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「うん……。俺、こんな状態でちゃんと守れてるのかな」
「姉にとっては、今の姉を大切に思ってくれる神先輩がすごく救いなんです」
「今の伊織ちゃん?」
なぜかその言い方がひどく宗一郎の気にかかった。
月は宗一郎を見つめていた視線を一度泳がせると、再び宗一郎と視線を結ぶ。
「はい。姉の過去を知らない人が、姉を大切に思ってくれることは、姉が立ち直るのにすごく重要なことなんです。だから、神先輩は何もできなくなんてないですよ。十分すぎるくらい、姉のこと守ってくれてるんです」
「そうかな」
「そうです。それは間違いありません」
「はは、ありがと、月くん」
宗一郎が眉を下げて笑った。
月もそれに小さく首を振る。
「いえ……。神先輩、どうかこれからも姉をよろしくお願いします」
「俺でよければ」
宗一郎はにこりと微笑んだ。
合同練習が始まってしばらく経った頃、高頭監督が週刊バスケットボールの記者・相田弥生と、その部下の中村を引き連れて体育館へやってきた。
高頭は体育館をぐるっと見回すと、目的の頭を見つけて順に声をかけていく。。
「おーい、牧、神、清田。ちょっと来い!」
附属中選抜レギュラーにフォームなどを教えていた三人は、高頭に呼ばれて急いでそちらへと駆け寄った。
「なんですか、監督。あれ、相田さん」
牧は高頭の隣りに弥生の姿をみとめて、目を丸くした。
弥生が紅を差した唇をにこりと持ち上げる。
「お久しぶりね、牧くん。練習中お邪魔してごめんなさい」
「今日はどうしたんですか?」
「今日は取材に来たんだけど……あら、監督から聞いてない?」
弥生のその言葉に、牧をはじめ宗一郎、信長の三人は仲良く首を横に振った。
そうして、三人は一斉に高頭を見る。
「監督?」
「はっはっは。いやーすまんすまん。今日取材の申し込みがあったことをすーっかり忘れとった!」
「……またですか監督」
牧がいい加減もう慣れたというように深く息を吐き出した。
高頭がそれに牧の肩をばしばしと叩く。
「まあ、牧よ。そんな顔をするな。というわけで、すまないがお前たち三人はこの二人から取材を受けてやってくれ。そうだな、補佐に……鈴村!」
この後の附属中・附属高混合紅白戦に備えてビブスを用意していた伊織は、突然高頭に名前を呼ばれてびくりと肩を飛び上がらせた。
「うわ、はい!」
「鈴村、すまないがこの三人の取材の手伝いをしてやってくれないか?」
「取材の手伝いですか?」
具体的に何をすればいいのかわからなくて、伊織は眉根を寄せる。
高頭はそれを見て軽快に笑った。
「はっはっは。そう難しく考えるな。スコアブックを持って、質問の答えを助けてやるだけでいい」
「ああ、わかりました」
「じゃあ、よろしく頼むぞ!」
「姉にとっては、今の姉を大切に思ってくれる神先輩がすごく救いなんです」
「今の伊織ちゃん?」
なぜかその言い方がひどく宗一郎の気にかかった。
月は宗一郎を見つめていた視線を一度泳がせると、再び宗一郎と視線を結ぶ。
「はい。姉の過去を知らない人が、姉を大切に思ってくれることは、姉が立ち直るのにすごく重要なことなんです。だから、神先輩は何もできなくなんてないですよ。十分すぎるくらい、姉のこと守ってくれてるんです」
「そうかな」
「そうです。それは間違いありません」
「はは、ありがと、月くん」
宗一郎が眉を下げて笑った。
月もそれに小さく首を振る。
「いえ……。神先輩、どうかこれからも姉をよろしくお願いします」
「俺でよければ」
宗一郎はにこりと微笑んだ。
合同練習が始まってしばらく経った頃、高頭監督が週刊バスケットボールの記者・相田弥生と、その部下の中村を引き連れて体育館へやってきた。
高頭は体育館をぐるっと見回すと、目的の頭を見つけて順に声をかけていく。。
「おーい、牧、神、清田。ちょっと来い!」
附属中選抜レギュラーにフォームなどを教えていた三人は、高頭に呼ばれて急いでそちらへと駆け寄った。
「なんですか、監督。あれ、相田さん」
牧は高頭の隣りに弥生の姿をみとめて、目を丸くした。
弥生が紅を差した唇をにこりと持ち上げる。
「お久しぶりね、牧くん。練習中お邪魔してごめんなさい」
「今日はどうしたんですか?」
「今日は取材に来たんだけど……あら、監督から聞いてない?」
弥生のその言葉に、牧をはじめ宗一郎、信長の三人は仲良く首を横に振った。
そうして、三人は一斉に高頭を見る。
「監督?」
「はっはっは。いやーすまんすまん。今日取材の申し込みがあったことをすーっかり忘れとった!」
「……またですか監督」
牧がいい加減もう慣れたというように深く息を吐き出した。
高頭がそれに牧の肩をばしばしと叩く。
「まあ、牧よ。そんな顔をするな。というわけで、すまないがお前たち三人はこの二人から取材を受けてやってくれ。そうだな、補佐に……鈴村!」
この後の附属中・附属高混合紅白戦に備えてビブスを用意していた伊織は、突然高頭に名前を呼ばれてびくりと肩を飛び上がらせた。
「うわ、はい!」
「鈴村、すまないがこの三人の取材の手伝いをしてやってくれないか?」
「取材の手伝いですか?」
具体的に何をすればいいのかわからなくて、伊織は眉根を寄せる。
高頭はそれを見て軽快に笑った。
「はっはっは。そう難しく考えるな。スコアブックを持って、質問の答えを助けてやるだけでいい」
「ああ、わかりました」
「じゃあ、よろしく頼むぞ!」