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(ダメ、宗先輩にこんな顔させたら……。宗先輩にはいつも笑顔でいてもらわなきゃ……)
思って伊織は必死に笑顔を作る。
「宗……先輩」
「伊織ちゃん、大丈夫!? 顔、真っ青だよ。それに、すごい冷や汗……」
「だいじょう……ぶ、です……っ!?」
そう答えたとき、突然込み上げるような吐き気が伊織を襲った。
「……っ」
伊織は口を押さえてうずくまる。
宗一郎の心配そうな声音が鼓膜に響く。
「伊織ちゃん!? 気持ち悪いの? いいよ、俺の手に戻していいから、我慢しないで」
言って宗一郎は自分の手を器のようにして伊織の前に差し出した。
伊織は脂汗を浮かべた青白い顔で、それに力なく首を振る。
「伊織ちゃん」
小百合はそんな伊織の肩を支えるように掴んだ。
「伊織ちゃん、保健室に行きましょう。紳一、ちょっと抜けるわね」
「小百合さん、俺も……」
「ダメよ」
着いて行こうとした宗一郎に、小百合はきっぱりと言い放つ。
「女の子が男の子の前で吐けるわけないでしょ? 神くんも男の子なんだからそれくらい察してあげなさい」
「……だけど」
それでも心配そうに伊織を見つめる宗一郎に、小百合は優しく微笑んだ。
「伊織ちゃんを心配な気持ちもわかるわ。でも、ここはわたしに任せて神くんは練習を再開して。ね?」
「……はい」
しぶしぶ頷く宗一郎に小百合は一度うなずいて見せると、伊織を連れて保健室へと歩いていった。
その場に取り残された宗一郎は、心配そうにその背中を見送った。
「伊織、大丈夫ッスかね……?」
「うん……」
伊織と小百合の姿が見えなくなると、信長が心配そうにポツリと呟いた。
宗一郎はそれに同意すると、ふうとため息をつく。
伊織の具合はとても悪そうだった。
(できればそばについていたかったけど……)
小百合にあそこまで言われては仕方ない。
宗一郎は自分がただの先輩であることを悔しく思った。
これがもし彼氏だったなら、間違いなくいまも伊織のそばにいられただろうに。
「にしても、あの先輩凄かったッスね」
「そうだね」
「伊織もあんなに頑なに断ることねーのに」
「ノブ、そんなこと言うもんじゃないよ。何か事情があるのかもしれないだろ?」
諫めるように言う宗一郎に、信長がそりゃそうっスけど……と拗ねたように唇を突き出した。
それに、どこから現れたのか、まりあが宗一郎の腕に巻きついて言う。
「え~、でも案外、男目当てってのが当たってるんじゃない?」
「まりあ」
思って伊織は必死に笑顔を作る。
「宗……先輩」
「伊織ちゃん、大丈夫!? 顔、真っ青だよ。それに、すごい冷や汗……」
「だいじょう……ぶ、です……っ!?」
そう答えたとき、突然込み上げるような吐き気が伊織を襲った。
「……っ」
伊織は口を押さえてうずくまる。
宗一郎の心配そうな声音が鼓膜に響く。
「伊織ちゃん!? 気持ち悪いの? いいよ、俺の手に戻していいから、我慢しないで」
言って宗一郎は自分の手を器のようにして伊織の前に差し出した。
伊織は脂汗を浮かべた青白い顔で、それに力なく首を振る。
「伊織ちゃん」
小百合はそんな伊織の肩を支えるように掴んだ。
「伊織ちゃん、保健室に行きましょう。紳一、ちょっと抜けるわね」
「小百合さん、俺も……」
「ダメよ」
着いて行こうとした宗一郎に、小百合はきっぱりと言い放つ。
「女の子が男の子の前で吐けるわけないでしょ? 神くんも男の子なんだからそれくらい察してあげなさい」
「……だけど」
それでも心配そうに伊織を見つめる宗一郎に、小百合は優しく微笑んだ。
「伊織ちゃんを心配な気持ちもわかるわ。でも、ここはわたしに任せて神くんは練習を再開して。ね?」
「……はい」
しぶしぶ頷く宗一郎に小百合は一度うなずいて見せると、伊織を連れて保健室へと歩いていった。
その場に取り残された宗一郎は、心配そうにその背中を見送った。
「伊織、大丈夫ッスかね……?」
「うん……」
伊織と小百合の姿が見えなくなると、信長が心配そうにポツリと呟いた。
宗一郎はそれに同意すると、ふうとため息をつく。
伊織の具合はとても悪そうだった。
(できればそばについていたかったけど……)
小百合にあそこまで言われては仕方ない。
宗一郎は自分がただの先輩であることを悔しく思った。
これがもし彼氏だったなら、間違いなくいまも伊織のそばにいられただろうに。
「にしても、あの先輩凄かったッスね」
「そうだね」
「伊織もあんなに頑なに断ることねーのに」
「ノブ、そんなこと言うもんじゃないよ。何か事情があるのかもしれないだろ?」
諫めるように言う宗一郎に、信長がそりゃそうっスけど……と拗ねたように唇を突き出した。
それに、どこから現れたのか、まりあが宗一郎の腕に巻きついて言う。
「え~、でも案外、男目当てってのが当たってるんじゃない?」
「まりあ」