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夢小説設定
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「はは。心境的にはそうしたいんだけど、そんなことしたら伊織ちゃんが元気になったときに嫌われちゃうだろ?」
「へーえ」
なんとなくその答えが意外で、信長は感心した。
仙道は一度苦笑してみせると、表情をあらためる。
「それで、頼みって?」
「その前にひとつ聞きてーんだけど……」
「なに?」
「あれから伊織、なんかお前に反応したか?」
その問いに仙道が目を伏せて首を振る。
「いや……。ダメだな。呼んだらこっちを見てくれるくらいで、他にはなにも……」
「そうか……」
信長は悔しそうに唇を噛んだ。
「なあ、センドー。お前は伊織のこと昔から知ってるんだろ? 前のときも伊織はこんな感じだったのかよ?」
「さあな。オレは伊織ちゃんのこと中2までしか知らないんだ。前は伊織ちゃんが中3のときだったから」
「ああ、そうか」
信長が深く息を吐き出す。
「どうすりゃいいんだろうな、伊織」
信長は独り言のようにぽつりと呟いた。
仙道はそんな信長についと視線を向ける。
「そういえば、ノブナガくんも毎日伊織ちゃんのお見舞いに行ってるんだって? 月くんに聞いたよ」
「俺もってことはお前も?」
「ああ」
「のワリには全然会わねーな」
「時間と距離の問題だろ。練習終わってからだから、オレ伊織ちゃんち着くの22時近くなるから」
「ああ、なるほど。そりゃ会わねーわ。オレ21時には帰るからな」
「はは。……神は?」
「あ?」
「神のときはどうなの? 伊織ちゃんの反応」
「あ、ああ」
信長は言葉を濁すと、決意を固めたように仙道に向き直った。
「実は、オレの頼みってそのことなんだ」
「ん? どういうこと?」
「センドー、神さんのこと説得してくんねーか?」
その言葉に、仙道がぽかんと口を開ける。
「は? 説得? なんで?」
「神さん、あのとき伊織に忘れられてたことがよっぽどショックだったみたいで……あれからまだ一回も伊織に会いに行ってないんだ」
「ウソだろ……?」
仙道が呆然と呟いた。
が、すぐにその表情が険しいものに変わる。
「一回もって……! アイツ伊織ちゃんのことが心配じゃないのか!?」
愕然とそう呟くと、きつく眉根を絞って仙道はぎりぎりと奥歯をかむ。
「それで、なんでオレが説得なんてしなきゃいけないんだ? 自分ですればいいだろ」
「したよ。だけどオレじゃダメだったんだ。オレじゃあ神さん、全然聞く耳もたなくて……。悔しいけど、オレの言葉じゃ神さんには届かないんだ。だから頼む! センドーから神さんに言ってくれ!」
信長は言いながら仙道に頭を下げた。
頑なな宗一郎も、もしかしたら仙道の言うことなら聞くかもしれない、
もう自分が伊織のためにしてやれることはこれくらいしかなかった。
「へーえ」
なんとなくその答えが意外で、信長は感心した。
仙道は一度苦笑してみせると、表情をあらためる。
「それで、頼みって?」
「その前にひとつ聞きてーんだけど……」
「なに?」
「あれから伊織、なんかお前に反応したか?」
その問いに仙道が目を伏せて首を振る。
「いや……。ダメだな。呼んだらこっちを見てくれるくらいで、他にはなにも……」
「そうか……」
信長は悔しそうに唇を噛んだ。
「なあ、センドー。お前は伊織のこと昔から知ってるんだろ? 前のときも伊織はこんな感じだったのかよ?」
「さあな。オレは伊織ちゃんのこと中2までしか知らないんだ。前は伊織ちゃんが中3のときだったから」
「ああ、そうか」
信長が深く息を吐き出す。
「どうすりゃいいんだろうな、伊織」
信長は独り言のようにぽつりと呟いた。
仙道はそんな信長についと視線を向ける。
「そういえば、ノブナガくんも毎日伊織ちゃんのお見舞いに行ってるんだって? 月くんに聞いたよ」
「俺もってことはお前も?」
「ああ」
「のワリには全然会わねーな」
「時間と距離の問題だろ。練習終わってからだから、オレ伊織ちゃんち着くの22時近くなるから」
「ああ、なるほど。そりゃ会わねーわ。オレ21時には帰るからな」
「はは。……神は?」
「あ?」
「神のときはどうなの? 伊織ちゃんの反応」
「あ、ああ」
信長は言葉を濁すと、決意を固めたように仙道に向き直った。
「実は、オレの頼みってそのことなんだ」
「ん? どういうこと?」
「センドー、神さんのこと説得してくんねーか?」
その言葉に、仙道がぽかんと口を開ける。
「は? 説得? なんで?」
「神さん、あのとき伊織に忘れられてたことがよっぽどショックだったみたいで……あれからまだ一回も伊織に会いに行ってないんだ」
「ウソだろ……?」
仙道が呆然と呟いた。
が、すぐにその表情が険しいものに変わる。
「一回もって……! アイツ伊織ちゃんのことが心配じゃないのか!?」
愕然とそう呟くと、きつく眉根を絞って仙道はぎりぎりと奥歯をかむ。
「それで、なんでオレが説得なんてしなきゃいけないんだ? 自分ですればいいだろ」
「したよ。だけどオレじゃダメだったんだ。オレじゃあ神さん、全然聞く耳もたなくて……。悔しいけど、オレの言葉じゃ神さんには届かないんだ。だから頼む! センドーから神さんに言ってくれ!」
信長は言いながら仙道に頭を下げた。
頑なな宗一郎も、もしかしたら仙道の言うことなら聞くかもしれない、
もう自分が伊織のためにしてやれることはこれくらいしかなかった。