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夢小説設定
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「でも、ノブ。伊織ちゃんには多分、最初から俺なんて必要なかったんだ……」
ボールのしたに隠された宗一郎の頬を、小さく光る雫が滑り落ちた。
宗一郎の説得に失敗した信長は、単身陵南高校へ来ていた。
「…………」
時計の針はもう19時30分を指していたが、中からはバスケ部の練習をしている音が聞こえる。
さっき月にメールをしたら、今日は仙道は来ていないと返信があった。
きっと仙道はまだ練習中だ。
信長はあたりを見回して扉を見つけると、それを引きあけた。
扉付近にいた部員がひとり、信長に気付いて目を丸くする。
一年だろうか。仙道の居場所を聞こうと信長が口を開きかけたその時、目の前の部員がいきなり大声を上げた。
「うわー! 君、海南の一年レギュラー清田信長くんやろ! え、なんでここに? わー本物やー!あ、ワイ相田彦一いいます。おんなじ一年生。よろしゅう」
うおー、要チェックやー! と興奮した様子で騒ぎ立てる彦一に、信長は迷惑そうに眉根を寄せる。
「お、おう、よろしく。ところで、センドー探してんだけど……」
「あれ、ノブナガくん?」
そこまで言ったところで、真後ろから声がかかった。
信長は驚いて体育館の中へ飛び退る。
「うおっ、センドー! なんで後ろから現れんだよ! お前、部活中だろ?」
「え、だってトイレ行ってたから」
「……。あー、そうかよ!」
聞いて損した! と信長が吐き捨てた。
そんな信長に、仙道がおかしそうに笑う。
「はは。それにしてもどうしたの? オレを訪ねてくるなんて珍しいね。――まさか、伊織ちゃんに何かあった!?」
ハッと表情を険しくした仙道に、信長は両腕をがしっと掴まれた。
信長は嫌そうに顔をしかめてそれを振り払う。
「ちげーよ! ……今日は、センドーに頼みがあって来たんだよ」
「頼み?」
「え、ちょお待ってください。仙道さん清田くんと知り合いやったんですか!?」
「ん、まあね」
「ええー! なんで教えてくれへんのですか!」
彼は一年生の要チェック人物なんですよーと彦一がぎゃーぎゃーと騒ぎ出す。
仙道はそれに苦笑した。
「はは、彦一。悪いけどオレ、ノブナガくんと話があるからまた今度な」
「ええー! そんな殺生な~」
「悪いな。あ、そうだ彦一。魚住さんにすぐ戻るって言っといて。――ノブナガくん、こっちで話そう」
言って仙道は歩き出した。
信長もその後に続く。
仙道は体育館のすぐ裏にある階段脇のフェンスに体を預けた。
信長もそこで足を止める。
「それにしても、お前ちゃんと練習してたんだな。こんなときだから、練習サボって伊織んとこ入り浸ってるかと思ったぜ」
ボールのしたに隠された宗一郎の頬を、小さく光る雫が滑り落ちた。
宗一郎の説得に失敗した信長は、単身陵南高校へ来ていた。
「…………」
時計の針はもう19時30分を指していたが、中からはバスケ部の練習をしている音が聞こえる。
さっき月にメールをしたら、今日は仙道は来ていないと返信があった。
きっと仙道はまだ練習中だ。
信長はあたりを見回して扉を見つけると、それを引きあけた。
扉付近にいた部員がひとり、信長に気付いて目を丸くする。
一年だろうか。仙道の居場所を聞こうと信長が口を開きかけたその時、目の前の部員がいきなり大声を上げた。
「うわー! 君、海南の一年レギュラー清田信長くんやろ! え、なんでここに? わー本物やー!あ、ワイ相田彦一いいます。おんなじ一年生。よろしゅう」
うおー、要チェックやー! と興奮した様子で騒ぎ立てる彦一に、信長は迷惑そうに眉根を寄せる。
「お、おう、よろしく。ところで、センドー探してんだけど……」
「あれ、ノブナガくん?」
そこまで言ったところで、真後ろから声がかかった。
信長は驚いて体育館の中へ飛び退る。
「うおっ、センドー! なんで後ろから現れんだよ! お前、部活中だろ?」
「え、だってトイレ行ってたから」
「……。あー、そうかよ!」
聞いて損した! と信長が吐き捨てた。
そんな信長に、仙道がおかしそうに笑う。
「はは。それにしてもどうしたの? オレを訪ねてくるなんて珍しいね。――まさか、伊織ちゃんに何かあった!?」
ハッと表情を険しくした仙道に、信長は両腕をがしっと掴まれた。
信長は嫌そうに顔をしかめてそれを振り払う。
「ちげーよ! ……今日は、センドーに頼みがあって来たんだよ」
「頼み?」
「え、ちょお待ってください。仙道さん清田くんと知り合いやったんですか!?」
「ん、まあね」
「ええー! なんで教えてくれへんのですか!」
彼は一年生の要チェック人物なんですよーと彦一がぎゃーぎゃーと騒ぎ出す。
仙道はそれに苦笑した。
「はは、彦一。悪いけどオレ、ノブナガくんと話があるからまた今度な」
「ええー! そんな殺生な~」
「悪いな。あ、そうだ彦一。魚住さんにすぐ戻るって言っといて。――ノブナガくん、こっちで話そう」
言って仙道は歩き出した。
信長もその後に続く。
仙道は体育館のすぐ裏にある階段脇のフェンスに体を預けた。
信長もそこで足を止める。
「それにしても、お前ちゃんと練習してたんだな。こんなときだから、練習サボって伊織んとこ入り浸ってるかと思ったぜ」