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縮こまっていた体をさらに小さく丸める。
涙腺が壊れてしまったように、まりあの目からは涙が溢れて止まらなかった。
そのとき、突然背後で扉が開く音がした。
肩を震わせてまりあが後ろを振り返ると、信長が息を切らして立っていた。
まりあを見つけてほっとしたように息を吐き出し、微笑む。
「やっと見つけた」
「何しに来たのよ!」
まりあはぐいと乱暴に涙を拭うと、信長から泣いてぐしゃぐしゃの顔を隠すようにぷいと横を向いた。
信長がこちらへ近づいてくる足音が、やけに耳に響く。
「大丈夫か?」
「これが大丈夫に見えるっての!?」
「あー、いや。見えないよな」
そのどこか呑気な響きに、まりあの頭にカッと血が昇った。
「なによあっち行ってよ、慰めなんていらないわよ! 同情ならよして! ノブくんにまりあの気持ちなんてわかるわけないんだからっ!」
「わかるよ」
「な、に言ってんの……!? わかるわけないでしょ!?」
あまりの怒りに、ごうっと耳鳴りがした。
信じられなかった。
想像だけでわかった気になるなんて、そんなの傲慢だ。
この痛みを、共有してもいないくせに!
ケータイでも投げつけてやろうとまりあは信長を振り向いて、その表情に吸い寄せられるように動きをとめた。
どきんと心臓が一度大きく脈打つ。
(なんで、ノブくんがそんな泣きそうな顔をしてるの……?)
呆然と見つめるまりあに気付いて、信長が気まずそうに鼻の頭を掻く。
「いや、ごめん。わかるっていうか……似たような気持ちを、知ってるっていうか……」
「え?」
言いづらそうに口の中でもごもご言う信長に、まりあは不思議そうに首をかしげた。
信長は覚悟を決めるように一度息を大きく吸い込むと、まりあに向き直った。
「オレ……さ、実は好きなんだ。伊織のこと」
「――ぇえ!?」
3秒間の空白のあと、まりあは驚いて大声を上げた。
一瞬なにを言われたのかわからなかった。
止まる事を知らなかった涙も、今のですっかり引っ込んだ。
「え、え!? 好きって、え!? え、ノブくんが、伊織ちゃんを!?」
「そう」
「う、うそぉ!?」
頭が混乱する。
にわかには信じられない。
「だって、ノブくん、伊織ちゃんにあんなに協力してたじゃない!」
「え、協力って……、あれ、まりあちゃん伊織の気持ちに気付いてたのか!?」
「当たり前でしょあんなわかりやすいのに気付かないわけないでしょ!? 気付いてないのはキング オブ 鈍感の宗ちゃんくらいよ!」
「ああ、神さん意外に鈍感だよな」
「そうなのよ! ずっと宗ちゃん一筋で想い続けてるこぉんなかわいいまりあの気持ちにだって全く気付きもしないで、伊織ちゃんなんか好きになっちゃうようなスカポンタンなのよ宗ちゃんは!」
「すごい言われようだな」
信長が楽しそうにけらけらと笑った。
どうしてだろう。
どうして信長はあんな風に笑えるんだろう。
自分の好きな人が違う男の人を好きなのに。
「なんで?」
涙腺が壊れてしまったように、まりあの目からは涙が溢れて止まらなかった。
そのとき、突然背後で扉が開く音がした。
肩を震わせてまりあが後ろを振り返ると、信長が息を切らして立っていた。
まりあを見つけてほっとしたように息を吐き出し、微笑む。
「やっと見つけた」
「何しに来たのよ!」
まりあはぐいと乱暴に涙を拭うと、信長から泣いてぐしゃぐしゃの顔を隠すようにぷいと横を向いた。
信長がこちらへ近づいてくる足音が、やけに耳に響く。
「大丈夫か?」
「これが大丈夫に見えるっての!?」
「あー、いや。見えないよな」
そのどこか呑気な響きに、まりあの頭にカッと血が昇った。
「なによあっち行ってよ、慰めなんていらないわよ! 同情ならよして! ノブくんにまりあの気持ちなんてわかるわけないんだからっ!」
「わかるよ」
「な、に言ってんの……!? わかるわけないでしょ!?」
あまりの怒りに、ごうっと耳鳴りがした。
信じられなかった。
想像だけでわかった気になるなんて、そんなの傲慢だ。
この痛みを、共有してもいないくせに!
ケータイでも投げつけてやろうとまりあは信長を振り向いて、その表情に吸い寄せられるように動きをとめた。
どきんと心臓が一度大きく脈打つ。
(なんで、ノブくんがそんな泣きそうな顔をしてるの……?)
呆然と見つめるまりあに気付いて、信長が気まずそうに鼻の頭を掻く。
「いや、ごめん。わかるっていうか……似たような気持ちを、知ってるっていうか……」
「え?」
言いづらそうに口の中でもごもご言う信長に、まりあは不思議そうに首をかしげた。
信長は覚悟を決めるように一度息を大きく吸い込むと、まりあに向き直った。
「オレ……さ、実は好きなんだ。伊織のこと」
「――ぇえ!?」
3秒間の空白のあと、まりあは驚いて大声を上げた。
一瞬なにを言われたのかわからなかった。
止まる事を知らなかった涙も、今のですっかり引っ込んだ。
「え、え!? 好きって、え!? え、ノブくんが、伊織ちゃんを!?」
「そう」
「う、うそぉ!?」
頭が混乱する。
にわかには信じられない。
「だって、ノブくん、伊織ちゃんにあんなに協力してたじゃない!」
「え、協力って……、あれ、まりあちゃん伊織の気持ちに気付いてたのか!?」
「当たり前でしょあんなわかりやすいのに気付かないわけないでしょ!? 気付いてないのはキング オブ 鈍感の宗ちゃんくらいよ!」
「ああ、神さん意外に鈍感だよな」
「そうなのよ! ずっと宗ちゃん一筋で想い続けてるこぉんなかわいいまりあの気持ちにだって全く気付きもしないで、伊織ちゃんなんか好きになっちゃうようなスカポンタンなのよ宗ちゃんは!」
「すごい言われようだな」
信長が楽しそうにけらけらと笑った。
どうしてだろう。
どうして信長はあんな風に笑えるんだろう。
自分の好きな人が違う男の人を好きなのに。
「なんで?」