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夢小説設定
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「待ちくたびれました」
「ごめん」
宗一郎も困ったように眉を下げて小さく微笑んだ。
「伊織ちゃんに会ってもいいかな」
「もちろんです」
言って月が、今さっき自身が出てきたドアを押し開ける。
「どうぞ」
「ありがとう」
宗一郎はゆっくりと玄関の中へと足を踏み入れた。
しんと冷え切っている伊織の家の中。
前に一度訪れたときはあんなにもあたたかさで溢れていたのに。
思って宗一郎の胸に痛みが走る。
「姉は上です。……案内しますね」
「ありがとう」
宗一郎は先を歩く月の後ろをついていきながら、服の上から心臓のあたりを押さえた。
心臓が逸る。
緊張に冷たい汗が浮かぶ。
伊織は自分を受け入れてくれるだろうか?
……怯えずに、自分を見てくれるだろうか。
ふいに脳裏にあのときの伊織のまなざしがよみがえった。
心から怯えきった瞳。
足が一瞬前へ出るのをためらって、鉛のように重くなった。
(……っ)
宗一郎は弱気になりそうな自分を叱りつけるように無理矢理足を前に踏み出した。
(決めたんだ)
そう。自分はあのとき決意した。
気付いたから。
逃げてたって気付いたから。
だからもう逃げないって。
(伊織ちゃんのそばにいるって約束したから……)
宗一郎は決意を固めて足を前に進めた。
一歩一歩と伊織の部屋に近づくごとに、胸から迷いが振り払われていく。
思考がクリアになっていく。
「神先輩」
月が立ち止まる。
視線を上げると、いつのまにか伊織の部屋の前に着いていた。
宗一郎は慌てて月に並ぶ。
「ありがとう」
宗一郎は言うと、伊織の部屋のドアを開けた。
すべきことはただひとつだった。
ドアの開いた気配に、信長はそちらを振り返った。
電球色の暗さになれた目に、廊下から差し込む白色の光が突き刺さる。
その逆光に照らし出されて、ぼんやり浮かび上がる見知った影。
「!」
次第に目が慣れてきてはっきりとらえたその姿は、
「神さん……!」
信長が待ちわびていたその人だった。
「ごめん」
宗一郎も困ったように眉を下げて小さく微笑んだ。
「伊織ちゃんに会ってもいいかな」
「もちろんです」
言って月が、今さっき自身が出てきたドアを押し開ける。
「どうぞ」
「ありがとう」
宗一郎はゆっくりと玄関の中へと足を踏み入れた。
しんと冷え切っている伊織の家の中。
前に一度訪れたときはあんなにもあたたかさで溢れていたのに。
思って宗一郎の胸に痛みが走る。
「姉は上です。……案内しますね」
「ありがとう」
宗一郎は先を歩く月の後ろをついていきながら、服の上から心臓のあたりを押さえた。
心臓が逸る。
緊張に冷たい汗が浮かぶ。
伊織は自分を受け入れてくれるだろうか?
……怯えずに、自分を見てくれるだろうか。
ふいに脳裏にあのときの伊織のまなざしがよみがえった。
心から怯えきった瞳。
足が一瞬前へ出るのをためらって、鉛のように重くなった。
(……っ)
宗一郎は弱気になりそうな自分を叱りつけるように無理矢理足を前に踏み出した。
(決めたんだ)
そう。自分はあのとき決意した。
気付いたから。
逃げてたって気付いたから。
だからもう逃げないって。
(伊織ちゃんのそばにいるって約束したから……)
宗一郎は決意を固めて足を前に進めた。
一歩一歩と伊織の部屋に近づくごとに、胸から迷いが振り払われていく。
思考がクリアになっていく。
「神先輩」
月が立ち止まる。
視線を上げると、いつのまにか伊織の部屋の前に着いていた。
宗一郎は慌てて月に並ぶ。
「ありがとう」
宗一郎は言うと、伊織の部屋のドアを開けた。
すべきことはただひとつだった。
ドアの開いた気配に、信長はそちらを振り返った。
電球色の暗さになれた目に、廊下から差し込む白色の光が突き刺さる。
その逆光に照らし出されて、ぼんやり浮かび上がる見知った影。
「!」
次第に目が慣れてきてはっきりとらえたその姿は、
「神さん……!」
信長が待ちわびていたその人だった。