗一郎は伊織に向けて今日が最後かもしれないなんて言ったけど、伊織にしてもそれは同じ気持ちだった。
明日になったら宗一郎とまりあは付き合っているかもしれない。
思うと胸がざわざわして落ち着かなくなった。
(でも……わたしはまず、彰さんとのことをちゃんとさせなくっちゃ)
たとえ宗一郎とまりあが付き合ってしまうことになったとしても、それでもやっぱり仙道を置いてけぼりにしたくない。
(彰さん……!)
公園に着くと、伊織は自転車を押して歩きながら仙道の姿を探した。
ふいにケータイが音楽を鳴らす。
表示を見ると仙道から着信だった。
通話ボタンを押して電話に出る。
「もしもし、彰さん?」
「伊織ちゃん、こっちこっち。そのまま右向いて」
言われるがままに右を向いて、伊織は首をかしげた。
そこにはこの公園の目玉である、大きな象の顔をかたどったすべり台・通称ゾウさんすべり台があるだけで、仙道の姿は見当たらなかった。
「どこですか?」
「上だよ、上」
「上?」
伊織は目の前のゾウさんすべり台を下から上へとすっと視線で撫でるようにゆっくり見上げた。
このゾウさんすべり台は、その側面が象の横顔になっている。
頭の後ろの部分の方が登るところとなっており、階段、なだらかな坂に複数配置されている小さな丸い突起に足を引っ掛けて登るところ、長い棒状の突起を利用して登るところと、登り方が三種類用意されている。
登りきったさきがちょうど頭の部分。すべり台のてっぺんにあたる。縦にも横にも長いこのすべり台は、そのてっぺんに小学生の子供が横に10人、縦に3人は並んで座れるほどのスペースがある。
そのため、てっぺんからの転落防止のために耳をかたどってつくられた壁は130㎝と高い。
仙道はその耳からひょっこりと顔を出した。
「あ、見つけました!」
「のぼっておいで」
伊織は通話を切ると、ゾウさんすべり台へと自転車を押していった。
脇にそれを止めて、階段からゾウさんすべり台に登る。
ちなみにゾウさんすべり台のすべる部分は鼻がかたどられている場所だ。
伊織はてっぺんにたどり着くと仙道に駆け寄った。
「お待たせしました」
「いいよ、気にしなくて。こっちおいで」
言いながら仙道が自分の隣りをぺしぺしと叩いた。
仙道が指し示したのは、ちょうどゾウさんすべり台のはじっこだった。
伊織は仙道と耳の間に座ると、カバンからポカリとレモンティーの缶を取り出した。
そのうちのポカリを、はいと仙道に差し出す。
「お待たせしたお詫びです」
「ありがとう。さすが伊織ちゃん。オレの好みわかってるね」