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床に飛び込む瞬間まで見られていたとは! まさに羞恥の極み!
伊織は恥ずかしくなって慌てておでこを両の手の平で隠そうとした。が、勢いをつけすぎて思いっきりおでこをひっぱたいてしまう。
「○×△■$~!?」
痛すぎる。痛すぎるし、バカすぎる。
仮にも憧れの先輩の前で、こんな情けない姿を連続でさらけ出す羽目になるなんて!
伊織は宗一郎に殴られてうずくまっている信長の隣に、一緒になってしゃがみこんだ。
最悪だ。もうこのまま消えてなくなりたい。
「ははは! 伊織ちゃんのおっちょこちょいは相変わらずだね」
(うう……。人の気も知らないで……)
気持ちいいくらい遠慮なく笑う宗一郎を伊織が恨めしげに見上げると、宗一郎は大丈夫? なんて笑いながら手を差し伸べてくる。
思いがけない宗一郎の行動に、伊織の胸がドキンと小さく音を立てた。
(ま、まままままさか!)
この手につかまれというのだろうか。
どうしていいかわからず戸惑っていると、宗一郎が促すようにさらに手を前に出す。
「ほら。つかまって」
「あ、ありがとうございます」
まさか断るわけにもいかず、伊織はがちがちに緊張しながら壊れ物にさわるようにそうっと、宗一郎の綺麗で大きな手のひらに自分の手を滑り込ませた。
ふれた瞬間、さらにどきんと胸が脈打つ。
自分の手だって小さいほうじゃないのに、宗一郎と比べるときちんと自分の手が女の子のものに見えた。
(大きな手だな……。あったかい)
伊織は速くなる胸の鼓動を隠すように慌てて起き上がると、宗一郎の手を離した。
「すみません神先輩。ありがとうございました」
「どういたしまして」
にこりと宗一郎が微笑む。
ダメだ。胸のどきどきがとまらない。それどころか、どんどん大きくなっていく。
伊織は紅潮してきた頬を隠すように、さっとそれを自分の手のひらで覆った。
「神さん、俺には~?」
「ないよ」
「そんなあ~」
無下もなく言い放つ宗一郎に情けない声を出す信長を尻目に、伊織は得点板に手をかけた。
心臓がうるさい。一刻も早くこの場から逃げ出さなくては。
宗一郎が、得点板を再び運ぼうと手を伸ばす伊織に気付いて、首を振った。
「いいよ、これは俺が運ぶから。伊織ちゃんはおでこ冷やしといでよ。全然赤みが引いてないよ」
「えっ! そんな大丈夫です! これはわたしの不注意ですし……」
(それに、赤みが引かないのはもっと別の理由で……)
そそくさとその場を離れようとする伊織を、さらに宗一郎が制止する。
「だーめ! 女の子がそんなところに痣でもつくったらどうするの? ここは俺と信長に任せて行っておいで」
「でも……っ」
この場からは逃げ出したいけど、先輩にそんなことをやらせるわけにはいかない。
ましてや宗一郎は、強豪と言われるバスケ部の二年生レギュラーだ。
雑用よりも練習に力を注いでもらいたい。
頑として譲らない伊織に宗一郎は困ったように笑うと、ふいに伊織の赤くなったおでこをつっついた。
「!」
瞬時に赤く染まる伊織の顔。
伊織は恥ずかしくなって慌てておでこを両の手の平で隠そうとした。が、勢いをつけすぎて思いっきりおでこをひっぱたいてしまう。
「○×△■$~!?」
痛すぎる。痛すぎるし、バカすぎる。
仮にも憧れの先輩の前で、こんな情けない姿を連続でさらけ出す羽目になるなんて!
伊織は宗一郎に殴られてうずくまっている信長の隣に、一緒になってしゃがみこんだ。
最悪だ。もうこのまま消えてなくなりたい。
「ははは! 伊織ちゃんのおっちょこちょいは相変わらずだね」
(うう……。人の気も知らないで……)
気持ちいいくらい遠慮なく笑う宗一郎を伊織が恨めしげに見上げると、宗一郎は大丈夫? なんて笑いながら手を差し伸べてくる。
思いがけない宗一郎の行動に、伊織の胸がドキンと小さく音を立てた。
(ま、まままままさか!)
この手につかまれというのだろうか。
どうしていいかわからず戸惑っていると、宗一郎が促すようにさらに手を前に出す。
「ほら。つかまって」
「あ、ありがとうございます」
まさか断るわけにもいかず、伊織はがちがちに緊張しながら壊れ物にさわるようにそうっと、宗一郎の綺麗で大きな手のひらに自分の手を滑り込ませた。
ふれた瞬間、さらにどきんと胸が脈打つ。
自分の手だって小さいほうじゃないのに、宗一郎と比べるときちんと自分の手が女の子のものに見えた。
(大きな手だな……。あったかい)
伊織は速くなる胸の鼓動を隠すように慌てて起き上がると、宗一郎の手を離した。
「すみません神先輩。ありがとうございました」
「どういたしまして」
にこりと宗一郎が微笑む。
ダメだ。胸のどきどきがとまらない。それどころか、どんどん大きくなっていく。
伊織は紅潮してきた頬を隠すように、さっとそれを自分の手のひらで覆った。
「神さん、俺には~?」
「ないよ」
「そんなあ~」
無下もなく言い放つ宗一郎に情けない声を出す信長を尻目に、伊織は得点板に手をかけた。
心臓がうるさい。一刻も早くこの場から逃げ出さなくては。
宗一郎が、得点板を再び運ぼうと手を伸ばす伊織に気付いて、首を振った。
「いいよ、これは俺が運ぶから。伊織ちゃんはおでこ冷やしといでよ。全然赤みが引いてないよ」
「えっ! そんな大丈夫です! これはわたしの不注意ですし……」
(それに、赤みが引かないのはもっと別の理由で……)
そそくさとその場を離れようとする伊織を、さらに宗一郎が制止する。
「だーめ! 女の子がそんなところに痣でもつくったらどうするの? ここは俺と信長に任せて行っておいで」
「でも……っ」
この場からは逃げ出したいけど、先輩にそんなことをやらせるわけにはいかない。
ましてや宗一郎は、強豪と言われるバスケ部の二年生レギュラーだ。
雑用よりも練習に力を注いでもらいたい。
頑として譲らない伊織に宗一郎は困ったように笑うと、ふいに伊織の赤くなったおでこをつっついた。
「!」
瞬時に赤く染まる伊織の顔。