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夢小説設定
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気遣わしげに見てくる信長を安心させるように、伊織は歯を見せて笑う。
「うん、もう大丈夫! ……ノブ、毎日お見舞いに来てくれてたんでしょ? ごめんね、心配かけて。でもありがとう!」
「おう」
信長の優しく細められた瞳と視線がぶつかったと思ったら、突然信長の手が伊織の頬に触れた。
いつもと違う信長の、そのどこか熱を帯びたような視線に、伊織の胸が急に落ち着かなくなる。
伊織は困惑して信長を見つめ返した。
「ノ、ノブ……?」
信長は伊織の頬をそっとひと撫ですると、ひどく大人びた表情で笑った。
その笑顔に、どきんと伊織の胸が跳ねる。
「おかえり、伊織……」
「た、ただいま……」
驚いた。
信長がこんな表情をするなんて。
真剣に、愛おしいものを見るように伊織を見つめてくる瞳。
どきどきと速まる鼓動に居心地が悪くなって、頬にある信長の手から逃れようとしたとき、すっとそれが離れた。
ぐしゃぐしゃと髪を乱暴に撫でつけられる。
「ああ! 髪が! やめてっ!」
「うっせぇ、心配させた罰だ!」
伊織の抗議に返ってきた信長の声は、もういつものそれだった。
伊織は内心でホッと息をつきながら、信長に抵抗を続ける。
「や~め~てってば!」
言葉とともに、こぶしを信長の腹部に沈めた。
ぐぅっといううめき声をあげて信長がうずくまる。
「伊織……! てめぇ今ちょっと本気でいれたな!?」
「え、うそ、力加減間違えちゃった?」
「間違えてねえだろわざとだろこれ! バカ伊織!」
一瞬息が止まったぜ……と言う背中に、伊織が笑い声を上げる。
「あはは、ごめんごめん! そんなに痛かった?」
「あったりまえだ! ったく。……ほら、後ろ乗れ。学校行くぞ!」
「うん!」
言われて伊織は自転車の後ろにまたがった。
漕ぎ出してしばらくしてから、信長がそういえば……と訊ねてくる。
「昨日はどうだったんだよ」
「昨日?」
「神さんとだよ。なんかあったんだろ?」
「そっ、それがね……」
「おう」
再び昨日の夜のことが思い出されて、伊織の顔が深紅に染まった。
信長の肩を掴む手に、ぐっと力が入る。
「こ……っ」
「こ?」
「告白されたの!」
口に出すと余計恥ずかしさが増した。
心臓は鼓動を緩めることを知らないし、胸の辺りがもどかしい痛みに支配されて今すぐ逃げ出したい気持ちに駆られる。
「おお! やったな伊織! じゃあ付き合うことになったのか?」
「……それはまだ」
「はあ!? なんでだよ」
「うん、もう大丈夫! ……ノブ、毎日お見舞いに来てくれてたんでしょ? ごめんね、心配かけて。でもありがとう!」
「おう」
信長の優しく細められた瞳と視線がぶつかったと思ったら、突然信長の手が伊織の頬に触れた。
いつもと違う信長の、そのどこか熱を帯びたような視線に、伊織の胸が急に落ち着かなくなる。
伊織は困惑して信長を見つめ返した。
「ノ、ノブ……?」
信長は伊織の頬をそっとひと撫ですると、ひどく大人びた表情で笑った。
その笑顔に、どきんと伊織の胸が跳ねる。
「おかえり、伊織……」
「た、ただいま……」
驚いた。
信長がこんな表情をするなんて。
真剣に、愛おしいものを見るように伊織を見つめてくる瞳。
どきどきと速まる鼓動に居心地が悪くなって、頬にある信長の手から逃れようとしたとき、すっとそれが離れた。
ぐしゃぐしゃと髪を乱暴に撫でつけられる。
「ああ! 髪が! やめてっ!」
「うっせぇ、心配させた罰だ!」
伊織の抗議に返ってきた信長の声は、もういつものそれだった。
伊織は内心でホッと息をつきながら、信長に抵抗を続ける。
「や~め~てってば!」
言葉とともに、こぶしを信長の腹部に沈めた。
ぐぅっといううめき声をあげて信長がうずくまる。
「伊織……! てめぇ今ちょっと本気でいれたな!?」
「え、うそ、力加減間違えちゃった?」
「間違えてねえだろわざとだろこれ! バカ伊織!」
一瞬息が止まったぜ……と言う背中に、伊織が笑い声を上げる。
「あはは、ごめんごめん! そんなに痛かった?」
「あったりまえだ! ったく。……ほら、後ろ乗れ。学校行くぞ!」
「うん!」
言われて伊織は自転車の後ろにまたがった。
漕ぎ出してしばらくしてから、信長がそういえば……と訊ねてくる。
「昨日はどうだったんだよ」
「昨日?」
「神さんとだよ。なんかあったんだろ?」
「そっ、それがね……」
「おう」
再び昨日の夜のことが思い出されて、伊織の顔が深紅に染まった。
信長の肩を掴む手に、ぐっと力が入る。
「こ……っ」
「こ?」
「告白されたの!」
口に出すと余計恥ずかしさが増した。
心臓は鼓動を緩めることを知らないし、胸の辺りがもどかしい痛みに支配されて今すぐ逃げ出したい気持ちに駆られる。
「おお! やったな伊織! じゃあ付き合うことになったのか?」
「……それはまだ」
「はあ!? なんでだよ」