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夢小説設定
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「マジで!?」
ふと思い付いて提案すると、信長が目を輝かせて身を乗り出してきた。
伊織はその様子に笑みを零すと、おもむろにずびしと信長に人差し指を突き付けた。
「た・だ・し! 条件があります」
「条件? なんだよ、条件って」
信長が不安そうに尋ねる。
「行きも帰りもノブが漕ぐこと。オッケー?」
「なんだよ、そんなの当たり前だろ」
「あはは、当たり前? 頼もしいね。――あ、駅に着いたよ」
目の前に、海南大付属高校最寄り駅、海南大学駅が見えてきた。
伊織は足を止めると、信長を見送るように手を振る。
「じゃあノブ、気をつけてね。また明日、朝練もあるから6時半にここでいいよね?」
「っつーかお前何言ってんの」
「え?」
不機嫌そうに眉根を寄せながら言う信長に、伊織は目を丸くする。
何か変なこといっただろうか?
「? なにが?」
「なにがじゃねえだろ、なにがじゃ! もう遅いのに、こっから先一人で帰らすわけねえだろ! 伊織だって一応知らないやつが見たら女なんだから、家まで送ってってやるよ」
「ええ!? いいよ、そんなの悪いし! っつーかなにその言い方! 誰が見ても立派な女の子でしょーが!!」
伊織は信長に向けてパンチを繰り出すが、いとも簡単に信長はそれをよける。
「はいはい、わかったわかった。女って自覚があるんならなおのことおとなしく送られろよな。ほら、いくぞ。しっかり道案内しろ」
「はーい。――ノブ、ありがとね」
にっこり笑ってお礼を言うと、信長の顔が少し赤くなったような気がした。
「おう。気にすんな」
照れを隠すように鼻の頭をかきながら言う信長に、伊織は微笑む。
不器用だけど、いいやつ。
そんなことを思いながら信長に道案内していると、不意に信長がぽつりとつぶやいた。
「そういえば、神さんとまりあちゃんって幼馴染だったんだな。俺、ちょっとショックかも」
「ああ……。ノブ、まりあちゃんのこと好きだもんね」
「すっ! 好きって……! ば、ばっかちげぇよ!」
「……ほほう」
動揺丸出しで否定する信長に、伊織は意地悪い笑みを浮かべる。
「なんだよ、その顔は! ちょっとかわいいなとか、いいなとか思ってただけで別に俺は……!」
「好きなんでしょ?」
「だから……っ」
「好きなんでしょ?」
「…………」
「好きなんでしょったら」
「……っせえな。好きだったらなんだってんだー!」
うおーっと両腕を上げて、サルみたいにほえる信長に、伊織はけらけらとおなかを抱えて笑う。
「あはは、なにその認め方! 野生児!」
「るっせ! お前なんかこうしてやるっ!」
「きゃあっ! やめてやめてっ!」
髪をぐしゃぐしゃしてくる信長に、伊織は笑いながらも抵抗する。
「やめてほしけりゃ、笑いやめ!」
「はい、わかった! もう笑わない! 笑わないから!」
目じりの涙をぬぐいながら言うと、信長が小さく舌打ちしながら、髪をかき回す手を止めた。
急に黙ったかと思うと、ちらと様子を伺うように横目で伊織を見る。
ふと思い付いて提案すると、信長が目を輝かせて身を乗り出してきた。
伊織はその様子に笑みを零すと、おもむろにずびしと信長に人差し指を突き付けた。
「た・だ・し! 条件があります」
「条件? なんだよ、条件って」
信長が不安そうに尋ねる。
「行きも帰りもノブが漕ぐこと。オッケー?」
「なんだよ、そんなの当たり前だろ」
「あはは、当たり前? 頼もしいね。――あ、駅に着いたよ」
目の前に、海南大付属高校最寄り駅、海南大学駅が見えてきた。
伊織は足を止めると、信長を見送るように手を振る。
「じゃあノブ、気をつけてね。また明日、朝練もあるから6時半にここでいいよね?」
「っつーかお前何言ってんの」
「え?」
不機嫌そうに眉根を寄せながら言う信長に、伊織は目を丸くする。
何か変なこといっただろうか?
「? なにが?」
「なにがじゃねえだろ、なにがじゃ! もう遅いのに、こっから先一人で帰らすわけねえだろ! 伊織だって一応知らないやつが見たら女なんだから、家まで送ってってやるよ」
「ええ!? いいよ、そんなの悪いし! っつーかなにその言い方! 誰が見ても立派な女の子でしょーが!!」
伊織は信長に向けてパンチを繰り出すが、いとも簡単に信長はそれをよける。
「はいはい、わかったわかった。女って自覚があるんならなおのことおとなしく送られろよな。ほら、いくぞ。しっかり道案内しろ」
「はーい。――ノブ、ありがとね」
にっこり笑ってお礼を言うと、信長の顔が少し赤くなったような気がした。
「おう。気にすんな」
照れを隠すように鼻の頭をかきながら言う信長に、伊織は微笑む。
不器用だけど、いいやつ。
そんなことを思いながら信長に道案内していると、不意に信長がぽつりとつぶやいた。
「そういえば、神さんとまりあちゃんって幼馴染だったんだな。俺、ちょっとショックかも」
「ああ……。ノブ、まりあちゃんのこと好きだもんね」
「すっ! 好きって……! ば、ばっかちげぇよ!」
「……ほほう」
動揺丸出しで否定する信長に、伊織は意地悪い笑みを浮かべる。
「なんだよ、その顔は! ちょっとかわいいなとか、いいなとか思ってただけで別に俺は……!」
「好きなんでしょ?」
「だから……っ」
「好きなんでしょ?」
「…………」
「好きなんでしょったら」
「……っせえな。好きだったらなんだってんだー!」
うおーっと両腕を上げて、サルみたいにほえる信長に、伊織はけらけらとおなかを抱えて笑う。
「あはは、なにその認め方! 野生児!」
「るっせ! お前なんかこうしてやるっ!」
「きゃあっ! やめてやめてっ!」
髪をぐしゃぐしゃしてくる信長に、伊織は笑いながらも抵抗する。
「やめてほしけりゃ、笑いやめ!」
「はい、わかった! もう笑わない! 笑わないから!」
目じりの涙をぬぐいながら言うと、信長が小さく舌打ちしながら、髪をかき回す手を止めた。
急に黙ったかと思うと、ちらと様子を伺うように横目で伊織を見る。