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夢小説設定
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伊織は渾身の力で宗一郎の体を自分から離した。
少しだけ二人の間に距離が生まれて、宗一郎が綺麗な黒曜石の瞳にとろけるような熱を込めて伊織を見つめてくる。
伊織はその視線に焦がされるような気持ちになって、慌てて目を逸らした。
心臓が痛い。
破裂する。
壊れる。
真っ赤な顔を両手で隠すように押さえる伊織に、宗一郎が優しく双眸を細める。
どうしよう。
こんなことって。
信じられなかった。
宗一郎が、好き?
わたしを?
そんなことが、そんなことがあるなんて。
「で、でも、まりあちゃんは……?」
「まりあ?」
「宗先輩、まりあちゃんが好きなんじゃ……」
「違うよ」
言って宗一郎が伊織の手をとってその指に口付けをする。
口付けられた指が、顔が、カッと火をつけたように熱くなる。
「俺が好きなのは伊織ちゃんだけだよ。まりあは大切な幼馴染みで……そうだな、伊織ちゃんにとっての月くんや星くんみたいな存在、かな」
「…………」
信じられない。
信じられないけど言わなくちゃ。
わたしもだって。
好きですってちゃんと。
今言わないと、きっとこれは夢になって消えてしまう。
「あ、あの、わ、わたし……わたし……っ!」
好き。
言おうとして伊織はハッと言葉を止めた。
脳裏に仙道の顔がよぎる。
違う、ダメだ。
このままで。
仙道をひとり取り残したままで。
自分だけ幸せになるなんてできない。
「あ……」
どうすればいいかわからなくて伊織が下を向いた瞬間。
宗一郎の手が頬に触れた。
宗一郎は伊織の顔を持ち上げて目線を合わせるようにすると、優しく微笑む。
「伊織ちゃん、返事は今度聞かせて」
「え!?」
宗一郎が眉を下げて唇を持ち上げる。
「仙道のこと考えてるんでしょ?」
「!」
伊織は目を瞠った。
何か言おうと唇をわななかせる伊織のそれに、言葉をつむぐ事を遮るようにそっと宗一郎は自身の人差し指を当てると、言う。
「ほんとうは、まだ言うつもりじゃなかったんだ。こんな、伊織ちゃんが弱ってるときに……。でも伊織ちゃんが慌ててひとりで立とうとするから」
「え?」
「ちゃんと知っていて欲しかったんだ。バスケ部のマネージャーだから優しくしてもらってるって、前に言ってただろ? そうじゃないよ。俺は伊織ちゃんが好きで、愛しくて、大切でたまらないから……だからなんだ。俺が伊織ちゃんのそばにいるのは、それを望むのは、伊織ちゃんが好きだからなんだよ」
「そ、宗先輩……!」
少しだけ二人の間に距離が生まれて、宗一郎が綺麗な黒曜石の瞳にとろけるような熱を込めて伊織を見つめてくる。
伊織はその視線に焦がされるような気持ちになって、慌てて目を逸らした。
心臓が痛い。
破裂する。
壊れる。
真っ赤な顔を両手で隠すように押さえる伊織に、宗一郎が優しく双眸を細める。
どうしよう。
こんなことって。
信じられなかった。
宗一郎が、好き?
わたしを?
そんなことが、そんなことがあるなんて。
「で、でも、まりあちゃんは……?」
「まりあ?」
「宗先輩、まりあちゃんが好きなんじゃ……」
「違うよ」
言って宗一郎が伊織の手をとってその指に口付けをする。
口付けられた指が、顔が、カッと火をつけたように熱くなる。
「俺が好きなのは伊織ちゃんだけだよ。まりあは大切な幼馴染みで……そうだな、伊織ちゃんにとっての月くんや星くんみたいな存在、かな」
「…………」
信じられない。
信じられないけど言わなくちゃ。
わたしもだって。
好きですってちゃんと。
今言わないと、きっとこれは夢になって消えてしまう。
「あ、あの、わ、わたし……わたし……っ!」
好き。
言おうとして伊織はハッと言葉を止めた。
脳裏に仙道の顔がよぎる。
違う、ダメだ。
このままで。
仙道をひとり取り残したままで。
自分だけ幸せになるなんてできない。
「あ……」
どうすればいいかわからなくて伊織が下を向いた瞬間。
宗一郎の手が頬に触れた。
宗一郎は伊織の顔を持ち上げて目線を合わせるようにすると、優しく微笑む。
「伊織ちゃん、返事は今度聞かせて」
「え!?」
宗一郎が眉を下げて唇を持ち上げる。
「仙道のこと考えてるんでしょ?」
「!」
伊織は目を瞠った。
何か言おうと唇をわななかせる伊織のそれに、言葉をつむぐ事を遮るようにそっと宗一郎は自身の人差し指を当てると、言う。
「ほんとうは、まだ言うつもりじゃなかったんだ。こんな、伊織ちゃんが弱ってるときに……。でも伊織ちゃんが慌ててひとりで立とうとするから」
「え?」
「ちゃんと知っていて欲しかったんだ。バスケ部のマネージャーだから優しくしてもらってるって、前に言ってただろ? そうじゃないよ。俺は伊織ちゃんが好きで、愛しくて、大切でたまらないから……だからなんだ。俺が伊織ちゃんのそばにいるのは、それを望むのは、伊織ちゃんが好きだからなんだよ」
「そ、宗先輩……!」