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夢小説設定
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「まあ、いろいろごたごたしてたからなぁ……。でも、ちゃんと話さないとだよな」
「うん。……まりあちゃん、口きいてくれなくなったらどうしよう」
「…………。ドンマイ」
「ドンマイって!」
伊織は信長のその言葉にびしっとツッコミを入れた。
「冷たい~! 大丈夫そんなことないよとか言えないわけ!?」
「言ってもいいけど、お前それは嬉しいのか?」
「……嬉しくない」
「だろ?」
信長がくしゃっと伊織の頭を撫でる。
「前にも言ったけど、たとえまりあちゃんにお前が絶交されても、オレは伊織の親友だから心配すんな。な?」
「うう、ありがとうノブ。でも時間かかってもまりあちゃんとまた仲良くなれるように祈ってて。わたし、まりあちゃんのことも大好きなの」
まりあの自分を飾らない正直なところが伊織は大好きだった。
自分をさらけ出すということは、とても勇気のいることだ。
否定や嫌悪は、すなわち自身の評価へと直結する。
自分とは違い、それを恐れずにありのままを貫くまりあが、伊織にとっては強い憧れだった。
「当然だろ」
信長は言いながら体育館へと足を向けた。
伊織も慌ててそのあとに続く。
「あー、6日ぶりの朝練……。なんか緊張するなー……」
「別にマネージャーにはブランクなんかねぇから大丈夫だろ」
「そうだけどさぁ……。なんか気まずい気持ちもあるよね」
あれだけ大騒ぎしてしまった後だ。
顔を出すのもいささか気恥ずかしかった。
「それは今更だろ。むしろお前の元気な姿を見たらみんな喜ぶって!」
「そうかなぁ」
「そうそう」
体育館はもう目の前だった。
少し不安な気持ちを胸に抱えて、伊織はその扉を押し開ける。
「おはようございまーす」
空き巣のようにこそこそと中を窺いながら身を小さくして体育館へ入った伊織に、いちはやくまりあが気付いた。
「伊織ちゃん!」
まりあは伊織めがけて、その胸に勢いよく飛び込んでくる。
伊織はなんとか両足を踏ん張ってまりあを受け止めた。
「まりあちゃん。おはよう!」
「~~~~っ! 伊織ちゃんだ……ちゃんと動いてしゃべる伊織ちゃんだ……! よかったぁ~!」
伊織の腰に回されたまりあの手に力が込められる。
「まりあちゃん、心配してくれてありがとう」
「ほんっとすっごい心配したんだから! 伊織ちゃんが元気ないと、まりあだって張り合いがないんだからね!」
「うん……! ありがとう!」
伊織はまりあの細い体を強く抱きしめ返した。
「よう、鈴村。元気になったか」
「牧先輩!」
「おはよう、伊織ちゃん」
「小百合先輩! おはようございます! おふたりもわざわざお見舞いに来てくださっていたそうで……、ほんとうにご迷惑をおかけしてすみませんでした」
「うん。……まりあちゃん、口きいてくれなくなったらどうしよう」
「…………。ドンマイ」
「ドンマイって!」
伊織は信長のその言葉にびしっとツッコミを入れた。
「冷たい~! 大丈夫そんなことないよとか言えないわけ!?」
「言ってもいいけど、お前それは嬉しいのか?」
「……嬉しくない」
「だろ?」
信長がくしゃっと伊織の頭を撫でる。
「前にも言ったけど、たとえまりあちゃんにお前が絶交されても、オレは伊織の親友だから心配すんな。な?」
「うう、ありがとうノブ。でも時間かかってもまりあちゃんとまた仲良くなれるように祈ってて。わたし、まりあちゃんのことも大好きなの」
まりあの自分を飾らない正直なところが伊織は大好きだった。
自分をさらけ出すということは、とても勇気のいることだ。
否定や嫌悪は、すなわち自身の評価へと直結する。
自分とは違い、それを恐れずにありのままを貫くまりあが、伊織にとっては強い憧れだった。
「当然だろ」
信長は言いながら体育館へと足を向けた。
伊織も慌ててそのあとに続く。
「あー、6日ぶりの朝練……。なんか緊張するなー……」
「別にマネージャーにはブランクなんかねぇから大丈夫だろ」
「そうだけどさぁ……。なんか気まずい気持ちもあるよね」
あれだけ大騒ぎしてしまった後だ。
顔を出すのもいささか気恥ずかしかった。
「それは今更だろ。むしろお前の元気な姿を見たらみんな喜ぶって!」
「そうかなぁ」
「そうそう」
体育館はもう目の前だった。
少し不安な気持ちを胸に抱えて、伊織はその扉を押し開ける。
「おはようございまーす」
空き巣のようにこそこそと中を窺いながら身を小さくして体育館へ入った伊織に、いちはやくまりあが気付いた。
「伊織ちゃん!」
まりあは伊織めがけて、その胸に勢いよく飛び込んでくる。
伊織はなんとか両足を踏ん張ってまりあを受け止めた。
「まりあちゃん。おはよう!」
「~~~~っ! 伊織ちゃんだ……ちゃんと動いてしゃべる伊織ちゃんだ……! よかったぁ~!」
伊織の腰に回されたまりあの手に力が込められる。
「まりあちゃん、心配してくれてありがとう」
「ほんっとすっごい心配したんだから! 伊織ちゃんが元気ないと、まりあだって張り合いがないんだからね!」
「うん……! ありがとう!」
伊織はまりあの細い体を強く抱きしめ返した。
「よう、鈴村。元気になったか」
「牧先輩!」
「おはよう、伊織ちゃん」
「小百合先輩! おはようございます! おふたりもわざわざお見舞いに来てくださっていたそうで……、ほんとうにご迷惑をおかけしてすみませんでした」