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信長がそれに、小さく首をひねる。
「さあ……。運動部だってのは言ってたんスけど、何部かまでは……」
「あれはバレー部から勧誘が来るんじゃないか?」
「……そうっスよね。まだ一年の五月だし、今から入部させれば夏の大会には十分間に合いそうだし……」
渋面を作って呟く信長に、小百合がふふふと微笑む。
「変な心配しなくても大丈夫よノブくん。伊織ちゃんはバスケ部のマネージャーを辞めたりなんかしないわ」
「なっ! そんな心配してないっすよ! それに、伊織が他に部活入りたいなら入ればいいことだし……。オレは別に関係ないっス!」
「あら、素直じゃないのね。神くんは、伊織ちゃんが辞めたらいやよね?」
「え!? ああ、はい。……淋しいですね」
いきなり話を振られて驚いた宗一郎だが、心から素直にそう言った。
ほら、これよノブくん、と小百合が信長に言う。
そんなやり取りをどこか遠くで聞きながら、宗一郎はもう一度思った。
淋しい。
伊織が、どこか遠くへ行ってしまったみたいだ。
なんだか心にぽかりと穴が開いたような気持ちになる。
伊織のバレーを見てわかったけれど、その運動神経は、ちょっといいとかいうレベルではない。
誰が見ても、格が違うとわかるレベルだ。
ましてやバレーが専門でないのにこの実力なのであれば、専門競技はいったいどれだけの実力だったのだろうか。
ふと宗一郎の頭に、いつだったか伊織と一緒に帰ったときのことがよみがえってきた。
あの時、何かスポーツをしていたのかと尋ねた宗一郎に、敏感な反応を見せた伊織。
もしかして、伊織の負っている傷と、この運動神経はなにか関係があるんだろうか……?
それとも、あれは単なる気のせいで、伊織はただ本当に運動神経が良いだけなんだろうか。
どんなに考えても結局は憶測の域をでなかった。
(仙道だったらわかるんだろうな……)
思って宗一郎は悔しさで唇を噛んだ。
あの後、伊織のプレーで活気づいた17組は脅威の追い上げをみせ、一年生にして女子バレーチームは優勝を手にした。
体育館でそのまま表彰を受け、球技大会の片づけをして、一回帰宅をし、現在夜の十九時。
17組は海で球技大会の打ち上げをしていた。
「伊織にかんぱーいっ!」
「あはは、ありがと~」
すっかり伊織は17組のヒーローと化していた。
みんなが伊織のまわりに集まって、やいのやいのと騒ぎ立てる。
「伊織、あんなにバレーがうまかったなんて! なんでそれまで手を抜いてたの?」
舞子がちょっとむすっとした様子で詰め寄ってきた。
伊織はそれにバレたか……という様子で苦笑いをする。
「いや、手を抜いてたわけじゃなかったんだけど……。なんか勝ててたからいいかな~なんて」
「うそよ! この子、まりあちゃんが負傷しなかったらあの試合もそのまま手を抜き続けたわよ!」
「ええ、そんなことないって、誤解だよ!」
「いいえ、絶対そうよ! ああ、もう悔しい! わたし中学時代これでも必死でバレーに賭けてきたんだからね!? それがこんなちゃらんぽらんな子に敵わないなんて~!」
言って舞子は伊織をくすぐり攻めにした。
同じバレーチームの面々も一緒になってそれに参加する。
ひゃははと笑って伊織がそれから逃げ惑う。
「さあ……。運動部だってのは言ってたんスけど、何部かまでは……」
「あれはバレー部から勧誘が来るんじゃないか?」
「……そうっスよね。まだ一年の五月だし、今から入部させれば夏の大会には十分間に合いそうだし……」
渋面を作って呟く信長に、小百合がふふふと微笑む。
「変な心配しなくても大丈夫よノブくん。伊織ちゃんはバスケ部のマネージャーを辞めたりなんかしないわ」
「なっ! そんな心配してないっすよ! それに、伊織が他に部活入りたいなら入ればいいことだし……。オレは別に関係ないっス!」
「あら、素直じゃないのね。神くんは、伊織ちゃんが辞めたらいやよね?」
「え!? ああ、はい。……淋しいですね」
いきなり話を振られて驚いた宗一郎だが、心から素直にそう言った。
ほら、これよノブくん、と小百合が信長に言う。
そんなやり取りをどこか遠くで聞きながら、宗一郎はもう一度思った。
淋しい。
伊織が、どこか遠くへ行ってしまったみたいだ。
なんだか心にぽかりと穴が開いたような気持ちになる。
伊織のバレーを見てわかったけれど、その運動神経は、ちょっといいとかいうレベルではない。
誰が見ても、格が違うとわかるレベルだ。
ましてやバレーが専門でないのにこの実力なのであれば、専門競技はいったいどれだけの実力だったのだろうか。
ふと宗一郎の頭に、いつだったか伊織と一緒に帰ったときのことがよみがえってきた。
あの時、何かスポーツをしていたのかと尋ねた宗一郎に、敏感な反応を見せた伊織。
もしかして、伊織の負っている傷と、この運動神経はなにか関係があるんだろうか……?
それとも、あれは単なる気のせいで、伊織はただ本当に運動神経が良いだけなんだろうか。
どんなに考えても結局は憶測の域をでなかった。
(仙道だったらわかるんだろうな……)
思って宗一郎は悔しさで唇を噛んだ。
あの後、伊織のプレーで活気づいた17組は脅威の追い上げをみせ、一年生にして女子バレーチームは優勝を手にした。
体育館でそのまま表彰を受け、球技大会の片づけをして、一回帰宅をし、現在夜の十九時。
17組は海で球技大会の打ち上げをしていた。
「伊織にかんぱーいっ!」
「あはは、ありがと~」
すっかり伊織は17組のヒーローと化していた。
みんなが伊織のまわりに集まって、やいのやいのと騒ぎ立てる。
「伊織、あんなにバレーがうまかったなんて! なんでそれまで手を抜いてたの?」
舞子がちょっとむすっとした様子で詰め寄ってきた。
伊織はそれにバレたか……という様子で苦笑いをする。
「いや、手を抜いてたわけじゃなかったんだけど……。なんか勝ててたからいいかな~なんて」
「うそよ! この子、まりあちゃんが負傷しなかったらあの試合もそのまま手を抜き続けたわよ!」
「ええ、そんなことないって、誤解だよ!」
「いいえ、絶対そうよ! ああ、もう悔しい! わたし中学時代これでも必死でバレーに賭けてきたんだからね!? それがこんなちゃらんぽらんな子に敵わないなんて~!」
言って舞子は伊織をくすぐり攻めにした。
同じバレーチームの面々も一緒になってそれに参加する。
ひゃははと笑って伊織がそれから逃げ惑う。