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夢小説設定
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しかし、その頭上からは仙道のそっけない言葉が降ってきた。
「どうしてオレが?」
「お前だって伊織のこと大切なんだろ?」
「大切だよ」
「じゃあ、伊織が今誰を必要としてるかくらい――」
「わかってるよ、そんなの。でもイヤだ」
仙道が冷たく言い放つ。
信長はその言葉に愕然とした。
「なんでだよ!」
「自分から会いに行かないなんて、しょせんその程度だったってことだろ? そんな神の助けで回復したって、伊織ちゃんがその後ツラくなるだけだよ」
「なっ……! 何言ってんだよ、お前!」
「ノブナガくんだって伊織ちゃんが好きなんだろ? だったら神に頼ったりしないで、自分が伊織ちゃんを助けてやる、くらいの気持ちはないわけ?」
「はぁ!?」
信長はぎゅっと眉根を寄せた。
何を言ってるんだこいつは。
そんなことができるくらいなら、とっくにやっているに決まっている。
でもそれができないからこそ、下げたくもない頭を下げてまでこうやって頼みに来ているというのに。
(自分の気持ちだけで伊織を救えるんだったら、最初から誰も頼みになんてくるもんか!)
そんなこともわからないなんて。
信長は信じられない思いで目の前の仙道をにらんだ。
「いまオレの気持ちはカンケーねーだろ!」
「ふうん。そうやってカンタンにあきらめられる、お前の気持ちもその程度のモンだったってことだろ? こっちは真剣なんだ。お前の軽い気持ちと一緒にするな」
「なっ!」
信長は怒りで目の前が真っ白になった。
人の気も知らないで、よくもそんな勝手な事を。
「ふざけんなよ! そんなの言い方いろいろじゃねえか! おめーみたいにあんまり執着しないタチの人間にはあきらめるほうがカンタンなのかもしんねーけど、オレみたいになんにでも執着するタチの人間にはあきらめることのほうがむずかしかったりするんだよ! なんにもわかんねーくせに知ったふうな口をきくな!」
「!」
驚いて言葉に詰まる仙道を、信長は悔しさを滲ませてにらみつけた。
「ちくしょう……! なんだよ……なんだよセンドーも神さんも! 伊織のことが好きだなんて言っといて、二人とも結局は自分のことしか考えてねーじゃねーか! 自分が一番大事なんじゃねーか! 伊織のこと本当に好きだったら、何が一番あいつのためかって……!」
仙道がその言葉にハッと目を瞠る。
がしゃんと信長がフェンスにこぶしをたたきつけた。
ちくしょう、と信長の口から声が漏れる。
(ちくしょう、ちくしょうちくしょう! なんでだ……! なんでだよ……!)
「もういいよ、頼まねーよ! あんたも神さんも、そうやって自分のことだけ大事にしてろバカ!!」
「!」
信長はそれだけいうと、呆然と立ちすくむ仙道をそのままにその場を駆け出した。
海南大学駅から走って、走って、走って。
信長は伊織の家にたどり着いた。
チャイムを押して、月と星に出迎えてもらって、伊織の部屋へ行く。
お見舞いに来ているはずのまりあはもう帰ったのか、中には伊織がひとりだけだった。
カーテンを閉めて電球色の明かりだけをつけた部屋で、ぼんやりとした表情でベッドから上半身を起こして伊織は虚空を見つめていた。
「どうしてオレが?」
「お前だって伊織のこと大切なんだろ?」
「大切だよ」
「じゃあ、伊織が今誰を必要としてるかくらい――」
「わかってるよ、そんなの。でもイヤだ」
仙道が冷たく言い放つ。
信長はその言葉に愕然とした。
「なんでだよ!」
「自分から会いに行かないなんて、しょせんその程度だったってことだろ? そんな神の助けで回復したって、伊織ちゃんがその後ツラくなるだけだよ」
「なっ……! 何言ってんだよ、お前!」
「ノブナガくんだって伊織ちゃんが好きなんだろ? だったら神に頼ったりしないで、自分が伊織ちゃんを助けてやる、くらいの気持ちはないわけ?」
「はぁ!?」
信長はぎゅっと眉根を寄せた。
何を言ってるんだこいつは。
そんなことができるくらいなら、とっくにやっているに決まっている。
でもそれができないからこそ、下げたくもない頭を下げてまでこうやって頼みに来ているというのに。
(自分の気持ちだけで伊織を救えるんだったら、最初から誰も頼みになんてくるもんか!)
そんなこともわからないなんて。
信長は信じられない思いで目の前の仙道をにらんだ。
「いまオレの気持ちはカンケーねーだろ!」
「ふうん。そうやってカンタンにあきらめられる、お前の気持ちもその程度のモンだったってことだろ? こっちは真剣なんだ。お前の軽い気持ちと一緒にするな」
「なっ!」
信長は怒りで目の前が真っ白になった。
人の気も知らないで、よくもそんな勝手な事を。
「ふざけんなよ! そんなの言い方いろいろじゃねえか! おめーみたいにあんまり執着しないタチの人間にはあきらめるほうがカンタンなのかもしんねーけど、オレみたいになんにでも執着するタチの人間にはあきらめることのほうがむずかしかったりするんだよ! なんにもわかんねーくせに知ったふうな口をきくな!」
「!」
驚いて言葉に詰まる仙道を、信長は悔しさを滲ませてにらみつけた。
「ちくしょう……! なんだよ……なんだよセンドーも神さんも! 伊織のことが好きだなんて言っといて、二人とも結局は自分のことしか考えてねーじゃねーか! 自分が一番大事なんじゃねーか! 伊織のこと本当に好きだったら、何が一番あいつのためかって……!」
仙道がその言葉にハッと目を瞠る。
がしゃんと信長がフェンスにこぶしをたたきつけた。
ちくしょう、と信長の口から声が漏れる。
(ちくしょう、ちくしょうちくしょう! なんでだ……! なんでだよ……!)
「もういいよ、頼まねーよ! あんたも神さんも、そうやって自分のことだけ大事にしてろバカ!!」
「!」
信長はそれだけいうと、呆然と立ちすくむ仙道をそのままにその場を駆け出した。
海南大学駅から走って、走って、走って。
信長は伊織の家にたどり着いた。
チャイムを押して、月と星に出迎えてもらって、伊織の部屋へ行く。
お見舞いに来ているはずのまりあはもう帰ったのか、中には伊織がひとりだけだった。
カーテンを閉めて電球色の明かりだけをつけた部屋で、ぼんやりとした表情でベッドから上半身を起こして伊織は虚空を見つめていた。