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小百合はそれだけ言うと、保健室を後にした。
伊織は扉の閉まる音を確認すると、そっと布団から顔を出した。
つかさに言われたことが脳内を駆け巡る。
つかさの、必死になる気持ちが伊織には痛いほどわかった。
だからこそ、断るのはつらかった。
「ごめんなさい……」
伊織は、誰もいない保健室でひとり静かに涙した。
次の日。伊織は月と星、信長と四人でバスケ部体育館の扉を開けた。
「チィーッス!」
「失礼しまーす」
先に中に入る伊織と信長について、月と星も緊張しながら足を踏み入れた。
今日は土曜日。
なぜ月と星の二人がいるかというと、今日は月に一回行われる、附属中男子バスケ部選抜レギュラーと、附属高男子バスケ部との合同練習の日だった。
附属中のレギュラーであった月と星は、集合場所である附属高のバスケ部体育館に、伊織と信長と一緒に登校してきたのだ。
宗一郎はいち早く伊織に気付いて駆け寄った。
「おはよう伊織ちゃん。具合は大丈夫?」
「はい、もうすっかり元気です」
伊織は昨日、結局そのまま部活を早退してしまった。
昨日の夜も、つかさとのやりとりが胸にひっかかってあんまりよく眠れていない。
しかし、そんなことは微塵も表情に出さず、伊織は元気よく力こぶを作って見せる。
宗一郎はそれに心配そうに瞳を細めて微笑んだ。
「そっか。よかった。今日はあんまり無理しないようにね」
「心配性ですねえ宗先輩は。大丈夫ですよ!」
「ほんとうに? その割には少し顔色が優れないように見えるけど……」
言って宗一郎は伊織の頬に触れた。
触れられたそこに、さっと赤みが差す。
「や、大丈夫です!」
「そう?」
宗一郎はそこではじめて月と星に気付いた。
「……あれ、後ろにいるのは月くんと星くん?」
「おはようございます、神先輩」
「ひゃー、神さんだー、ジャージ姿もかっこいい~!」
「じゃなくて」
月がゴンとはしゃぐ星の頭を殴った。
「挨拶が先だろ」
「いてぇなバカ月! 殴ることねぇだろ!?」
「俺への文句の前に神先輩に挨拶だ、星クズ」
「その呼び方すんな! 名前が傷つくだろこの感情クレーター兄貴!」
「なんだと?」
「なんだよ!」
宗一郎の目の前で、月と星ががるるると睨み合う。
伊織はそんな二人の頭に、仲良くゲンコツをふらせた。
「こぉら、ケンカしないの!」
「いいってぇえ~!」
伊織は扉の閉まる音を確認すると、そっと布団から顔を出した。
つかさに言われたことが脳内を駆け巡る。
つかさの、必死になる気持ちが伊織には痛いほどわかった。
だからこそ、断るのはつらかった。
「ごめんなさい……」
伊織は、誰もいない保健室でひとり静かに涙した。
次の日。伊織は月と星、信長と四人でバスケ部体育館の扉を開けた。
「チィーッス!」
「失礼しまーす」
先に中に入る伊織と信長について、月と星も緊張しながら足を踏み入れた。
今日は土曜日。
なぜ月と星の二人がいるかというと、今日は月に一回行われる、附属中男子バスケ部選抜レギュラーと、附属高男子バスケ部との合同練習の日だった。
附属中のレギュラーであった月と星は、集合場所である附属高のバスケ部体育館に、伊織と信長と一緒に登校してきたのだ。
宗一郎はいち早く伊織に気付いて駆け寄った。
「おはよう伊織ちゃん。具合は大丈夫?」
「はい、もうすっかり元気です」
伊織は昨日、結局そのまま部活を早退してしまった。
昨日の夜も、つかさとのやりとりが胸にひっかかってあんまりよく眠れていない。
しかし、そんなことは微塵も表情に出さず、伊織は元気よく力こぶを作って見せる。
宗一郎はそれに心配そうに瞳を細めて微笑んだ。
「そっか。よかった。今日はあんまり無理しないようにね」
「心配性ですねえ宗先輩は。大丈夫ですよ!」
「ほんとうに? その割には少し顔色が優れないように見えるけど……」
言って宗一郎は伊織の頬に触れた。
触れられたそこに、さっと赤みが差す。
「や、大丈夫です!」
「そう?」
宗一郎はそこではじめて月と星に気付いた。
「……あれ、後ろにいるのは月くんと星くん?」
「おはようございます、神先輩」
「ひゃー、神さんだー、ジャージ姿もかっこいい~!」
「じゃなくて」
月がゴンとはしゃぐ星の頭を殴った。
「挨拶が先だろ」
「いてぇなバカ月! 殴ることねぇだろ!?」
「俺への文句の前に神先輩に挨拶だ、星クズ」
「その呼び方すんな! 名前が傷つくだろこの感情クレーター兄貴!」
「なんだと?」
「なんだよ!」
宗一郎の目の前で、月と星ががるるると睨み合う。
伊織はそんな二人の頭に、仲良くゲンコツをふらせた。
「こぉら、ケンカしないの!」
「いいってぇえ~!」