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訝しげに伊織は仙道を見た。
仙道は薄笑いの表情を崩さない。
伊織がもう一度名前を呼ぼうと口を開いたとき、仙道が伊織よりも数瞬早く唇を持ち上げた。
「伊織ちゃんまだ部活中でしょ? オレ、前に話した公園で待ってるから練習終わったらそこに来てよ。一緒に帰ろう」
「あ、はい。でも練習終わるまでここで待ってても……」
「それはさすがにダメでしょ。一応オレ陵南のエースだよ? スパイかと思われちゃう」
「ああ、そっか。そうですね」
伊織は仙道のその言葉に納得し、頷いた。
「じゃあ申し訳ないですけど、公園で待っててくれますか? 終わったらすぐ行きますから」
「うん。待ってるよ、伊織ちゃん。部活がんばってね」
仙道は伊織の頭を優しく撫でると、身を翻した。
「仙道さん!」
まりあは今まさに校門を出ようとしている仙道を追いかけた。
声が届いたのか、仙道がくるりと振り返る。
仙道は自分を呼び止めた予想外の人物に驚いて目を丸くした。
「まりあちゃん? めっずらしい。どうしたの?」
「お話が……あるんです……っ!」
肩で息をしながらまりあは言う。
仙道はそんなまりあをちらりと一瞥するとにこりと微笑んだ。
「そこの公園で缶ジュース、だと遠いよね。まりあちゃん部活中でしょ? どこで話す?」
「うちの中庭でいいです。あそこ、今の時間帯は人がいないから」
まりあのその言葉に、仙道が口笛を吹いた。
口の端をにやりと持ち上げて軽口を叩く。
「わぁお、人気のない場所に連れ込んでどんな話? オレ期待しちゃうなあ。伊織ちゃんを好きなままでもいいなら、まりあちゃんと付き合ってあげてもいいよ」
「反吐が出そうなこと言わないで黙ってついてきてください」
「おー、こわ」
途中、まりあは仙道に自動販売機でミルクティをおごってもらって、二人は中庭に移動した。
まりあは買ってもらったミルクティの缶のふたを開け、ひとくちそれを喉に流し込んだ。
甘い液体がまりあの喉を潤す。
目の前の仙道も先ほど買っていたポカリを同じように喉へと傾けた。
「それで、話ってなに?」
にこりと笑う仙道に、まりあは表情を引き締めた。
「宗ちゃんと伊織ちゃんのことです」
「ふたりがなに?」
「仙道さん、伊織ちゃんが元気になってもすぐに姿を見せなかったのはなんでですか? 伊織ちゃんが仙道さんに無視されてるって言ってました。……宗ちゃんと伊織ちゃんのこと、知ってるからそうしてたんじゃないんですか?」
仙道の心のうちをはかるように見るまりあの視線に、仙道はからかうように薄く笑う。
「知ってるってなにを?」
「だから……っ! 宗ちゃんが伊織ちゃんに告白したことですよ!」
その言葉に仙道の瞳がすうっと細められた。
その冷たさに、まりあは一瞬息を止める。
「知ってるよ」
仙道は薄笑いの表情を崩さない。
伊織がもう一度名前を呼ぼうと口を開いたとき、仙道が伊織よりも数瞬早く唇を持ち上げた。
「伊織ちゃんまだ部活中でしょ? オレ、前に話した公園で待ってるから練習終わったらそこに来てよ。一緒に帰ろう」
「あ、はい。でも練習終わるまでここで待ってても……」
「それはさすがにダメでしょ。一応オレ陵南のエースだよ? スパイかと思われちゃう」
「ああ、そっか。そうですね」
伊織は仙道のその言葉に納得し、頷いた。
「じゃあ申し訳ないですけど、公園で待っててくれますか? 終わったらすぐ行きますから」
「うん。待ってるよ、伊織ちゃん。部活がんばってね」
仙道は伊織の頭を優しく撫でると、身を翻した。
「仙道さん!」
まりあは今まさに校門を出ようとしている仙道を追いかけた。
声が届いたのか、仙道がくるりと振り返る。
仙道は自分を呼び止めた予想外の人物に驚いて目を丸くした。
「まりあちゃん? めっずらしい。どうしたの?」
「お話が……あるんです……っ!」
肩で息をしながらまりあは言う。
仙道はそんなまりあをちらりと一瞥するとにこりと微笑んだ。
「そこの公園で缶ジュース、だと遠いよね。まりあちゃん部活中でしょ? どこで話す?」
「うちの中庭でいいです。あそこ、今の時間帯は人がいないから」
まりあのその言葉に、仙道が口笛を吹いた。
口の端をにやりと持ち上げて軽口を叩く。
「わぁお、人気のない場所に連れ込んでどんな話? オレ期待しちゃうなあ。伊織ちゃんを好きなままでもいいなら、まりあちゃんと付き合ってあげてもいいよ」
「反吐が出そうなこと言わないで黙ってついてきてください」
「おー、こわ」
途中、まりあは仙道に自動販売機でミルクティをおごってもらって、二人は中庭に移動した。
まりあは買ってもらったミルクティの缶のふたを開け、ひとくちそれを喉に流し込んだ。
甘い液体がまりあの喉を潤す。
目の前の仙道も先ほど買っていたポカリを同じように喉へと傾けた。
「それで、話ってなに?」
にこりと笑う仙道に、まりあは表情を引き締めた。
「宗ちゃんと伊織ちゃんのことです」
「ふたりがなに?」
「仙道さん、伊織ちゃんが元気になってもすぐに姿を見せなかったのはなんでですか? 伊織ちゃんが仙道さんに無視されてるって言ってました。……宗ちゃんと伊織ちゃんのこと、知ってるからそうしてたんじゃないんですか?」
仙道の心のうちをはかるように見るまりあの視線に、仙道はからかうように薄く笑う。
「知ってるってなにを?」
「だから……っ! 宗ちゃんが伊織ちゃんに告白したことですよ!」
その言葉に仙道の瞳がすうっと細められた。
その冷たさに、まりあは一瞬息を止める。
「知ってるよ」