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夢小説設定
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それに伊織が弾かれたように顔をあげる。
続けて苦しげに眉根を寄せた。
「あ、彰さん……それは……」
「だめ?」
「だって、コーチと約束してるから……。三連覇までは誰とも付き合わないって」
「ああ、やっぱり。オレの予想通りだ」
「?」
仙道の呟きに、伊織が訝しげに首をかしげた。
ああもうそんなしぐさもかわいいなぁなんて思いながら、仙道は両腕を広げる。
彼女は間違いなくこの腕の中に飛び込んでくる。
嬉しい事のはずなのに、仙道の胸には切なさが募っていく。
「おいで、伊織ちゃん」
「?」
伊織は戸惑いながらも、仙道の腕の中にすっぽりと収まった。
仙道はそれをぎゅっと抱きしめる。
一瞬だけ、仙道の胸を悪い企みが支配した。
いっそのこと、このままにしてしまおうか。
そうすれば、伊織の気持ちは自分のものになる。
「彰さん?」
伊織の声に、仙道はハッと我に返った。
伊織に気付かれないように、小さく自嘲する。
「はは、そんなのダメに決まってるよな」
「? 彰さん?」
「ね、伊織ちゃん。今から俺が言うことよく聞いて」
仙道の真剣な声音に、伊織は緊張した様子で頷いた。
それを感じて、仙道は再び伊織を抱く腕に力を込める。
「落ち着いて聞いてね、伊織ちゃん。ちゃんと思い出して。自分が誰を好きなのか。ここはどこなのか。今、自分は何歳なのか。……落ち着いて、よく考えて。思い出して。わかる?」
「彰さん……? 何言ってるんですか?」
怯えたような声を出す伊織を、仙道は力強く抱きしめる。
まるでそこから伊織に力を分け与えるみたいに。
「伊織ちゃん、ダメだよ。直視したくないからって、中学二年生の時の自分に逃げちゃダメだ」
その言葉に、月や星、宗一郎や信長たちがハッと仙道を見た。
「伊織ちゃんなら大丈夫だよ。立ち向かえるから。オレも……神も、ついてるから。思い出して、伊織ちゃん」
「いやっ!」
その瞬間、腕の中の伊織が激しい悲鳴を上げた。
「伊織ちゃんなら大丈夫だよ。立ち向かえるから。オレも……神も、ついてるから。思い出して、伊織ちゃん」
仙道の真剣な声音が鼓膜を叩く。
何を言ってるの?
彰さんは、何を言ってるの?
思い出す? なにを?
神? ……神?
(宗……先輩!)
脳裏に閃く、宗一郎の優しくてあたたかい、大好きな笑顔。
その時、伊織の脳内をざあっと記憶が駆け巡った。
続けて苦しげに眉根を寄せた。
「あ、彰さん……それは……」
「だめ?」
「だって、コーチと約束してるから……。三連覇までは誰とも付き合わないって」
「ああ、やっぱり。オレの予想通りだ」
「?」
仙道の呟きに、伊織が訝しげに首をかしげた。
ああもうそんなしぐさもかわいいなぁなんて思いながら、仙道は両腕を広げる。
彼女は間違いなくこの腕の中に飛び込んでくる。
嬉しい事のはずなのに、仙道の胸には切なさが募っていく。
「おいで、伊織ちゃん」
「?」
伊織は戸惑いながらも、仙道の腕の中にすっぽりと収まった。
仙道はそれをぎゅっと抱きしめる。
一瞬だけ、仙道の胸を悪い企みが支配した。
いっそのこと、このままにしてしまおうか。
そうすれば、伊織の気持ちは自分のものになる。
「彰さん?」
伊織の声に、仙道はハッと我に返った。
伊織に気付かれないように、小さく自嘲する。
「はは、そんなのダメに決まってるよな」
「? 彰さん?」
「ね、伊織ちゃん。今から俺が言うことよく聞いて」
仙道の真剣な声音に、伊織は緊張した様子で頷いた。
それを感じて、仙道は再び伊織を抱く腕に力を込める。
「落ち着いて聞いてね、伊織ちゃん。ちゃんと思い出して。自分が誰を好きなのか。ここはどこなのか。今、自分は何歳なのか。……落ち着いて、よく考えて。思い出して。わかる?」
「彰さん……? 何言ってるんですか?」
怯えたような声を出す伊織を、仙道は力強く抱きしめる。
まるでそこから伊織に力を分け与えるみたいに。
「伊織ちゃん、ダメだよ。直視したくないからって、中学二年生の時の自分に逃げちゃダメだ」
その言葉に、月や星、宗一郎や信長たちがハッと仙道を見た。
「伊織ちゃんなら大丈夫だよ。立ち向かえるから。オレも……神も、ついてるから。思い出して、伊織ちゃん」
「いやっ!」
その瞬間、腕の中の伊織が激しい悲鳴を上げた。
「伊織ちゃんなら大丈夫だよ。立ち向かえるから。オレも……神も、ついてるから。思い出して、伊織ちゃん」
仙道の真剣な声音が鼓膜を叩く。
何を言ってるの?
彰さんは、何を言ってるの?
思い出す? なにを?
神? ……神?
(宗……先輩!)
脳裏に閃く、宗一郎の優しくてあたたかい、大好きな笑顔。
その時、伊織の脳内をざあっと記憶が駆け巡った。